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3-2

1月、転入生として学園に入った。


ゲームでは1月から12月までが1年で、12月でゲームが終わる。


学園に入学できるのは、

伯爵家以上の子息、令嬢のみなので、かなりの狭き門。


1学年に1クラスしかなく、生徒も15人程。

勉強は国政や外国語、領地運営など。


人脈作りの大切な要素となっている為、

ほとんどの人が入学するが、決して強制ではない。


正直、王宮から入学命令が出るなど、

異例中の異例なので、ゲームの強制力としか思えない。


これから、悪役令嬢としての

生活が始まるかと思うと、不安でしかない。


学園に入る前の調査だと、王子はヒロインに肩入れ

しているようで、いくらかは攻略されていると思われる。


とは言え、私は王妃候補のまま、

ヒロインはあくまで生徒の1人と言う立場らしい。


周りは以前にもまして、

私をちやほやして、取り入ろうとする。


こうなると、どうしても立ち振る舞いを

考える必要がある。


公爵家に泥を塗る訳にはいかない。


仕方ないと思いながら、

あくまで王妃候補として行動するようになった。


すると、あちこちで噂を聞くようになる、

いわゆるヒロインをいじめているとか、

公爵家の力で好き放題してるとか。


まったく身に覚えがない事ばかり、

ゲームの力、恐るべし!


とにかくヒロインを避けつつ、

学園生活を送るしかない、


すると、王都が荒れて、

その対応に追われていた王子と、

お茶をする事になった。


これも強制イベントらしい。


ヒロインの次に避けたい王子だが、

笑顔で「光栄ですわ」と答え、お茶会に臨む。


とっとと、さっさと、

話を切り上げて、帰りたい所ね。


そう思っていたのだが、


「ようこそ、リリアーナ嬢」


そう優しく微笑む王子を見た瞬間、

顔がかあーと赤くなり、胸がどきどき言う。


え?ええええ?

いきなり恋に落ちるとかある?

これもゲームの力なの?


今までまったく興味がなかったのが、

嘘みたいに、頭が王子一色になる。


一瞬、パニックになったが、

どきどきする胸を押さえ、優雅に礼をする。


王子はひたすら優しく、体調を崩した

事になっていた私を、気遣ってくれる。


「リリアーナ嬢が、婚約者候補で、

 僕も嬉しいよ」


と言われた時は、心臓が飛び出そうだった。


王妃候補のままなのは、気づいていたけど、

この人と結婚するかもしれないんだと、

初めて現実みを持って感じる。


ああ、もう、この恋がゲームのせいかどうかなんて、

もうどうでもいい!

王子素敵!王子大好き!


一緒にいられる時間を宝物のように感じながら、

お茶の時間を過ごした。

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