表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巽日記、  作者: 庚午澪
6/30

おやつゲンカ

「別に要らない態度だったじゃん!」

「あの時は気分じゃなかったの! 後で食べようと思ってたの!」

 しつこい追求に指摘を返すと、朝月が聞き分けのない子供の様に言い訳を叫び、いつもの兄妹喧嘩がリビングで繰り広げられていた。

 涼火の手にはたった今食べ終えたばかりのエクレアの包装が。

「なら羽衣姉の手作りしたコーヒーゼリーがあるじゃないか!」

 エクレアの包装を握り潰し、飲んでいたカップをテーブルに乱暴に置き、小さい兄を睨む。

「あれはっ! ……なんか危険な気がするっ!」

 妹の提案に喧嘩で眉間に寄っていたシワを増やして答えた朝月。

「それは同感だな!」

 納得の理由だったので叫び返し、睨み合ったまま動きを止める。

 するとお風呂から上がった父親が現れ、もはや日常風景の兄妹喧嘩を叱る事なく、冷蔵庫へ歩いて行く。

 鼻歌交じりに冷蔵庫の扉を開け、愛娘手作りのコーヒーゼリーを手に取った。

「羽衣が作ってくれたこのコーヒーゼリーを食べるとよく眠れるんだよな」

 独り言を口にする疑問はあるが、その内容に二人とも無言になる。

「……」

「……」

 言葉を失った涼火は、複雑な表情を見せる朝月に提案する。

「なぁ、兄貴。綱手通りあるじゃん?」

 朝月は乗り出していた身体を引いて、妹の言葉に小さく頷く。

「うん」

「あの商店街のさ、ラーメン屋近くにケーキ缶の自販機が出来たんだって。買いに行かない?」

「行く。超行く。すぐ行く」

 予感が的中してしまう姉に恐怖を覚えつつ、コーヒーゼリーの消費は父親に任せ、二人はケーキ缶を買いに出かけた。




          続く……かも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ