自由研究
四年○組 巽涼火
お兄ちゃんのかんさつ日っし一週間
火曜日(一日目)
朝ラジオ体操へいき、友だちの祝ちゃんと一緒にスタンプを押してもらいました。セミがないていて、朝から神社は暑かったです。朝ご飯にうめ干しのおにぎりとお味そ汁を食べました。
水曜日(二日目)
この日は雨ふりで、夏休みの宿だいをしなさいとお母さんから言われました。お兄ちゃんはすぐどっか外とかに行ってしまうので、お母さんから怒られていたからです。お昼に羽衣お姉ちゃんが焼きそばとトウモロコシを準びしてくれました。おいしかったです。
木曜日(三日目)
祝ちゃんと遊べなくて、つまらないとお兄ちゃんは、学校のプールにでかけました。わたしもついていき、プールで遊びました。帰りにしずかな図書室や校舎を探検して楽しかったです。
金曜日(四日目)
お兄ちゃんはキュウリのあさづけをかじりながら、夏休み映画をみていました。わたしも一緒にみてカキ氷アイスを食べました。
土曜日(五日目)
夜のご飯にゴーヤーチャンプルーが出て、苦いけど好きキライしないで食べないと大きくなれないとお母さんに言われて、お兄ちゃんは食べていました。もうわたしの方が大きくなってきています。
日曜日(六日目)
暑くても無げんに食べられると、お兄ちゃんはミニトマトをずっと食べて無くなるから、お母さんに怒られて泣いていました。お兄ちゃんは夏に野菜ばかり食べる野菜オバケになります。祝ちゃんがお泊まりに来る日だったので、夜は花火をしてスイカを食べました。楽しかったし、おいしかったです。
月曜日(七日目)
お兄ちゃんは羽衣お姉ちゃんに捕まらないように逃げていました。夏休みの宿題をしようって羽衣お姉ちゃんがお兄ちゃんを後ろから捕まえて、宿題から逃げないようにするからです。晩ごはんのナスとピーマンの揚げびたしをお兄ちゃんは、またたくさん食べていました。
ーーと、いった小学生時代の自由研究の模造紙が出て来て、広げて眺めていた高一の涼火は小さく笑った。
「字、汚っ」
マジックの文字は潰れたり大きさもまばらで、改行は端までいったらだし、文字列も右肩上がりになっている。
いつも通り髪を上げた涼火の額に薄らと汗が浮く。
「この自由研究、あとで兄貴と祝に怒られたんだよな『野菜オバケってなに!』『張り出されて恥ずかしいよ!』って。よし、しまっとこ」
思い出に浸るなんて、掃除や断捨離をする時に一番してはいけないと事をした彼女。
地味に汗が伝う喉元を、シャツを引っ張って拭った。
重い胸元を僅かに上下させ、整理していた押し入れに、再び自由研究の模造紙を丸めて押し込む。




