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第1話 序

 突然だが自己紹介しよう。


 俺の名前はロラン。フルハウル王国の辺境にある、スィーティオ領のこれまた端っこの方、ドが付くほどの田舎の村に住む15歳だ。


 特徴はそうだなぁ・・・くすんだ金髪?特に綺麗でもない青い目?低くも高くもない身長?


 全部イマイチ特徴にならない?そうだ、これはどうだい?


 前世の記憶を持っている事、所謂転生者ってやつ。


 これなら特徴になるだろう?なので、この事を話していこうと思う。


 あ、もちろん死んだ瞬間もバッチリ覚えてるぜ?・・・あれは忘れもしない俺の30歳の誕生日の事だ。

 


 友達はいない、恋人はいたことすらない、仕事だけが傍にいた俺にもついに春がやって来た。

 SNSで知り合った女性とデートをすることになったのだ。俺は人生初デートだ!と気合を入れてその日に備えた。

 美容院に行き美容師おすすめの髪型にし、オシャレな洋服屋に行き店員おすすめの服を買い、時計やネックレスなどの小物も一流ブランド品を買いそろえた。

 デートの前日には、考え抜いたデートプランと待ち合わせ場所、それに、これが俺ですと着飾った写真を送り、当日の準備もバッチリに。

 そしてデートの当日、待ち合わせ場所に俺が緊張しながら向かうと、そこには約束をした女性が・・・いなかった。

 スマホを確認すると、すいませんやっぱりなしで、との連絡が入っており、失意の俺はフラフラと歩きそのまま車に跳ねられた。



 この様に俺は死んだ瞬間も覚えているのだ。・・・正直忘れたいが。


 とまぁ、俺が死んだ時の話はそこまで重要じゃない。重要なのはここからだ。


 車に跳ねられた俺は、気づくと雲の上にいた。


 そして男が急に出てきてこう言ったのだ。


「ウェェーイ!ドゥーモ神ディース!めんごめんごー。実は君のパラメーター間違って設定しちゃっててたわー。運と人の出会いみたいなのがバリ低設定だった感じよー。お詫びにおまけ付きで転生させてあげるから許してチョリース!」


 神様を名乗るパリピ風な男がそう言ってきたと思ったら、俺は赤ちゃんだった。



 重要な話なのに短くないか?だって?


 だって本当にそれだけ言われて、気づいたらばぶばぶ言ってたんだぜ?何を話せと?


 え?おまけは良いモノだったか?だって?


 じゃあ次はおまけの事を話そう。



 気付いたらばぶばぶ言ってたって話したよな?俺はそんなばぶばぶ言ってた頃から、今とあんまり変わらない程の自意識があったんだ。


 だから動けないのが暇で暇でな?考え付く範囲で色々してたのよ。それである時、俺は自分のステータスが自由に確認できる事に気が付いたんだ。


 それがおまけかって?いや違う、がっかりしないで最後まで聞いてくれ。


 皆知っての通り、ステータスは教会に行けばステータスプレートで見れるよな?え?知らない?見れるから憶えといた方がいいぞ?


 それで、今でこそ分かった事なんだが・・・、実は俺が自分で確認できるステータスと、教会でステータスプレートを使って確認できるステータスは違うモノだったんだ。


 いや、違うモノと言ったら語弊があるな。言い直そう。


 俺が自分で確認できるステータスは、教会で確認するものより機能がたくさんついていたんだ。


 ただ単にステータスが見られるだけじゃなく、タブがいくつかあって・・・、あ~、本みたいって言ったら解るかな。1ページ目はステータス、2ページ目は持ち物みたいな。


 俺のステータスはそんな感じで色々出来るんだが、その中にお知らせ・・・神の託宣って言ったらいいのかな、そういう項目があったんだ。で、その中におまけの事が書いてあったんだ。



 書いてあった文章をそのまんま話すとだ・・・。


『元・山田和夫様へ


 私は、貴方を転生させた神様に仕える天使でございます。ウチの神様はあの通りのお方ですので、一切説明がなかったと思います。ですので私から説明をいたします。


 貴方の今世の諸々のパラメーターは、一般人の平均値くらいの設定で確認が取れております。ですので今世では普通の運、人並みの出会いはあるかと思われます。しかしあくまで設定ですので、運や出会いがあるからといって、大金を拾ったり異性にもてたりという事はありませんのであしからず。


 そしておまけをつけるという件ですが、特別なスキル、転生した世界ではユニークスキルと言うそうですが、そちらが付与されております。


 名称「リプレイ」、効果は「やり直すことが出来る」となっております。


 お創りになりました神様曰く、「何かした後暫く経ってさぁ、うわぁ~何か違うわ~とか、あぁ~!やって置けばよかったぁ~って思うときあるジャーン?んでやり直してぇ~って思うっしょ?それが出来るゴイスーなスキルでーっす。本当のリプレイと意味は違うけど、響きがいいからこの名前にしましたウェェーーイ!」との事です。


 ですが流石に神様も、無制限にやり直しが出来ると世界を壊しかねないスキルになると思ったようで、ある程度制限がございます。


 制限の1つ目は、「発動方法」です。


 詳しく説明しますと、手動でのみ発動可能です。自動で発動したりはしませんので、意識が無いうちに死んだりするとどうしようもないので、十分にご注意ください。


 後、後述にも絡んでくるのですが、使用可能レベルは1となっております。


 続いて制限の2つ目、やり直せる「時間」です。


 詳しく説明いたしますと、その世界にはレベルやステータスというモノがありまして、レベルが上がると、その人の才能に応じてステータスが上がるといったモノになっております。


 そして「どれくらい」やり直せるか、ですが・・・1レベルで最大10日前まで戻ってやり直すことが出来ます。ただし、やり直しを使った後は戻った時の状態になり、そこからレベルが引かれますので注意してください。


 例えば、3レベルの時に10日前に戻ったとします。すると戻った先では2レベルだったのでそこから1レベル分が引かれ、結果10日前に戻れたがレベルは1という状態になります。


 この時、やり方によってはレベルがマイナスになるのですが、発動は可能です。しかしレベルがマイナスになると、ステータスは1レベル時の値固定、更にレベルが1になるまで「1レベル×10日」の間経験値が一切入らなくなるのでご注意ください。例えば、-3ですと40日、という風になります。



 以上で説明を終わります。今世では幸せになれる事をお祈り申し上げます。


                             第一補佐天使より』


 まぁこれがおまけってわけよ。




「解った?山賊のお頭さん?」


「ガハハ!面白い作り話だったぜ坊主!お前は男だが、話はうまいしまだ若い!特別に殺さず売り飛ばしてやろう!話好きの金持ちにうけそうだ!」


俺は現在進行形で村を略奪中の山賊の頭に、手足を縛られた状態で話していた。


「いやいや、言ったじゃん?やり直せるユニークスキル持ってるって」



 山賊の頭に俺はそう言い、スキルを発動させ・・・。



 作者より:読んでいただきありがとうございます。

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