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N市のメイド喫茶②

 二日酔いもなく目覚めた。

 今日は、再びN市のメイド喫茶巡りをする。

 今回は、夜の時間に行くことにした。

 昼間とは違った雰囲気を味わいたかったからだ。

 いつも通りシンプルな格好で家を出た。


 電車の乗り、N駅に到着した。

 駅周辺にメイド喫茶が固まっている場所があり、そこまで徒歩で行くことにした。

 5分くらい歩くと、メイド喫茶が固まっているビル群があった。


 最初の店に入る。

「いらっしゃいませ、ご主人様」


 周りを見渡すと、7人ほど座れるカウンターと4つのテーブルがあった。

 私はテーブルに座り、生ビールを注文した。

 このメイド喫茶は、リフレと呼ばれるメイドがお客にマッサージをするサービスがあった。

 はっきりいって興味がない。

 だが、好きなメイドが自分をマッサージしてくれるというのは、他の人にとってはありがたいサービスだと思った。

 調べてみるとこのメイド喫茶、アイドル育成までやっているようだ。

 すごい時代になったものだと、感慨にふけていると10代くらいのメイドが私に話しかけてきた。

 たわいもない世間話だ。


 メイド服は黒っぽいような紺色のような、メイド服で白のカチューシャをしていた。

 膝上までのフリルスカート。

 メイド喫茶に働いている女性はモテるだろ。

 顔の造形や体型も大切だと考えているが、男性との出会いがたくさんあるのだ。

 選び放題でもある。

 働いていれば男性からのアプローチもひっきりなしだと私は考える。

 どうしても生理的に無理だと感じてしまう男性が現れて、つきまとわれる可能性もある。

 そんな男性に狙われたら、ご愁傷様としかいえない。


 N市のメイド喫茶では私はメイドにこの質問をしている。

「なんでメイドさんやっているの?」

「かわいいメイド服が着れるから」

 質問した全てのメイドがそう答えた。

 若いうちしか着ることができないから、今メイドをやっているのだ。

 会計が終わり店をでた。


 空は暗く、ネオンが街を照らしだしていた。

 夜遊ぶほうが気分が高揚するなと、考えながら2軒目に行く。


 ビルの4階にある店だ。

 透明の扉を開けて、店に入る。

「いらっしゃいませ」

 この店にはカウンターがなく、座席のみだった。

 満席なら20人ほどが入れるだろう。

 初見である以上、店の入り口近くにある隅っこの二人掛けのテーブルに座った。


 黒のロングスカートのメイド服。

 白い前掛けをしていた。

 足元は黒のブーツ。

 ロングスカートは私好みだ。

 女性客も一人いた。

 メイド喫茶に女性客を見たのは初めてだった。

 出入り口から一番遠い席に6人掛けのテーブルに座っており、他に男性が3人座っていた。


 生ビールはなかったので日本酒を注文した。

 あるメイドが妖精さんと呼んでいるのが聞こえた。

 中から、20代中盤くらいの男性が現れた。


 あとからわかったことなのだが、妖精とは店の店長のことであった。

 メイド業界では妖精さんと呼ぶらしい。


 メイドと談笑してしばらくすると他のお客のところに行ったので、ゆっくりと日本酒を飲んでいると女性客が私に話しかけてきた。

 初めてきた客でもある私になぜ話しかけるのだろうか。

 周りの男性にでも話しかければいいものを。


 彼女は私を見ながらこう言った。

「彼氏ってどうやったらできますか?」

 何を言っているのだろうか。

 初対面にそのようなことをいう女性を私は初めて見た。

 だが、私は紳士だ。

 女性の質問に無視などということはしない。

「最近肉食系女子っていうのが流行っているから、自分からガツガツ行ってみたらどうかな」

「ガツガツする女性って嫌じゃないですか?」

「嫌だね」

 つい本音が出てしまった。

 フォローしなければと考えていると

「騙されてもいいから彼氏が欲しい」

 と言ってうずくまってしまった。

 異様な光景に、お客も他のメイドも彼女を見ていた。


 彼女の名前はせーな。

 この店のメイドだった。

 なぜ名前がわかるって。

 1年後、私はこの店に来店する。

 当時はこの店に、また来店するなんてつゆとも思わなかった。

 そして、彼女と再会して半年後、彼女に助けられることになる。



 それはまた別の話。

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