第三話・きっと、
クレアの様子がおかしくなってから、
1週間。
既に彼女は、普段どおりに戻っていた。
「クレア!召集…だ…」
勢いよくクレアの自室に入ったライマだったが、
声が失速する。
「変態!!」
そう言われて飛んできたのは、
彼女の部屋にある、分厚い魔術の本で、
それはライマの顔にきれいにヒットした。
「す、すまない、ライマ…」
「あ〜…いや、いいさ。ノックしなかった俺が悪いからな。」
「鼻血…止まった?」
「んぁ?たぶん…」
ライマが片手に持って鼻を押さえていたティッシュは、
血で真っ赤だった。
しかし、既に鼻からは血が出ていなかった。
「…で、何だ?何か用があったんだろう…」
「ん?あぁ、召集だ。すぐ準備しとけ?夜中になる前に出発するから、
ちゃんと仮眠もとっとけよ」
「あぁ…分かった。」
じゃ、とライマは出て行った。
また、少ししか眠れなかった。
どうにかしてほしい。もう、過去夢なんてみるのは散々だ。
準備、といっても、
食料を少しと、あとは使う武器だけだ。
「クレア。準備できたか?」
「あぁ…行こう」
「なぁ、」
「なに?」
歩いていると、ライマが口を開いた。
「クレア最近夢ん中に兄さん出てるんだろ、たぶん。」
「…っ!」
「あれ、当たっちまった」
何で分かったんだろう。
ライマにそのことを話した覚えはない。
どうして、そのことを…
「おれの夢ん中にも出てきてんだ。」
「嘘だろう?まさか…」
「いんや、嘘じゃないよ。」
軽くギャグ入った(笑)
”兄さん”はいつになったら名前が出てくるんだろ〜