71話 誕生日プレゼント
誕生日が来て6歳になったシュンは母方の祖父母宅に遊びに来ていた。
今、シュン、シュン母、祖父母の4人で『あるもの』を囲んで見ていた。
人生がテーマ? のボードゲームである。
シュンは6歳の誕生日プレゼントとしてこのボードゲームを選んだ。
※
誕生日前シュンは両親に
「誕生日、何かほしいものある?」
と聞かれた。
(特にないなあ)
とシュンは思った。
『衣食住』のカテゴリーから欲しいものを探してみる。
(服はお母さんが買ってきたのあるし、タオくんマオくんのお下がりもたまにもらうし。いっぱいある)
タオとはマオの兄で、マオと同じくシュンの父方従兄である。
(俺が自分の服を選んでも、じじぃのセンスだからなあ。
お下がりがちょうどいいんだ)
『食』と『住(生活)』についても考えるが、
(食べたいものも特にない。普段から十分おいしいもの食べているし。
他、6歳児の生活に必要なものは全部あるな……)
シュンは
(やっぱり特にほしいものないなあ)
と思った。
「ゲームソフトとかゲーム機が良いか?」
と父が聞く。
(ゲームか……)
シュンはゲームが面倒くさいのであまりやりたくないのだが、そのことは子どもとしては大っぴらにしないほうが良いと思っていた。
なので、
「マオくんが、あそばなくなったゲームソフト、たんじょうびにくれるっていってたから。
いらない」
と『ゲームはするけど、特に新しく買わなくてよい』と言う間を取るような発言をした。
すると両親が困った顔をした。
シュンはピンときた。
(俺がほしいものを思いつかないように。
お父さんとお母さんも6歳児がほしいものがわからないのではないか?)
シュンは両親の困り顔を見て、何とかほしいものを思いつかないか、頭を巡らしてみた。
そのとき思い出したのは、テレビで見たことだった。
『今の時代の消費者は「物」ではなく「体験」を求めている』
みたいな話題……
シュンは
「お父さんやお母さんやおじいちゃんやおばあちゃん、みんないっしょにあそべるゲームがほしい」
と言った。
その結果、『ボードゲーム』がシュンの誕生日プレゼントとなったのである。
※
(皆で遊んだという思い出になる)
とシュンはボードゲームをしながら思っていた。
(体験型誕生日プレゼントとして、『水族館へ行きたい』とか『動物園に行きたい』とかも考えたんだが。
どこへ行くにしても夏は暑いからなあ……)
今の時代の夏は昔より5度は暑い。多分。
とシュンは思った。




