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66話 懐かしい

 5歳の女の子ミヨは母と、母の友人とその子どもナギと、4人で喫茶店に来ていた。


「これ見て」

 メニューを見ながら母が言う。

「『昔ながらのホットケーキ』だって」


「『懐かしい味!』、か~。へえ」

 母の友人が写真の下の文章を読む。

「おいしそ~」

「これにしようかな……」

「私も」


 注文のしばらく後、運ばれてくるホットケーキ。

 母たちは小さなお皿をもらい、子どもたちにもホットケーキを切り分けた。

 

 ミヨはホットケーキを食べ、

「おいしい!」


「良かった」

 母が微笑むのに、

「うん!」

 ミヨはさらに感想を言う。 

「ほんとに、なつかしいあじ、するね!」

 すると、母と母の友人が一瞬目を丸くした後、可笑しそうな顔でミヨを見た。


「?」とミヨは母たちの表情を不思議に思ったが、そのすぐ後、ミヨの前のテーブルで同じくホットケーキを食べていたナギが大きな声で続いた。

「ナギちゃんもなつかしいあじ、した!」


『ふふっ』とミヨはこっそり吹き出した。

(ナギちゃん、『懐かしい味』って……

まだ3歳なのに……『懐かしい』って……)


『可愛い』とほのぼの思ってから、ハッと気づく。

(私も『5歳』だった……)


 じゃあ先ほどミヨを見ながら母たちが可笑しそうな顔をしていたのは……

(私がナギちゃんに

『3歳児の「懐かしい味」って何(笑)』

と思ったように。

お母さんたちも私に対して、

『5歳児の「懐かしい味」って何(笑)』

と思ったんだろうな……)


 実際のミヨは本当に『懐かしい味』と思ったわけだが……


 自分の思わぬ子どもらしい天然発言(?)に

『えへ……』

 一人照れるミヨ。

 一方、

「ホットケーキ、なつかしいあじ!」

 ナギは母たちに覚えたての言葉を何度も披露していた。

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