63話 絵4
5歳の女の子ミヨは、保育園で友達と絵を描いていた。
「できた」
ミヨが言うと、
「みせて」
友達のレイナが絵をのぞきこんだ。
ミヨが描いたのは、今、子どもたちの間でも人気のアニメキャラだった。
「うまい」
ほめてから、
「でも、リボンがちがうよ」
レイナは自分の紙にアニメキャラが付けている『リボン』を描いてみせた。
「○○○のリボンは、こんなかんじだよ」
ミヨが感心する。
「そうなんだ」
「うん」
二人が話をしていると、まわりに他の子も集まってきた。
「ミヨちゃん、○○○かいたの?」
「ここ、ちがうよ。○○○のかみのけは、こうだよ」
「ふくのここが、ちがう」
色んなアドバイスをもらう。
ミヨは皆のアドバイスを採用して、アニメキャラの絵を完成させた。
「うまい」
「にてる」
皆に褒められて、照れつつ、
(皆の記憶力の方が、すごいわ)
ミヨは思うのだった。
(観察力があるのね)
ミヨはアニメキャラの全体像を『ぼんやり』としか憶えていなかった。
(私は、リボンの形や、髪の毛先、服の柄まで、憶えていないわ)
考える。
(私、中身がおばあちゃんだから、アニメを見ていても、他の子どもよりは理解度が深いんじゃないかなんて、自惚れていたけれど……)
『トータルの情報の受け取り方』――ストーリー、絵、声などアニメに関する情報全て――を考えると、自分の情報吸収度は皆より優れているとは言えないのではないか。
(子どもって、スゴいな)
いつも思っていることを今日もまた思うミヨだった……




