51話 少女アニメ
5歳の女の子ミヨはテレビの前に居た。
少女アニメ観賞中である。
そんな娘と同室に居る夫婦。
一緒にアニメを見るともなく見ている。他のことをしつつ。
夫がぼそっとつぶやいた――妻に対して。
「女の子ってこう言うのやっぱり好きなんだな」
妻は答える。
「うん……。好きなのよね。
皆見ているみたい」
と言った後、
「でもね。
レイナちゃんは最近はあんまり見なくなったって」
「へえ~。
次の段階の――年齢層の――アニメへ行った、とか?」
「うん。
ホラ。このアニメって、毎年キャラと世界観みたいなのが変わるでしょ?
それで見なくなるのかなあ、ってレイナちゃんママは言ってた」
「へえ~」
「初めて見たとき――3歳くらい――がいちばん熱心に見て。
だんだん見なくなって。
今では重要な回――新しい仲間登場回とか――しか見なくなっちゃったんだって。
それでもキャラクター自体は好きで、人形とかオモチャは欲しがるし歌も一緒に歌ったりするらしいけど」
「ミヨは毎週、忘れずに見るよな」
と父は娘の後ろ姿をチラリと見た。
「子どもって、一人一人違うな~」
「そうよね」
※※※
ミヨはそんな両親の会話を、盗み聞きするつもりはなかったがやはり聞こえてしまったので聞いていた。
(えっ。
レイナちゃん、このアニメ、毎週見ていないの!?)
とミヨは驚いていた。
(しょっちゅうおままごと中にキャラクターが登場するから、見ているかと思ってた……)
ミヨはそっとため息を吐いた。
(『女児はこう言うアニメを見るもの』と思って見ていたけど。
見ない子もいるのね……)
当たり前と言えば当たり前だが。
ミヨはテレビ画面を見つめた。
(おもしろいけど……)
『毎週見ない子もいる』と知ったけど、自分はこれからも最終回まで毎週見続けるだろうと思った。性格的にも……
(でも。
来年はどうしようかな……)
いつこう言うアニメを卒業するのがふさわしいんだろう? と思った。




