35.5話〈閑話〉 誕生月2
5歳の女の子ミヨはファミレスでの母たちの会話を思い出していた。
『誕生月』と『星占い』の話。
(星占いっておもしろいな)
と思う。
と言っても『100%信じた』わけではないが、『何となく信じてしまう』と言うところか。
と言うのも自分のことはわからないがシュン、アキト、レイナの『星座とその性格』に関しては『あっている』と思ったからだ。
こう言う占いとは『全ての人にあてはまる特徴』を言うから『あっているように見える』だけだとも聞くが。
例えば『性格が優しい』は、ほとんど全ての人に当てはまるだろう――『普通に優しい』、『厳しいけど、それは優しさから来るもの』、『普段は冷たいけど、実は優しい』、『子どもには優しい』、『動物に優しい』などなど。
(『しし座は堂々』、か)
ミヨはシュンの普段の行動を思い出し、1人笑みをこぼす。
シュンは5歳児ながら『泰然自若』と言うか、振る舞いも落ち着いていて感情面も安定しているように見える。
確かに母たちの言うとおり『しし座』と言う感じがする。
『獅子』――わかる、と思った。『ぽい』
その後『ミヨちゃんは「3月生まれ」なのにシッカリしている』と言う母たちの言葉を思い出し、ため息を吐いた。
(私、同じ組の女の子たちを参考に普段振る舞っていたけど……。
本当は、一つ年下の組の子の様子を観察した方が良かったのかな)
しかし『一緒にいる時間が長いのは同じ組の子たち』なのだ。
だから仕方ないのだが。
それに……
(早生まれの子が、4月とか5月生まれの子と一緒にいることでその子たちの影響を受ける。
そんなに不自然なことでもないかな……)
皆、お互い影響を与え、受け合って日々過ごしている。
そしてミヨの場合、『意識して』影響を受けようとしている面が他の子たちより大きいだろうが、それでも絶対に『無意識』にも影響を受けている面があるだろう。
(ときどき『私ってスゴく腹黒ね……』と落ち込むけど。
『腹黒な思惑』――『子どもらしく振る舞う勉強のための、子ども観察』――から離れたところでも、
『自然と子どもたちから良い影響を受けている』とも思うから。
だから、私、救われていると思うな。
『自分は腹黒ばかりではない』と、子どもたちから受ける自然な、予想外の影響のおかげで思うことができる)
ミヨは思った。
(子どもとは良いものね)




