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21.5話〈閑話〉 手紙~シュンの場合~

 5歳の女の子ミヨの母は保育園に子どもを迎えに来たとき、シュンの母と玄関先で一緒に待つことになったので少し話をした。


 先日ミヨからもらった手紙の話をする。


「リンネちゃんのママに、

『ミヨちゃんはちゃんと住所が書けてスゴい』

と褒められたの。

リンネちゃんは5歳の頃、手紙に住所を書くって知らなかったとか言われて」


「へえ~。

でも、まあ、そうかもね……。

子どもって『大人は何でもできる』って思っているところあるよね。

だから郵便屋さんが『皆の住所を聞かずとも家の場所を知っている』と思い込んでいても不思議じゃないか」


「ミヨが住所を書くのを知っていたのは、きっと保育園で習ったんだと思うわ。

ウチでは教えたことないもの」


「あ。じゃあ、ウチも一度シュンに手紙書かせてみよう」


 とシュンの母は笑って言った。



※※※


 後日。

 再びミヨの母とシュンの母は保育園の玄関先で話をする機会を得た。


「ねえ、前、手紙の話をしたでしょ?

あの後シュンにおじいちゃんちへ手紙を書かせてみたの」


 とシュンの母は切り出した。

 ミヨの母は興味深げな視線を投げる。


「どうだった?」


「『おかあさん、おじいちゃんちのゆうびんばんごう、なんばん?』

って言ってた」


 シュンの母は我が子の真似をする途中で、笑い出した。

 ミヨの母もつられて笑った。


「住所どころか郵便番号」


「そうなの。

それで

『シュンくん、お手紙に住所ちゃんと書いてスゴいね』

って言ったらね。

『何言っているんだ。当然だろう』

みたいな顔してた」


「何か。

想像つく。シュンくんのそう言う顔」


 シュンの母とミヨの母は笑い合った後、言い合った。


「保育園で習ったおかげね」


「保育園様々ね」

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