第九章 [ 逃走 ]
「はぁっはぁっはぁっ」と斎藤は、ブルーを担いだまま逃走している。斎藤は、体力には自信があった。それに相手は、銃らしき物は持っていないため撃たれる心配は無かった。「どうだ、俺の判断力!」と斎藤は自信げに言った。「それは解ったから!、前前ー」ブルーは斎藤を叩きながら叫んだ「なんだなんだ!やめろやめろ!って、行き止まり?!」斎藤は目の前の行き止まりに気付いた。後ろを振り返ると奴等が、すぐそこまで来ていた。「なんだなんだ?もう追いかけっこはおしまいかぁ?」とギャングたちは挑発気味に言った。兵士の斎藤でも武器無し1対7は到底無理だった。「ヒュー」と何かが落ちてくる音を聞いた斎藤は「なんだなんだ、追いかけっこは今からなんだよなぁ」その時上空から20式が落ちてきた。「な、なんだこりゃ」とギャングたちは目を丸くして驚いていた。「じゃあな、クソヤロー」と斎藤が叫んだ瞬間、20式は二人を抱え飛び去っていった。「この状況も2回目かぁ」と斎藤は悟った。ブルーは「うん」とうなずいた。
「いってぇ」「大丈夫か?」とギャングたちは起き上がった。「“アレ”はぁ…」「大丈夫ですか?隊長」「あぁ大丈夫だ、それより奴等を追うぞ。聞きたいことが山ほどある」
「結局これっぽっち?!」とブルーは携帯食を片手に言った。「しかたねぇだろ、あんなのが出たんだから。本当このご時世こんなことするやついるんだなぁ」と斎藤は、頬杖しながら言った。「食料の方は、私が確保しておいた」と20式は段ボール一杯の食料を見せた。「さっすがー、何処かの脳筋野郎より頼りがいあるわー
」とブルーは斎藤をバカにしながら言った。「うるせー、誰がお前をみつけてやったとおもう?」と斎藤は喧嘩腰に言い返した「別に見付けてくれとかいってないしー」とブルーは屁理屈を言った「ふざけんなよ、このくそあまがぁー!」