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write  作者: Dream Day Makers
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page1

これから私が経験したことを別の視点から経験したいと思う。

そしてそれをこの本に書き記していきたい。

それが私が行うことのできる最大限の懺悔だと思うから。

そして、最後の足掻きだと思うから。

暗闇から足を踏み出した私を迎えたのは昔住んでいた村から少し離れた場所にある森の中。

その森は普段村の人間たちが入らないのと、そこまで危険な野生生物がいないということで私たちの遊び場になっていた。


誰が見てもわかるような罠がはってある森の中を少し進むとひらけた草原に出る。

村の大人たちはこの場所のことを知らない。

今来てわかったことだがどうやらここには精霊の加護がかかっていて精霊に好かれていなければ入れないらしい。

四人の子供の声が響いている。

今日も遊んでいるらしい。


子供達の声が響く草原に佇んでいると一人の少年がよそ見しながら走ってきた。

ああ、彼はあの頃の___


よそ見をしながら走ってきた彼がぶつかる前に受け止め、そっと押し返す。

軽い悲鳴を上げながら後ろ向きに転がってしまったが怪我はさせていないし大丈夫だろう。

彼が起き上がるのに合わせ手を差し伸べた、が、彼は少し耳の痛くなるような悲鳴を上げ、慌てたように私から距離を取ってしまった。


怪しいものじゃないと告げたけれど、彼の耳には届いていないだろう。

友人たちの声で我に返った彼は躓きながらも友人たちの傍へと走っていき、もう一人いた少年の隣へと立った。


多分というか絶対だけれど、彼らは私の黒髪と黒目に驚いている。この時代にはもうここまで濃い黒髪の人間はいないからだ。

あとは罠を全部無視してきたことだろう。すべての罠の場所は把握しているし、痕跡が見えている時点でたとえ増えていたとしても避けられないものじゃなかった。

今まで誰も来なかったから過信していたんだね。


警戒しなくてもいいとは告げたが、まあ無茶だろうというのはわかっていた。

だから私は昔見たままの「________」としてふるまうことにした。

まあ、それ以外の選択肢がなかったというのも理由だけれど。

目の前で私に向かって敵意むき出しの勇者君が飛び掛かってくる前に、私は彼らに対し「暑いね」と声をかけた。


その後彼らに私の服装について総ツッコミをいただいてから(私の服装は黒い長めのローブに黒のズボンと黒尽くしである)彼らの本拠点である木で組まれたただひたすらに四角い建物に案内してもらった。


建物の中はそこそこ広く大人でも四、五人程度なら普通に住めるのではないかと思うほど広い。

これをここにいる四人だけで作ったというのだから驚きである。


建物の中央にある椅子に腰かけ、子供達と向き合い彼らの言葉を待った。

彼らほどの歳、十三歳ほどの子供と触れ合うのは友人の孫が成人した以降は無かったように思える。

この時ばかりはこの記憶力に感謝したいととても思った。


この建物のことや記憶力のことを考えていると、最初私とぶつかって来た少年が私が何処から来たのかを問いかけてきた。

おっさんと呼ばれてしまったのが少し、いやとても悲しかったがあえてそこには触れず私はあの時の彼と同じく「__」という名を名乗った。


その後彼らに一人ずつ名乗ってもらった。

まず敵意剥き出しだった少年が_____、__という名前の天使族だ。

天使族特有の白髪に黄金色の瞳、白色の翼を持っている。

特筆するようなことは特に無いが、美形な方に入る顔立ちをしている。

中身はまるでなってないけれども。


____の次に名乗ってくれたのは彼と同じ天使族の____、___だ。

彼女は天使族としては珍しく赤い瞳と髪を持っている。

そして彼女はまだ気が付いていないがこの世界の生き物としては珍しく、魔法が使える。

今のところ何もやらかしていないのが唯一の救いだ。

何もされていないことも。


次に名乗ったのは__、______だ。

最初にぶつかってきたのとおっさんと呼んできたのは彼だ。

この世界では珍しいほぼ純性の人間で、水色がかった黒色の髪と目をしている。

予想だが本来は綺麗な水色の瞳や髪だったのだと思う。

___と同じく魔法が使えるため色が変わってしまっているのだと今は考えている。

彼も___と同じく魔法が使えることに気が付いてはいない、というわけではない。

彼自身は魔法が使えることに気が付いていて、それを隠している状態だ。

なんで気が付いているのか、というのも後で書こうと思う。


最後の一人はなかなか話してくれなかった。

彼女の背景を考えると仕方がないとは思う。

時間をかけて心を開いてもらうしかないだろう。

彼女の名前は___だと彼らが教えてくれたが本名は違う。

彼女の本名は____。____・___・_____。

___は五年前に村の傍で倒れているのを__に見つかった孤児で、今は__の家に居候している金色の髪に深い蒼の瞳、鮮やかな白銀色の角を持つ魔族の少女だ。


後世ではどうなのかわからないが魔族は別に珍しくとも悪役だったりもしない。

昔は悪魔、という呼称だったそうだが古代戦争以降は魔族という呼び名に変わっている。

見た目は人間とそこまで変わらないけれど魔族はみな角を持っている。

魔力の扱いに長けている者が多く魔術師になるものが多いのも特徴の1つだ。


___も魔法が使える。

珍しいといわれている魔法使いが四人中三人いると感覚がマヒしそうだが実際は十年から二十年に1人魔法使いが確認されるかされないかというくらい希少だ。


その後時間がきたと言い彼らは村へと帰っていった。

本当は色々と聞きたかったようだが用事があるらしく名残惜しそうにこちらを見た後駆けていく姿は何とも言えないものがあった。


今は彼らの拠点で夜が明けるのを待っている。

彼らが今何をしているのかはわかっているし特に心配事は無いけれど、これからのことを考えると少し心配になる。

そうだ、あの時の彼と同じように私も準備しておこうか。

私の時と全く同じ、とは限らないけれど、やるべきことはやっておこう。

寝る必要がないというのは非常に便利だ。

初日だから多めに書いたがこれからは一日ごとに書くことが減っていってくれると信じている


あとページの端にでも種族について書いておくことにする

名前の部分は無理やり消したのか黒ずんでしまっていて読めなかった

誰が何の目的で名前を消したんだろう…

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