配役の心得⑦
眠気を引きずりながら授業を受けるのは、とても苦痛である。しかも原因が自分ではなく他にあれば尚更だ。
臆人は奥歯を噛み締めながら昼休みまでの授業を受けて、昼休みは屋上で六人で昼食を取ることにした。
因みに屋上は一号館の屋上を指している。他の棟には屋上は存在していない。いや、存在はしているかもしれないが、永久的に鍵が掛けられていて開かなくなっている。
「これより作戦会議を始める!!」
「イエス、マム!!」
臆人の言葉に反応したのは、ノリのいい凶だけだったのは、少し悲しい所だ。
「作戦会議って言っても、ただ他の人の授業を受けるだけの事でしょ?何も作戦なんて必要ないじゃない」
楓の最もな意見に対して、臆人は人差し指を突き立て、左右に揺らして、ちっちっちと発した。
「まあ確かにその通りだが、やっぱり予習をしておくのは大事だと思うんだよ俺は」
「予習って、何をするんですか?」
愛未が不思議そうに問うと、臆人は小声でふっふっふと俯き加減に笑う。
「名付けて、配役論ってそもそも何?それを一緒に考え__」
「そんなの各々教官が説明するわよ」
「…そうだね」
「だな」
「おい凶…!?お前はこっちの味方だろう!?」
楓の正当な言い草に愛未と凶が反応した。宍戸と拓郎なんて聞いてすらいない。購買の弁当を黙々と食っている。
そんな情のない奴等を放っておき、凶の側で耳打ちする。
「お前…あの約束を取り付けるんだろ…!?乗らせておいてその合間に言えばどうにかなるって…!!」
「いや、俺はそんな回りくどいやり方はしない」
キリッと凶は目を鋭くし、黒い笑いを溢す。ここで臆人は気付く。こいつは正当に勝負する気だと。
「本気か!?本気なのか!?」
「馬鹿言え!!本気の本気!!本気と書いてマジと読むぜ!!」
そこまで言って、凶は臆人の側を離れて楓の元へと向かう。楓は近づいて来た凶を訝しげに見つめる。
「えーと…ですね!!俺にその制服貸して下さいお願いします!!」
「……へ?」
楓はリアクションも取れず、只々口をポカンと開けた。一体何を言っているのか理解出来ない顔だ。
「これはだな楓!!かくかくしかじかで、とにかく凶が女英雄論に出るにはその制服が必要なんだ!!」
凶が女英雄論で話を聞くためにはまず、女装という難題を突破しなければならない。朝用意していたカツラは持って来たので、後は制服のみだ。
「なるほどね…ってそれで納得すると思ってんの!?貸すわけ無いでしょ!!馬鹿じゃないの!?変態!!死ね!!」
楓は半身を逸らして、両手で体を抱き締める。しかめっ面になっており、こうなったら楓は凶暴な鬼と化す事を臆人は知っている。
「いや、でもこれをしないとそもそも配役の取っ替えが成立しないんだよ!!どうか!!どうか慈悲を下さい!!」
「嫌よ!!ならまたじゃんけんで決め直すか、白紙に戻しなさい!!私、正直脇役論なんて受けたくないし!!」
「そこを何とかぁぁ!!」
土下座して、手のひらから肘までも地面につけて這い蹲る。土下座の上位版らしい。
「嫌なものは嫌よ!!他を当たりなさい!!」
「楓良く聞け…男装出来るぞ?凶の制服を着て」
その瞬間、楓の体がピクリと反応した__気がする。微かに動いた程度だったが。
(あ、やっぱ当たりっぽいな)
楓は勇者が好きだ。勇者は基本男性が務めている。ならば、男装にも興味があるのではないかと思ったが、どうやら的中したらしい。
楓はそっぽを向いて表情を見せないが、体に出てるのだから意味はない。
「俺の制服なのが気に食わないなら…臆人の制服でもいいぞ!!」
「うんそうだ!!俺の制服でも……って俺を巻き込むな!!」
「……良いわよ」
ぼそりと、そう呟いたが、臆人と楓には聞き取れなかった。
「ん?今何て言ったんだ楓ちゃん?」
「…良いって言ったのよ!!さっさとそれを貸しなさい!!」
立ち上がり、ズカズカと歩み寄って行ったのは、臆人の方だった。手を前に差し出し、くれ、と主張する。
「……え?俺ぇ!?凶じゃねぇの!?」
こうなると思っていなかった臆人は最大限声を上ずらせ、自分を指差す。
「凶のは嫌よ!!臭そうだし!!変なのついてそうだし!!」
「ぐはぁ…!」
言葉攻めでヒットポイントを削られた凶には目もくれず、顔を僅かに赤らめてしかめっ面で臆人を見つめる。
「若いって良いねぇ。ていうかこれをするためなら僕達いらなくない?」
「そうだなぁ」
「そうですねぇ」
と、淡々と見てる拓郎と宍戸と愛未はさておき、実に困った事になってしまった。臆人が楓に制服を渡す事になるなんて。
内心渋っている臆人に対して、楓は不気味な笑顔を放ち始めた。あ、そういえばと話し始める。
「断れないわよね?最初の日に、私に何したか覚えてるでしょ?」
「う__!!ここでそれ使うのかよ!!卑怯だぞ!?」
最初の日、忘れはしない。楓にゲロをぶち撒けた日だ。あの日の事は生涯忘れないだろう。
「卑怯じゃないわ!!正当な取り引きよ!!さぁ、制服を渡しなさい!!さもなくば…分かってるわよね?」
クックックと悪どく笑う楓に、臆人は歯嚙みしつつも負けを認めるしか無かった。万事休すである。
構図としては、
楓が臆人の制服を。
楓の制服を凶が。
そして凶の制服を臆人が着る事に。
「何でこんな事に…」
「良いから早くしようぜ!!昼休み終わっちまう!!」
男子トイレの個室でそれぞれ着替えを済ませ、二人は楓を待った。因みに、後の三人はやれやれと言った顔で教室に戻って行ったのは余談だ。
「…お待たせ」
か細い声で女子トイレから出て来たのは少しダボついた男子制服を着た楓だった。楓と臆人の身長差は五センチ程あるので、ダボつくのは仕方ない。
一応女気を無くす為にサングラスを掛けているが、紅い髪と合わさって厳つい印象を周囲に与えている。これなら女だとバレないだろう。
「おお!!似合ってる似合ってる!!胸が心配だったけど、楓ちゃん案外胸無…」
「それ以上言ったら殺すわよ…?」
首をがっしり掴んで空中浮遊させている楓の顔が狂気に満ちていた。本当に殺しそうな勢いだ。
「うほでふ…ごふぇんなはい」
喉の圧迫により呼吸が上手く行かず、発音がおかしくなっているが、正しくは嘘ですごめんなさいと発している。
すると楓はポンと凶を手から離して地面に落とし、そのまま手をパンパンと叩くと此方を向いた。
首根っこを捕まりながらゴホゴホ咳き込む凶に、臆人は自業自得だと密かに思う。
「次からは自分達でどうにかしなさいね!流石に毎回貸すのは嫌よ!」
と言ってサッと立ち去ろうとして屋上のドアノブに手を掛けて、動きを止める。その様子に二人は顔を合わせ首を傾げた。
どうした、と言葉を発する前に楓が猛ダッシュで此方に向かって来た。間髪入れずに楓はこう言った。
「どうやってこれで教室帰るのよ!?」
「「あ…」」
それと同時に、キーンコーンカーンカーンと昼休みが終わった鐘の音が聞こえてくる。
確今ここで楓が女英雄の教室に戻れば男が入って来たとなり教室内は騒ついてしまい、これでは配役論の取り替えは一気に難易度が上がるのは間違いない。
「取り敢えず次の授業はもう配役論だ。そんで確か最初は体育館で合同で話を聞いてから始める筈だ。そこに上手く紛れ込むしかない」
「え…じゃあ戻らずこのまま体育館に行くのか?面白そうだな!」
「いや、体育館の中は教師達が周りにウヨウヨいるからな。気付かれやすい。狙うなら体育館に移動中の時だ」
基本的にこの勇高は、団体行動をする時結構ラフに行われる。教師や教官がキリキリと整列させて二列に並んで行く、という事をしない。
教師や教官は悪魔でもゴール地点、ここなら体育館で待っている筈だ。
「取り敢えずこの後この屋上で下の様子を伺う。皆が
移動している所が見えたらそこにすうっと紛れ込めばいいさ」
「なるほど!それはいい考えね!」
「だろ?それと、楓は愛未と拓郎を見つけて、見つけ次第直ちにそれぞれ決められた持ち場に移動せよ、と伝えて欲しい。
拓郎には宍戸にもそう伝えるように言っといてくれ」
「分かったわ。まあ、そんな格好良く言わないけどね」
こうして方針は固まった。後は生徒達がワラワラと体育館に向かって歩き出しているのが見えれば__
「おい臆人!!あれ!!そうじゃねーか!?」
凶が馬鹿でかい声を出して指を差している方向に顔を向けると、確かに多くの人が広場を通り、坂の方に移動しているのが見える。
これは当たりだろう。
早速三人は屋上を駆け下りると、一階からの出入り口を突破し、広場の方へ移動する。
多少グシャッとなってはいるが、前方には横幅を大きく膨らませた六学科がそれぞれ歩いているのが見える。
「行くぞ!!」
「「おう!!」」
潜入は余裕そうだった。生徒の大半は新しく出来た友達と躍起になって話しているし、まだ周りの生徒達を全員知っている人は居ないだろう。
よし__と意気込んだ矢先、突如現れたゴツゴツした壁にぶつかってしまった。
急に止まってしまったため、楓と凶は止まらず臆人に突っ込んで来て、臆人は壁と人にサンドされる形になる。
「何で急に止まるのよ!!危ないじゃ…」
「そうだぜ臆人!!まあ、結果オーライ…」
「……?」
二人共変な所で言葉を止めた事に、臆人は違和感を感じ、ふと上を向く。そこには黒光りする“何か”が居た。
日光が上から降り注いでいるため、それが何なのか判別出来ない。その時、両肩を何かが思い切りがっちりと掴んだ。
「いつまでそうしてる気だいボーイ?あいにくわたーしにはそういう気は無いぜ?」
「…マダムス教官…?」
臆人は数歩後ろに後ずさった。その度に、その顔の輪郭が見え始め、最初は壁だと思っていたのが胸筋だったと分かり、色々な意味を込めて震えた。
「ユー達だろう?各々の教室に来なかった三名は?一体何をやっていたんだい?」
「それは……」
唐突過ぎて言葉が出ない。早くしなければ前の生徒が体育館に入ってしまう。そうなると、また面倒な事になる。
「み、道に迷ったんだよな!臆人!」
「あ、あぁ…そうなんだ!!道に…迷ってしまいまして!!今やっと追いついた所なんです!!」
「本当にそうか…?」
マダムス教官はサングラスをかけていて、表情が読み取れない。なので今これが怒った状態なのかそうでは無いのか判断がつきにくい。
後者ならば言い訳すれば大丈夫かもしれないが、前者ならば確実に不可能だ。このまま指導室に連れられて説教を喰らい、体育館に戻らされて八方塞がりになる。
「教室に行かなかったのはすいません。でも、戻るよりか先にいる集団について行って後で事情を説明した方が良いかな…と、思いまして」
言い訳がましい気もするが、この際当たって砕けろの勢いだった。数秒の沈黙の後、マダムス教官は口を開く。
「そうか。こっちも悪かったな。行っていいぞ」
マダムス教官はそう行ってそのまま三人の間を通って棟の中に入っていった。刹那、一気に張り詰めていた空気をぷはぁと吐き出す。
ダメかもと思ったが、どうやら切り抜けたらしい。
そのまま集団と合流し、無事に三人は群衆に紛れることに成功した。
後は簡単だった。楓は拓郎と愛未に事情を説明し、拓郎は宍戸に話をし、無事に取り替えを成功させ、後は只々体育館で話を聞いていた。
体育館の話は基本的に全学科に対する手向けの言葉だった。入学式でも散々言われた事をまた繰り返すのも時間の無駄だと思うのは、臆人の惰性なのだろうか。
眠気が逸る気持ちを抑えながら、悪役科の最後尾に立っている臆人は、この後の事で頭が一杯だった。
この話が終わった後、各学科は専門的な話に分けられるためバラける。
各教室で講師が弁を取り、悪役とは何かについて語るのだろう。
一体どんな話が待ち構えているのか、臆人はワクワクしていた。
「__以上。これより各々専門的分野に分かれて話をして貰う。それぞれ移動を開始するように」
長谷川教頭の唸るような低音のアナウンスの後、生徒達は一斉に動き始める。
場所はスクリーンに映し出されているため、行き先は分かっているのだ。
こうして各々授業が開始され、六人はそれぞれ違う分野の話を聞いた。
__そして時は放課後の酒場へと移行する。
「それにしても宍戸!宿敵ってのは中々どうして出番が少ない癖に格好良いものだなぁ!!」
「当たり前さ。何せこの僕が受けている学科だからね。でも、君の脇役論も中々身に沁みるものがあったよ。
ねぇ雪野さん?」
「まあ…そうね。そこは認めるわ。案外治癒術師も大変なのね。治癒を習得するだけであんな年月掛かるなんて驚きだわ…」
「そうですね。皆小さい頃から苦闘してやっと手に入れるのがつい最近…あまり知られていない事実ですし、普通の治癒術師はそれが普通だと認識しています。
だから、雪野さんの驚きは、私達の驚きでもあるんですよ。それに…」
「おいおい聞いてくれよ!!あいつら、俺を男だと微塵も思わなかったぞ!!凄くねぇか!?」
「愛未ちゃんが喋ってるでしょ!?ていうか、それなら私だって女だった思われずに授業を受けたんだから、感謝しなさいよね!?」
会話が行き交う。やっぱり話題は配役論で持ちきりだ。各々違う学科の話を聞いて新鮮さがあったのだろう。
臆人が溜め息を一つ吐き出して、グラスをテーブルに置いた時、視界の端に艶やかな空色の髪が映り込んだ。
「どうしたんですか臆人さん?具合でも悪いんですか?」
「あ、あぁいや、別に…」
そう言いながら視界が俯いていく彼を、一瞬ここでハグしたらどうなるだろうと考えてやめた。
きっと楓が殴りかかって来るに違いない。
「聞きました勇者論。勇者って格好良い生き物…いや、格好良い生き物じゃなくてはいけないんですね。
負けても立ち上がる精神力、折れない心。諦めないしぶとさとか、とても心が洗われるようでした」
「でも…その所為で父親は死んだ。死んだらもう…戻らない。負けても立ち上がる精神力も、折れない心も、諦めないしぶとさも、何も無くなっちまう。
死んだら終わりなんだよ」
勇者とは死なない生き物だと、どこかのテレビ局の司会者がそう口にした。笑いを取る為の冗談なのか本気なのか分からない。
それはエゴでしかない。勇者は死なない、それはもう決まったパターンで、決まった論理に基づいているのだと。
だが仮に、勇者が不慮の事故に巻き込まれたり、病死してしまった場合、勇者は勇者で無くなってしまうのだろうか。
それは違う。そんな事あってはいけないのだ。
勇者は死なない、そう言った司会者はその後バッシングの嵐に遭い、業界を干されていると聞く。
これだけ聞くと良い話になるのかもしれないが、これは只の弱い者イジメだと臆人は感じた。
確かに勇者とは死ぬ可能性のある人物なのかもしれない。けれどそれと同時に死んでしまったら世界の秩序が狂ってしまう恐れがある人物でもあるのだ。
ちょっと飛躍し過ぎた話になってしまったが、要するに、中心人物が居なくなった事による代償はとても大きなものになるという事だ。
だから、安易に死ぬ人間だと考えて貰っては、それもそれで困るという話なのだ。
バッシングの嵐になった、と言ったが、殆どがネットからによるもので、内容は、人間は死ぬに決まっているのだというのが大概だ。
それはそれで間違っているのではないが、そもそも勇者とは一体__
「臆人さん!!臆人さん!!」
「____!!」
ビクッと体が動いた。横を見ると、今にも泣き出しそうな愛未が此方を見てる。
「だ、大丈夫ですか…?今、お水持ってきますね」
「あ、あぁ…」
どうやら深い思考の渦に呑み込まれていたらしい。愛未が引っ張り出してくれなければ奥底に沈んでいただろう。
「はいどうぞ」
「ありがとう」
そして少しの沈黙の後、愛未がこう切り出した。
「悪役論の話はどうでしたか?身になりました?」
「…そうだなぁ。あんまり俺の性には合わなかったなぁ…」
「どんな話をされたんですか?聞かせて下さい」
ゆっくりとあやすように、愛未は隣で微笑んで臆人が話すのを待ってくれていた。
心地いい風が吹いたような気がして、胸の底の重圧が少し軽くなった気がする。
「……悪役ってのは、勇者に必ず負ける生き物なんだよ。最後に勝つのは許されない、そういう存在だ。
でもさ、悪役が勇者に負けるのに、絶対は無いと思うんだよ。もし、勇者が挑んできた時に全力で打ち負かす。そういう悪役がいたっていいと思うんだ。
例えば、勇者が道を踏み外しそうな時とかな?全力で吹き飛ばして元に戻してやればいい。俺はそう思うんだ」
グラスをくるりと回す。カランと音を立てて、氷が水に溶けていく。
「でも、現実はそういう役目は仲間であったり、家族であったり、時には宿敵だったりする。そこに、悪役の出番は無いんだよ。
悪役は悪役として最後まで悪で生き続けなきゃいけない。そういう点では、凶の家族はすげーと思う。ま、彼奴はそこまで考えて無いんだろうけどな。
とにかく、俺の目指す悪役ってのは、とにかく勇者を倒す。それだけ。それで勇者が負けたらそれは勇者の負けだ。最後に勝つのは絶対的勇者…そんなの、つまんないだろ」
世間は世の為、勇者のため、そんなのは紛い物でしかない。そんな世界で生み出された勇者は勇者ではない。
臆人はただそれが言いたかった。
「……そうですね。言いたい事は分かります。だから、私がもし勇者になったなら手は抜きませんし、臆人さんが悪役側なら手を抜いて欲しく無いです。
これはそういう勝負だと思いますから」
真っ直ぐに、彼女は自分を見つめてくる。背が低いので若干上目遣いではあるが、それを差し引いても彼女のその視線はグッと押し寄せてくる何かがある。
「お前……勇者に向いてるのかもな」
「え?何ですか?」
「いんや、何でもねぇよ」
二度も言うのは小っ恥ずかしいので勘弁願いたい。
「でも明日から、と言っても配役論は週二日なので正確には違いますが、次からはいつも通りの配役論を受けるんですよね?」
「あぁ。そのつもりだよ」
皆、良い刺激になったと思う。これで、配役論の取り替えはここで終了とする。
だが、その翌日__思いも寄らぬ事件が起きようとは、まだ誰も予想していなかった。




