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シレナとアロンの旅物語ーー旅の果てに二人は、なにを見るのか?  作者: キャラメル
一章 伝説という名の物語編
3/3

2話 魔災

これから、起こる魔災とは何なのか


アロンの過去にあった忘れられない 悲劇とは何があったのか


それでは、始まり始まり

―オービュソド町のとある店の前にて



「これが.....あのかの有名なバベルの塔の遺産.....」


ファラが俺の持ってきた、袋の中身を見ながら言った。

けれどもそこには、約10cm程のひし形の赤い宝石だった。


「これが? バベルの塔の遺産なのか? ただの赤い宝石にしか見えないのじゃ」


落胆したような声をして、ファラが疑いの目を向けてくる。



うぐっ、痛い......



分かっていた事だがそれでも刺さるものがあった。けど


「ファラしっかりとそれを手に持って近づけて見てくれ、そうすれば分かる」



と俺は

ファラの痛い目線を跳ね除けて言った。

ファラは俺の言葉をまだ信じていないらしかった。

それでもファラは、しぶしぶ宝石を手に持って目に近づけた。

そして


「!?」


声に言い表せない程の驚きをした。



「ななな、なんじゃこれは!」



そうそれは、遠くから見れば、ただの綺麗な何の変哲もない宝石。

しかし近くから見れば、それは上から下へとものすごい速さで小さな文字の配列がながれていた。


「これは、おどろいたわ! こんな高度の魔法結晶を見たのは始めてじゃ......」


ファラは感心したように言った。



魔法結晶、

その名のとうり宝石なのどの結晶体に魔法を封じ込めたものを魔法結晶という。

使い方は色々あるけど、今はいい。



「確かにこの魔法結晶は目を疑うほど凄い......けれど疑問が浮かぶのじゃが......

何故お前さんは、この魔法結晶をバベルの塔の遺産だと思うのだ?」


もっともな疑問だ、けど


「ああ..それはだな、これの真ん中を見てくれれば分かる」


俺がテーブルに身を乗り出して魔法結晶の中央を指す。

ファラが目を細めながら俺が指し示した魔法結晶の中央を見る。

しかし年のせいあってか、なかなか見えないらしく、仕方なしにテーブルに置いたカバンからルーペらしきものを取り出して見た。

そこには立派な鳥が胴と頭が切り離されている絵が文字の配列に流されずそこには留まって描かれていた。

それは間違い無くバベルの塔の遺産に通じる文様だった。


そしてそれは、この魔法結晶が間違いなくバベルの塔の遺産だと証明するものだった。


「ほーなるほどなるほど、不死鳥が胴と頭が切り離された文様がある、

これ間違いなくバベルの塔の遺産じゃな......」


ファラはそう言って、バベルの塔の遺産を丁寧にテーブルに置いた。

やっと信じてもらえた

良かったーと俺は安堵した。


「疑って悪かったなアロン」


「いえいえそんな」


まんざらでもないえみ



「じゃが.. それでも一つ疑問が残るんじゃが......お前さんこんなものをどこで手に入れたのじゃ? そんじょそこらのところで手に入る代物では無いのじゃがなぁーーー」


「あ、えっとそれはだな......」


しかし俺の言葉は最後まで続かなかった、なぜなら



「アロンーー!!おはよう!いい朝だね!」



緑色の物体が顔面めがけて飛び込んで来たのだから


「おはよう.....フレア......いい朝だな......

悪いがそこをどいてくれないか......その......くるしいぃーーー」


いつもの事ながらフレアが俺に抱きついた。

けれどいつものように抱きつくのはいいが、今は座ったまま抱きつかれたので......

あれが......胸が顔に当てて苦しい。


「うわわわぁ、ごめんごめんアロン」


今自分がした事に気づいたのか、フレアは顔を真っ赤にしながら慌てて俺から離れた。

そして俺は今飛び込んできた少女フレアを見た。



フレア・フレミア


ここのフレミア魔法道具店の1人娘、年は俺よりも下で13ぐらいの魔法使い見習いだ。

魔法使い特有の黒いワンピース型の魔道服を着込み。

そして魔法使い特有の緑色の髪をしている。


可愛らしい少女、活発な少女



....昔のアリアのような少女




「こら! フレアいつも言っておるじゃろ!!」


「ひぁあ! おば様戻っていたの!?」



フレアはファラに怒られてやっと気づいたらしく、そして驚いた。


「まったく..誰に似たんじゃろ......はぁ〜」



きっとファラ、お前に、似たんだろな.

そう思って俺はファラを見たそしたらファラに睨みかえされた。

なんでだ


「でフレアその様子だとあれはもう終わったのか?」


「うん! 終わったよおば様、頑張って薬草の調合全て、徹夜までして終わらせたんだからね!」


フレアは胸を張った。

年相応の胸だった



よく見るとフレアの目の下には、薄らとクマができていた。

それほど頑張った訳だ


「フレア頑張っただな、偉いぞ」


と俺がそんなことを言うと。

フレアがまだ顔を真っ赤にした。


「いやいやアロンにそんなに褒められるような事をしてないし!大したことないよ、あははははぁ」


褒めた事がそんなに嬉しかったのか顔を真っ赤にしながら言うフレア。

それにしてもそこまで喜ぶだろうか......

年頃の少女は分からない


「あっそうだ! アロン! アロンはこんな朝から店に何かようなの?」


ああ、そうだった

肝心のことを忘れるところだった。



「いまから話すよ何があったのか..



―――――



「は〜〜〜 すっごいだね〜アロンは!

さすが帝国認定の冒険者、

そしてかの有名な西にある国、ハーメルト神聖国の栄光ある称号を得ただけはあるね!」


フレアが大げさに褒め称える。


「いやいや、ハーメルト神聖国の件は、たまたま仕事の件の終わりの道中で王族の人達が乗った馬車が盗賊に襲われたところを助けただけだよ。

それに俺一人の力じゃない。」


あの件は、後から加勢があったから、あんな結果に終われたようなもんだ。

そうじゃなかったら、今頃俺の首は繋がってなかったかも知らないのだから、

そう思うとゾッとする。


「おごらない、ところもアロンの魅力だよね〜〜〜」


何がそんなに嬉しいのか

俺は事実を言っただけなのだか......


「で、話を元に戻すのじゃが、

その近くの村の依頼で単独でゴブリンが根城にしている洞窟でゴブリン退治をしていている最中に、洞窟の先にあった神殿の遺跡があって、そこはバベルの塔の遺産があったと..

....それであっておるか?」


「ああ、それで合っている」



概ねそんな感じだ。

俺は村で依頼されたゴブリンの根城にしている洞窟に奇襲を仕掛け、無事に殲滅。

そして洞窟の中を散策している時に偶然にも隠し通路を見つけ、そこで神殿の遺跡を見つけた。

それから俺は神殿散策してバベルの塔の遺産を見つけたのだ。

まあ、思ったよりも神殿は大きく散策するのに丸一日使う羽目になって予定していた帰還の日がずれてしまったのだが。


「へ〜〜〜にしてあんなところに遺跡なんてあったんだ私知らなかったな〜」



「それを言うならわしもじゃ......昔この辺に神殿があったなんて話、一度も聞いたこともないのじゃの」


へ〜物知りのファラも知らない神殿か......

それにバベルの塔の遺産もあったし......

なにかあるのか、あるのならその神殿にもう一度行ってみる価値がありそうだな



「は〜〜〜それにしても綺麗だよね〜〜バベルの塔の遺産、私も魔法結晶を見たことはあるけどここまで綺麗なの初めて見たよ! ねえもう一度見せて! 触らせて!」


「こら! フレア! 本来これは国の重要文化財、お前が迂闊に触れるものでは、ないのじゃ! 触るな!」


「え〜〜〜ばあ様のいじわるー! ちっとぐらい触らしてもいいでしょう!」



フレアがほっぺたを膨らませながら実に子供ぽく言う。

まあ仕方ない子供なのだから、


「そもそもフレア、お前はだな......


ああえらい事になる......

いまからファラの恐ろしく長い説教が始まると、思い俺は一瞬身構えたがそうならなかった何故なら




ーーーガッタン!! カラカラ......



「失礼しますー! 私の名は帝国騎士の13騎士団長のアル・ベルベルトと申します。

こちらに大3級魔法使いファラ・フレミアとそのご子息のフレア・フレミアは居られるでしょうか?」


店のドアをいきよいよく開け、帝国特有の赤と黒の軍服を着た40代ぐらいのえらくゴツイ男が入ってきたのだから。

ドアが開かれた時にチラリと店の前に馬車と部下がいるのが見えた。

やけに慌てているらしかった。

けれどそれでもさすが帝国の騎士、息は乱れていなかった。



「いかにも......わしがファラ・フレミアじゃが、その様子だと何かあったのか?」



ファラがその様子を見てただ事ではないと判断し思い気を引き締めた。

フレアもそれを見て同じく気を引き締める

俺はと言うと.....



「はい! 私、アル・ベルベルトが申し上げます




――俺はなんだか嫌な予感がした......




額から嫌な汗が流れるほどに、


呼吸が苦しくなるほどに、


そしてその予感は見事的中する。




これよりここオービュソド町は数十分後に魔災が起こります。

すぐさまお逃げ下さい!」




――それを聞いて俺はめまいを起こした。

そして思い出したくもない記憶を思い出す





炎、炎、炎、炎炎炎

光、光、光、光光光


誰かの泣き声、誰かの叫び声、誰かの名を呼ぶ声


臭い

血の臭い、内蔵の臭い、塩の香り、焦げる臭い、何かが腐った臭い


赤色

炎の赤、誰かの血の色


黒い影、黒い影、黒い影黒い影黒い影

魔法陣、魔法陣、魔法陣魔法陣魔法陣


死、死、死、死死死体死体死体死体

死体首なし死体




地獄のような光景を




それを起こした魔災を彼は思い出した。




◇◆◇◆




― アーデジアナ大平原にて



もうとうに日が暮れて星星が輝きを放っている頃


「魔災ですか?」


フェルトが入れてくれたスープを啜りながらシレナはフェルトに質問する。


「ああ魔災だよ、いろいろと呼び方はあるけれどほとんどの人はそのように呼んでるね。

魔災、それはこの世界で起こる自然現象みたいなものかな..ほら地震とか雷みたいな」


ふ〜ん災害みたいなものかな


「けれど、その魔災と言うのはなぜ ゛魔゛がつくのですか?」


私か疑問に思っていることを言う。

そうなぜ゛魔゛なんで付くのだろう、魔法にでも関係しているのかな?


「魔災は名から分かると思うけど魔法の災害だからだよ。

けれどそれだけ言っても、よく分からいないと思うから具体的に話すとね」



ぜひお願いします



「別名、

特定超集中魔法陣発生超集中発射自然現象。

(とくていきょうしゅうちゅうまほうじんはっせいちょうしゅうちゅうはっしゃしぜんげんしょう)

長い別名称から大体分かると思うけど、

ある特定の場所に理由は分からないけど、この世界にある全ての魔法の魔法陣が突然現れてそして、その特定の場所に一斉に発射するんだよ


訳が分からず突然ね


もちろん全ての魔法と言っても本当はそこまでないらしいし、威力もそこそこ、なのらしいけれどそれでも例え火力が弱くても一斉に 食らえば、町一つは普通に地獄と化すなのらしい。

それくらい恐ろしいんだよ、

魔災は......」


フェルトとがチラチラと燃える焚き火に目を落とした。


「それほどまでに......魔災とは恐ろしいですね.....」


私は驚いて目を見開く、

なかなか凄いものがこの世界にはあったなんだな、なるほど、なるほどね

けれど一つ思うことがある


「けれど、私が思うに安易な考え何ですけれど、もしかしたらどっかの誰かが意図的にやっているとか考えられませんか?

例えば敵国に大ダメージを負わせるためとか?嫌がらせとか?」


フェルトさんが私の方を少し驚いた顔をして見た。



「シレナちゃんはなかなか鋭いね」


とフェルトが少し笑う


そうかな



「確かに魔災が起こった当初、

誰もがその可能性を考えたみたいなんだ、

けれどそれは、間違いだと後からおのずと分かった。

これは、簡単で誰も得をしていないかったからだよ。

魔災はどんなに国にもまったく関係なく発生するのが分かったから。

それでも一部の人達は、どこかの国の仕業だと考えて非難したけれども、それも間違いたどわかった。」


「なんで、ですか?」


「それはだね、その疑われていた国の都市が次の年に魔災にあって.....


滅んだからだよ」



―――――



驚いた、国が滅んだ事もあるんだ......

けれど、いまのフェルトさんの話を聞いていると何だか出来すぎた話のようなきがする。


考えすぎかな?


「ついでに言うと魔災は大魔導師アレース様とアレース様の力を分け与えた4人の勇者が塔を破壊した後からこのような現象が起こったらしいよ。

だから魔災は、バベルの塔の呪いだとか言う人のもいるらしいね」


ふん〜バベルの塔か......

全ての元凶バベルの塔に通ず、かな

まあ、私から見たらバベルの塔よりそのアレース様という人の方が断言怪しいけど......


「フェルトさんのおかげでいろいろと魔災の事分かりました! ありがとうございます!

そして最後に一つ質問があります

その魔災を回避する方法とかあるんですか?」


「......」


「あの......フェルトさん?」


どうしたんだろう......

まさか何か言ってはいけないことでも言ってしまったのかな、私


「はっ......いや、いや.....何でもないよ、

そうだね魔災を回避する方法はないと思うけどな」


「?」


やっぱりどうしたんだろうさっきから......

もしかしたらフェルトさんは昔魔災に何かあったのかな

何だか少しぼーっとしているような


なんだか気まずい空気が流れた、そんな時間が嫌で何か喋らないといけないなと思い


「あのフェルトさんの......


ご出身はどちらですか? と言って話を逸らそうとしたら、



「おう! 二人とも!どうしたんだそんな浮かない顔をして、なんかあったのか?」


おじさんが前に野営している商人達と護衛団達との会話を終わらせたらしく、こちらへ戻ってきた。


「悪いな渓谷へ抜ける道の最終確認が、ちっとばかし長引いてしまった、さすがにここから先が肝心だからな気も引き締めないといかんからな」


「それはそれは、ご苦労さまです!」


私がにっこりと笑う。



「へへへ、そう嬢ちゃんに言って貰えば旅の疲れも癒えるってもんよ、で何の話をしてたんだお前さん方は?」


「えっと....魔災が起きたらそれはもう回避出来ないかとそんなことを聞いていたんですけれど......」


「2人ともそんな気味悪いこと喋ってたのか」


「気味悪い......? どういうことですか?」




気味悪い? いったいどういう意味なんだろう



「あれ......フェルトから何も聞いてないのか?

それとも知らなかったのかフェルト?」


おじさんさんがフェルトさんに言う。



「......いえ知りませんね、僕は何せ゛東 ゛の人間なんであまり魔法関係には詳しくないですね。

何せ゛東 ゛なので、

それに魔災を回避する方法なんてあるですか?」


「そうなのか、゛西 ゛では結構有名だかな、なるほど東の奴らは知らないのか......」



さっきから東やら西やら、なにを言っているかというと、この世界の地理的な話しをしていらしい。

大雑に言うとこの世界は、世界地図を広げると中央に縦に真っ二つに分かれている。

それは比喩ではなく物理的にこれから行く渓谷によって世界が綺麗に分断されているから。

そのため東と西では、いろいろと価値観が違うのらしい。



「でどうして気味悪いのですか?」


「ああ、それはだな、えっと......」



おじさんが少し躊躇ったように言った。

そして


「魔災を回避する方法なのか知らないが.......魔災の起こる頻度を下げることは出来るのらしい、それはだな.....

魔災は人のいる町や村などに頻繁に起こる。

だから魔災は人の血を欲っているとお偉い魔導師や魔法使いやお偉いさんは考えた。

ならばと、もしも魔災が人の血を欲っているならば自ら進んで捧げればいいのだと、


自ら血を捧げればいいのだと、


つまりだなこれから、魔災が起こるであろう村や町の住民を意図的に閉じ込めて魔災によって




国を救う為だと言って、




正義の為だと言って、




見殺しにしたんだよ」




―――――



私は絶句していた。

なかなかこの世界も酷いことをするものだと


私が言葉を失ったのを見ておじさんが、


「まあ、今はそんなことはしないのだかな、あの大帝国がそれをやったらしいが、色々の方面に反感をかったらしく今はそれをやる事は、タブーになっているらしいがな」


それでもそれをやろうとする神経が私には分からないし、分かりたくもなかった。



「でも前はあったんですよね?」



意外にもフェルトさんがそんなことを言った。

そんな質問におじさんは少し考えて、



「たしか......数年前に大帝国のどこかの村がそれになったらしいだか.....どこだっただろうか......

たしか教会が有名なところだったのだかな」


うん〜と考える。

数秒おじさんは考えて、そして、


「あっ! 思い出しぞたしかあれは......



イリスィオ村と言ったな」




星星がキラキラと輝く頃


渓谷の向こうの西の空の上空に禍々しい程の黒い霧が蠢いていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます!


日本語がおかしいけど気にしない気にしない

( ˇωˇ )

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