表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シレナとアロンの旅物語ーー旅の果てに二人は、なにを見るのか?  作者: キャラメル
一章 伝説という名の物語編
2/3

1話 始まり始まり


■+-+-+ 1章 伝説という名の物語 -+-+-+■



―ある朝の日に


コケコッコーーー!! と遠くの方から鳴き声が聞こえた。

それは、だれもが知っている朝の呼び声、爽やかに朝を迎える者にとっては目覚まし的な存在。

しかし、いまの私にとってそんなものは聞きたくもないものだった。

遠くから聞こえたそれによって私はピクッ と身を震わせて意識を覚醒した。そして覚醒したばかりの私の頭はその遠くから聞こえた声を恨んだ。

もう1度寝ようかと考えたが、さすがにそれはしなかった。


窓のカーテンの隙間から朝の光が漏れてベットの脇に止めてある木製の車椅子に射し込んでいた。


その代わりに彼が帰って来たら うんーーっと 美味しいものを買ってこさせようと考えて、

彼女は薄く笑った。



◇◆◇◆




― オービュソド町のとある店の前にて



「あの〜すみませんーーー!」


と店のドアベルをカラカラ 鳴らしながら十代後半ぐらいの青年が店の中に頭を覗かせながら言った。


「あれ? いないのか......」


店の中はまだ薄暗く日はとうに登りきっているにも関わらず、まだここは朝を迎えていないらしかった、やたら広い 店内に置かれている商品が静かに陳列されていた。


「困ったな〜せっかくあれほど頑張ってきたのに...」


と青年は困ったそうにぼやいて、頬を軽くかいた。


さてどうしたものか。

ここの亭主がいないことはよくあることだ。けれどわざわざ予定していた日にちをずらしてまで〈あれ〉を取ってきたのにも関わらずいないとなると無駄になってしまう......

一旦家に帰ってからまた来ようか ?心配もかけているだろうし.....

いや!だけれども、俺はいち早く見せてやりたい.....早く...早く...



俺が店のドアの前でそんなことを考えていると。


「なにを、人の店の店先で呆けているのだ、アロン・イリスィオ」


突如 俺の後ろで俺の名前を呼ぶ声がした、驚いて後ろを振り返った。

そこには、ここの店の女亭主ファラが片手にカバンを持って見上げて立っていた。


「おっと、悪いファラ......いま戻ったところか?」


「そうじゃ、本当はもっと外でやっておきたかったじゃが、年のせいあってかすぐに切り上げて戻ってきたのじゃ」


と言うファラの顔は少しばかり疲れているように見えた。

この頃シワも増えたし、さすがに歳にはかてないか、


「年老いたな とでも言いたそうな顔じゃな」


ファラが不満そうに俺を見上げる。


「えっ....」


ハッとなって俺は自分の顔を触る。


まずい.....俺は焦った。

まずいまずい

前みたく説教をかませられる.....さすに今それをされると、とてもまずい!

早く何とかしないと....と思い、


ならば! と俺は


「き、きようも歳を感じさせられないほどに美しいですねファラは、あははは.......」


作り笑顔をしながら、棒読み全開でそんな思っても無いことを言った。

どうだ! と俺はファラをチラリと見る、あれからフレア相手に努力して格段と上手くなったはずだ。

ファラというと目をぱちくりとさせて俺の方を見上げていた。


どうだ? いけるか......?


けれどその思いとはうらはらに、努力は報われず虚しく終わった。


「くっっははは!」


とファラに笑われたのだから。


「お前さんは相変わらず、変なところで嘘をつくのが下手くそじゃな! 別に嘘をつくことが出来ない訳ではないのじゃがな......」


「そうですかね.....」


だとしても笑う必要があるのか......

俺の心のライフが少し減った。


けれど俺はそんな事で落ち込んでいる場合ではない、早く要件を済ませないと......

そう思い、言い出そうとしたら先にファラが


「ゴッホン!で要件は何じゃ、朝っぱらからんな格好をしているから考えるに薬草でも買いに来たのか?」


ファラは今の俺の身なりを見てそう言った。


そして俺も改めて自分の身なりを見た。


靴は、少し黒めの革のブーツにずり落ちないために小さめのベルトで縛り。

服は、動きやすいて丈夫な服にベルトを巻き、いくつかの袋がくっ付けており。

腰には、長剣が鞘に収められてあった。

最後に、土埃避けのマントを羽織り、国から貰ったらバッチを付けていた。


見るからにそれは〈冒険者〉そのもの姿だった。


「いや、今回ここに来たのは薬草を買いに来たわけじゃないだ、見てほしい物があるんだファラ」


俺はぐっと早く言いたい気持ちを抑えて言った。

そんな姿を見てファラは、


「まず店に入ってから聞こうじゃないか」


と言って店の中かに入っていった。

後に続いて俺も、

店に入ったら、店の中央にあるテーブルの椅子に座ったファラ、そしてテーブルに手に持っていたカバンを置いた。

後に続いて俺も向い側の椅子に座った。

俺が席に着いたのを見て、腕を組みながらファラは眉毛を少し上げながら言う


「でなんじゃ......ゴブリン相手に珍しい物でも手に入れたか?」


「いや違う」


ファラの眉毛が更に上がる。


「ではなんじゃ? 」


俺は後ろに括り付けてある袋を取り出して、丁寧にテーブルの上に置いた。


そして俺は少し息を吸ってそして答えた。



「バベルの塔の遺産」と




◇◆◇◆




【これは誰もが知っている物語、誰もが知っている伝説】



むかしむかしそれはまだこの世界がまだ魔法を知らなかった時代。


まだ魔物がいなかった時代、世界は戦火に包まれていた、世界各地の国々は自分達の領土を広げることに躍起になっていた。

けれどそれはある日突然現れた塔、後にバベルの塔と言われるものによって終わりを告げた。

突然現れたその塔は天高くこの地でこの塔よりも高いものはないと思えるほど高かった。

人々は始めの頃この塔を神の贈り物と考え崇めた。

けれどそれは間違いだとすぐに気づく。

その塔が現れてから世界各地で異常気象が起きるようになった。

飢餓、疫病、洪水、地震、噴火、海は荒れ狂い、大地は裂け、天は黒く濁り光も差し込まず、


世界は地獄とかした。


けれどそれだけでは、留まらず塔の周りの草木は枯れ果て近くの国が2つ滅んだ、


そして塔から魔物が現れた。


世界は地獄とかしてそして滅亡へと向かって行った。


しかし神は我々を見放してはいなかった。


なぜなら大魔導師にして、初めての魔法使いアレース様とアレース様の力を分け与えた4人の勇者が世界各地の全ての異変を鎮め、そして塔を破壊したのだから、


そして世界は平和を取り戻した。




◇◆◇◆



時は少しさかのぼる



― アーデジアナ大平原にて


もうすぐ沈むだろう太陽が地平線で最後の輝きを放っている頃。


「がこの世界に伝わる昔話でもあり古くから伝わる伝説だ、どうだいお嬢ちゃん満足したかい?」


おじさんは焚き火の向い側にいる10代前半ぐらいの少女に向けて言った。


「はい!なかなか面白いお話でした。」


焚き火の火に照らされて赤黒い色の外套のフードから出ている綺麗な赤髪が更に染めながら、少女は年相応の可愛らしい笑顔を見せる。


「にしても初めこの話しを知らないと言った時は驚いたな、その辺のガキでも少しは知ってるのにな.....」


そう言っておじさんは怪訝そうな顔をした。

それほどまでに有名な伝説なのだ、



「別にいいじゃないですか、知らなくとも」



焚き火を囲んでいる2人から向こう側で先ほど馬車の荷物整理をしていた、マントを羽織った10代後半の銀髪が特徴的な少年がこちら側にやって来できでそんなことを言ってきた。


「フェルトもう終わったのか、ご苦労さん」


そんな姿を見ておじさんは言った。


フェルトと呼ばれた少年は少女とおじさんの焚き火の間に入って簡易な椅子に腰を下ろした。


「ええ終わりましたよ、それにしてもいけませんね〜おじさん」


ゆらゆらと揺れる焚き火を見ながらフェルトは言った。


「ああ?何がだ?」


フェルトは、はぁ〜とやれやれと言った感じに溜息をした。


「別に人には一つや二つ知らないことぐらいあると思いますけど? もちろん僕にも....おじさんだってそうでしょう?

たかだか伝説の一つを知らなかっただけではありませんか」


フェルトの言葉を聞いて、おじさんはほんの少し考えた。

そして


「ああそうだな...悪るかったなお嬢ちゃん」


おじさんが向かい側いる少女に謝った。


「いえいえそんな、私が知らなかっただけですよ」


と少女は手を振る。


その様子を見たフェルトは少し笑って、そして両手パッンと叩いて


「あっ、そいやあ今夜から冷え込むらしいから温かなスープでもいります?

おじさんと、えっと......君とはお互いの自己紹介がまだだったね。

じゃあ僕から自己紹介するよ僕の名前はフェルト。

見ての通り商人の手伝いをしているよ、まあ一時的だけれどね.....

じゃあ今度は君の番、君の名はなんて言うの?」


フェルトは人当たりが良さそうな笑顔をしてそう言った。


問われた少女は、




この世で最も憎む人が、



この世で最も嫌いな人が、



この世で最も殺しいたい人が、



この世で最も✕✕✕人が、




付けた名前を言う



「私の名前はシレナ。

その先にある渓谷を抜けた先にある大帝国にいる祖母に会いに行くつもりです。

それまでよろしくねフェルトさん」


シレナは笑顔で、けれどもほんの少しだけ悲しそうに言った。

例え何か理由があっても嘘を言うことは気は引けた。



そして太陽は沈んだ。

ここまで、読んでくれてありがとうございます!

本当はもっと書くつもりだったけどキリがいいからここまで


続かないかも..しれないかも_(:3 」∠)_




オマケ↓イメージイラスト(結構適当)

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ