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さよなら、剛毛。
「俺はついに『これ』に手を出してしまうのか......。」
人気のない真夜中のドラッグストア。白い床に光が反射して、少し眩しい。
「『これ』で俺も......!!!」
そう呟きながら手にしたのは『除毛クリーム』。税抜835円。
俺は真夜中中『除毛クリーム』を探し、市内のドラッグストアを回っていたのだ。
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人気のない家に帰ることにはもう慣れた。いや、今はこの収まりきらない興奮でそんなことすら考えていない。
風呂に入り、除毛クリームを足に塗りたくる。数十分してからお湯で流すと、さすがの剛毛もごっそり抜けた。
そのあとのことは、覚えていない。