婚約者が聖女様を愛しているそうですが、本人は今日も私の畑で芋を掘っています
婚約者が聖女様を愛しているらしい。
本人は今、私の畑で芋を掘っているけれど。
「ロイド様」
畝の間で名前を呼ぶと、侯爵令息ロイド・アシュベリーは土の中から顔を上げた。
輝くような金髪には枯れ葉が一枚。仕立てのよいシャツは肘までまくられ、膝まで泥だらけになっている。王都の令嬢たちが見れば卒倒するかもしれない。
「どうした、エレノア。こっちの籠なら、もうすぐいっぱいになるぞ」
「あなた、聖女様と真実の愛で結ばれているそうです」
ロイドは手にしていた芋を落とした。
丸々と太った冬陽芋が、私の長靴の前まで転がってくる。
「誰が?」
「あなたが」
「誰と?」
「聖女アナベル様と」
「なぜ?」
「それを今から伺いたいのですが」
ロイドはしばらく黙り、手袋についた土を作業着で拭った。それから農場の管理小屋を振り返る。
「おい、ハロルド。俺は今日、聖女と会ったか?」
小屋の前で収穫量を記録していた老管理人が、眼鏡を押し上げた。
「午前中はずっと西の畑におられました。昼食はお嬢様と豆のスープを。午後は私と一緒に芋を掘っておりますな」
「だそうだ」
「今日の話ではありません。王都では一週間前から噂になっているそうです」
今朝届いた姉からの手紙には、できるだけ早く王都へ戻るよう書かれていた。
聖女アナベルが神殿で新たな神託を受けたこと。
そこに〈黄金の守り手〉という言葉があり、金髪で王国救荒隊を率いるロイドこそ、聖女の運命の相手だと発表されたこと。
二人はすでに互いを想い合っており、私との婚約は近く解消される――というところまでが、王都で広まっている話だった。
「私たちは領地へ来て、今日で十二日目です。その間、あなたが畑を離れたのは?」
「一昨日、南の水門を見に行った」
「聖女様は?」
「水門にはいなかったな」
「でしょうね」
答えながらも、胸に刺さった細い棘は抜けなかった。
ロイドが嘘をついているとは思わない。けれど、神託が本物なら話は別だ。
この国で聖女は、春の雨と秋の実りを祈る特別な存在である。神託によって結ばれた男女が、王国に繁栄をもたらしたという伝承も残っていた。
私とロイドの婚約は、家同士が決めたものだ。
幼いころから十八年間をともに過ごし、将来は結婚するのだろうと互いに受け入れてきた。けれど、その時間が神の言葉より強いと、誰が保証できるのだろう。
ロイドが私の前へ立った。
いつもなら見上げなければならないほど背の高い人なのに、畝の中へ入っているせいで、今日は目の高さがほとんど変わらない。
「エレノア。何を考えている」
「神託が正しい場合のことを」
「俺が聖女と結婚する場合のことか」
私はうなずいた。
「王国の安寧に必要なら、婚約解消を拒むつもりはありません。両家の損失が少なくなるよう、手続きを――」
ロイドの泥だらけの手が、私の両頬を挟んだ。
「ロ、ロイド様。汚れます」
「汚している。わざとだ」
「なぜです」
「十九年近く俺を見てきた女が、会ったこともない聖女へ俺を渡そうとしているからだ」
「十八年と九か月です」
「そこを訂正するな」
頬が冷たい。土の匂いがする。
ロイドは怒っていたが、私を傷つけないよう指先の力を抑えていた。
「俺は神託を聞いていない。聖女とは、去年の新年祝賀会で挨拶を一度しただけだ。顔もよく覚えていない」
「金色の髪で、とても美しい方です」
「今、目の前にも金色の髪の女がいる」
「私の髪は蜂蜜色です」
「同じようなものだ」
「色を見る目まで芋畑へ落としてきましたか?」
「戻ってきたな」
ロイドがようやく手を離した。
私は布で頬を拭く。白い布に茶色い指の跡が五本、くっきりついた。
「明日、王都へ戻る」
ロイドは地面の冬陽芋を拾い上げた。
「神託の全文を確認する。聖女本人にも、俺たちが想い合っているという話の出所を聞く」
「その前に、原板を保全します」
私は管理小屋へ戻り、王国評議会宛ての申請書を一枚書いた。
神託の原板、最初の転写記録、立会人名簿を別々の管理者が封印し、照合が終わるまで廃棄も訂正も禁じること。農業試験の記録なら、異常が疑われた時点で必ず行う手続きだ。
ロイドは申請書へ証人として署名し、侯爵家の早馬を呼んだ。
「父にも写しを送る。評議会が動かなければ、侯爵家から正式に請求する」
「助かります」
「こういうときのための家柄だ。畑で偉そうにするためじゃない」
「収穫はどうします?」
「今日中に終わらせる」
「あと八畝あります」
「人を増やす」
「急に増やしたら、収穫手順が乱れます」
「では俺が二倍掘る」
「腰を痛めますよ」
「婚約者を聖女に取られるよりましだ」
「取られるのは私のほうです」
「どちらでもいい。取らせない」
ロイドは冬陽芋を籠へ入れ、また土へ手を差し込んだ。
その横顔は、私が知る彼そのものだった。
舞踏会より農業試験場へ行きたがり、剣の柄より秤を握る時間のほうが長い。口説き文句は一度も言わないのに、私が三日寝込めば四日目の予定まで勝手に空ける。
そんな人が聖女と真実の愛に落ちたという噂より、日暮れまでに八畝を掘り終えるという宣言のほうが、よほど信じられた。
◇
翌日の昼、私たちは王都大神殿の〈芽吹きの間〉へ通された。
円形の広間には、神殿関係者だけでなく、王国評議会の議員や両家の当主まで集まっていた。噂好きの貴族もいる。今日の話が、明日の朝には王都中へ広がるだろう。
広間の中央には、古い銀の鉢が置かれていた。正しい誓いが交わされると、中に収めた種が芽吹く。王族の婚姻や国家間の条約に使われてきた、〈芽吹きの間〉の名の由来である。
中央に立つ聖女アナベルは、噂どおり美しかった。
真珠色の聖衣。腰まで流れる金髪。伏せた青い瞳は、悲恋に耐える乙女のように潤んでいる。
彼女はロイドを見た途端、胸の前で手を組んだ。
「ようやく来てくださったのですね、ロイド様」
「お待たせした覚えはありません」
アナベルの表情が固まる。
「でも、わたくしたちは神に選ばれたのです」
「その話を確認しに来ました」
ロイドは私の椅子を引き、自分も隣へ座った。
大神官が咳払いをする。
「先日の祈りにおいて、聖女アナベル様は新たな神託を受けられた。〈聖女の祝福を受けし黄金の守り手と結ばれ、その実りは王国を飢えより救う〉と」
「その神託は、書面に記録されていますか」
私が尋ねると、大神官は眉をひそめた。
「神聖な言葉を疑うおつもりか」
「確認したいだけです。私たちは冬陽芋の栽培記録でも、書き手と確認者を分けています。王国全体に影響する神託なら、なおさら記録が必要でしょう」
「芋と神託を一緒にするとは」
「芋は、この冬に三万人の命を支える予定です」
大神官が口を閉じた。
昨年、北部で小麦の病が発生した。収穫は例年の六割。さらに早霜が重なり、このままでは冬を越せない村が出る。
私の伯爵家では、寒さと痩せた土地に強い冬陽芋を十年前から改良してきた。救荒隊を率いるロイドは各地の土壌を調べ、保管庫と輸送路を整えている。
聖女が神託を受けたという日も、私たちは北部領で種芋の配布数を数えていた。
「記録は、ございます」
広間の端から声がした。
若い助祭が、震える手で銀の盆を運んでくる。その上には、神託が現れたとされる白い石板と、三枚の羊皮紙が置かれていた。
大神官が助祭を睨む。
「なぜ原板を持ち出した」
「王国評議会から、原文照合の要請がありましたので」
ロイドの父であるアシュベリー侯爵が、何食わぬ顔で窓の外を見ている。
おそらく昨夜のうちに手を回したのだろう。
私が送った申請書も、銀の盆の端へ載せられていた。少なくとも、証拠が偶然残っていたわけではない。
助祭が最初の羊皮紙を読み上げる。
「祈りの開始より十二分後、石板に文字が出現。立会人は聖女付き助祭三名。原文は――」
彼の声が止まった。
「どうした」
評議会議長が促す。
「公表された神託と、一部が異なります」
広間がざわめいた。
アナベルの顔から血の気が引く。
「大神官様からは、聖女様による神聖な意訳だと説明されました。原文との差を口外せぬよう命じられましたが、私は最初の転写紙を廃棄できませんでした」
助祭が銀の盆に置かれた一枚目の羊皮紙を示す。震えてはいたが、その声はもう止まらなかった。
「お読みなさい」
私は言った。
助祭は石板と記録を見比べ、今度こそ全文を読んだ。
「〈聖女の祝福を受けし黄金の地。守る二人の誓いと結ばれ、その実りは王国を飢えより救う〉」
最初に聞いた文と、似ている。
けれど意味はまるで違った。
〈黄金の守り手〉ではない。〈黄金の地〉。
聖女と一人の男性が結ばれるのでもない。聖女の祝福が、土地を守る二人の誓いと結ばれるのだ。
「二人とは誰を指すのです」
アナベルがかすれた声で尋ねた。
「神託は名前を示しておりません」
助祭が答える。
「ではロイド様と、わたくしかもしれないでしょう?」
「あなたは黄金の地を守っているのですか」
私の問いに、アナベルは唇を噛んだ。
「祈りによって守っています」
「北部へ行かれたことは?」
「祈りは、場所を選びません」
「冬陽芋をご存じでしたか」
「そのような庶民の食べ物など――」
言いかけて、アナベルは失敗に気づいた。
評議会議員たちの顔が険しくなる。北部へ種芋を運ぶ費用は、彼らが承認したものだ。
ロイドが席を立った。
「聖女様。あなたは、俺と想い合っているとも公言したそうですね」
「神託を受けた瞬間、あなたへの想いが胸に満ちました」
「俺の好きな食べ物は?」
「え?」
「誕生日は。苦手なものは。右肩の古傷はいつ負った。俺が救荒隊へ入った理由は」
アナベルは一つも答えられなかった。
ロイドは責めるような声を出さなかった。ただ、事実を一つずつ並べていく。
「俺はあなたの好物も誕生日も知らない。あなたがどんなときに笑うのかも、何に腹を立てるのかも知らない。その状態を、俺は愛とは呼べません」
「これから知ればよいではありませんか」
「知りたいと思っていません」
「春の救荒式典では、わたくしに手を差し伸べてくださったではありませんか!」
「荷車から降りる人には全員そうしています。あなたの次に降りた老司祭にも、その次の書記官にも」
「わたくしには、特別に微笑んでくださいました」
「隣にいた子どもが、俺の礼装へ泥をつけたから笑ったんです」
アナベルは言葉を失った。
アナベルの瞳に涙が浮かんだ。
その姿に胸が痛まなかったと言えば、嘘になる。けれど、泣いている人が必ず正しいわけではない。
「では、その方なら知っているというのですか」
アナベルが私を指した。
ロイドは私を見下ろす。
「エレノアの好物は、焼いた林檎に蜂蜜をかけたもの。誕生日は春の第二月十日。暗い場所が苦手だが、恥ずかしがって誰にも言わない。考え込むと左手で右の袖口をつまむ。疲れると紅茶へ砂糖を二つ入れる。怒っていると敬語が丁寧になる」
「もう結構です」
「俺の好きなものは?」
急に尋ねられ、私は目を瞬いた。
「塩を多めに振った羊肉。誕生日は冬の第一月二十八日。苦手なのは甲高い金属音。右肩の傷は十二歳の乗馬訓練で、私の馬を止めたときに負いました。救荒隊へ入ったのは、七年前の冷害で、配給の列に並んでいた子どもへ自分の昼食を渡したのが始まりです」
「正解」
「最後のものは質問ではありませんでした」
「俺が言いたかった」
広間のあちこちから、小さな笑いが漏れた。
アナベルだけは笑わなかった。
「ずるいわ。長く一緒にいたのだから、知っていて当然でしょう」
「当然ではありません」
私は立ち上がった。
「同じ場所にいるだけでは、人のことは分かりません。覚えようとして、間違えて、尋ね直してきたから知っているのです」
ロイドと私の婚約は、家同士が決めたものだった。
けれど、今日まで隣にいたことは、神にも親にも命じられていない。
喧嘩をした日もある。半年近く手紙だけで過ごした年もある。冬陽芋の研究へ夢中になった私に、ロイドが置いていかれたと怒ったこともあった。
それでも私たちは、そのたびに話し合ってきた。
最初から運命だったのではない。
何度でも相手を選び直した結果、今も隣にいるのだ。
「神託が本当にロイド様と聖女様の婚姻を命じたのなら、私は従う覚悟でした」
ロイドが何か言いかける。
私は先に、その手を取った。
「ですが、神託は違いました。ならば私は、自分の意思でこの方の隣に残ります」
「俺もだ」
ロイドの返事には、一呼吸の迷いもなかった。
入室したときから広間の中央にあった銀の鉢へ、助祭が神託の翌朝に祭壇へ現れた種を入れた。
大神官が青ざめたまま命じる。
「聖女様。神託の真意を、儀式で確認いたしましょう」
アナベルが祈り、鉢へ手をかざした。
淡い光が種を包む。
だが、芽は出なかった。
「ロイド様、こちらへ」
アナベルが手を伸ばす。
ロイドは動かない。
「必要ありません。芽が出ても出なくても、俺の答えは変わらない」
「でも、神があなたを選べば――」
「神があなたを選んだことと、俺があなたを選ぶことは別です」
その言葉に、アナベルはとうとう俯いた。
私は銀の鉢を見つめた。
底にあるのは、小麦でも花の種でもない。見慣れた小さな種芋だった。
「これは、北部へ配る冬陽芋ですね」
「神託が現れた翌朝、祭壇の上に置かれていたものです」
若い助祭が答えた。
私は思わず笑ってしまった。
神は最初から、ずいぶん分かりやすく答えを置いていたらしい。
「聖女様。この芋へ祝福をお願いできますか」
「わたくしに、芋を祝福しろと?」
「三万人が冬を越すための芋です」
アナベルは長い沈黙のあと、再び手をかざした。
今度の祈りは、先ほどよりずっと小さかった。
見せるための声ではない。ただ、目の前の種が芽吹くよう願う声だった。
柔らかな光が銀の鉢へ染み込んだ。
私はロイドと手をつなぎ、反対の手を鉢の縁へ添える。
「北部まで、必ず届けます」
「凍らせず、腐らせず、一つ残らずな」
ロイドが続ける。
種芋のくぼみから、小さな緑の芽が顔を出した。
一つ、二つ、三つ。
銀の鉢を埋め尽くすように、若葉が伸びていく。
誰も声を上げなかった。
静かな広間に、若葉が開く音だけが響いた。
◇
神託の改変は、王国評議会によって正式に調査された。
原文を書き写す際、〈地〉を〈守り手〉へ置き換え、〈守る二人の誓い〉という部分を削ったのはアナベル本人だった。
大神官は違いに気づきながら、聖女と有力侯爵家の婚姻が神殿の影響力を高めると考え、公表を許していた。
大神官は役職を退いた。
アナベルは聖女の地位を失わなかった。祝福の力は本物であり、北部には必要だったからだ。
ただし、王国全土へ本人名義の訂正文と謝罪文を出し、一年間の儀礼手当を北部救済費へ充てることになった。その間は監督官の同行なしに神託を公表できず、冬陽芋の配布と祝福を行う北部救援班への参加も命じられた。
以後、神託は三名以上の立会人による原文照合と、王国評議会への写しの提出が義務づけられた。
処罰を告げられた彼女は、泣きながら私へ尋ねた。
「あなたは、わたくしが憎くないのですか」
「婚約者を奪われかけましたから、腹は立っています」
「では、なぜわたくしの地位を奪えと言わないのです」
「あなたの祝福を必要とする人がいます。責任を取ることと、役目をすべて奪うことは同じではありません」
アナベルはしばらく黙っていた。
「大神官様から、ロイド様と結ばれれば神殿も安泰だと言われました。聖女でいる限り、誰もアナベルという一人の女を見てはくれない。だからせめて、神に選ばれた相手なら、わたくし自身を愛してくれると思ったのです」
それは同情できる孤独だった。
「わたくしは、これからどうすればよいのでしょう」
けれど、孤独だから誰かの人生を書き換えてよいことにはならない。
「自分を見てほしいのなら、まずあなたが相手を見ることです」
「まず、芋を一籠運んでみませんか」
「重いのでは?」
「重いですよ」
私は正直に答えた。
彼女は嫌そうな顔をしたが、逃げなかった。
一か月後、北部の収穫祭で、アナベルは泥だらけになって芋の籠を運んでいた。
最初の三日は文句ばかりだった。五日目には靴擦れで泣いた。十日目には村の子どもたちの名前を覚え、二十日目には祝福を使う順番を、病人と乳児のいる家からに変えていた。
人は、一度間違えたら永遠に間違ったままというわけではないらしい。
「エレノア」
祭りの広場で、ロイドが湯気の立つ器を二つ持ってきた。
潰した冬陽芋へ乳と塩を加え、表面を焼いた料理だ。見た目は素朴だが、寒い日に食べると体の芯まで温まる。
「蜂蜜林檎は?」
「夕食のあと」
「忘れていませんでしたか」
「君の好物を忘れると、聖女に笑われるからな」
少し離れた場所で、アナベルがこちらを見ていた。
私と目が合うと、彼女はわざとらしく顔を背け、村の少女へ芋料理を渡した。
ロイドが私の隣へ腰を下ろす。
「神託の騒ぎで延期になった話だが」
「何でしょう」
「春の第二月十日。君の誕生日に結婚式を挙げたい」
「ずいぶん急ですね」
「十八年と九か月待った」
私が畑で言った数字を、きちんと覚えていたらしい。
「私の誕生日なら、結婚記念日を忘れないためですか?」
「違う。君がこの世に生まれた日と、俺の妻になる日を、まとめて祝える」
珍しく口説き文句らしい言葉だった。
私は器で顔を隠し、一口食べる。塩が少し多い。ロイドの好みだ。
「お返事は?」
「芋を食べ終わったら、はいと答えます」
「なぜ」
「今すぐ答えると、私ばかりあなたを好きなようで悔しいので」
ロイドは目を丸くし、それから声を上げて笑った。
婚約者が聖女様を愛しているという噂は、冬が来る前に消えた。
代わりに、アシュベリー侯爵家の跡取りは、妻と芋を愛しすぎているという噂が広まった。
その噂は、ほとんど正しい。




