ウエアラブルデバイスに意味はあるか?―ソフィアに聞こう!
こんかいはゆるーいよ?
シチュエーション:諭吉の部屋。諭吉は最近買ったばかりの最新型ウェアラブルデバイスを手首につけ、得意げにホログラムのソフィアに見せびらかしている。
諭吉: 「ソフィア、見てくれよコレ! 最新のウェアラブルデバイス! ピッカピカだぜ! これで俺もついに健康エリートの仲間入りだ。生活習慣病なんて、もう怖くないね!」
ソフィア: 「諭吉さん、それは素晴らしいガジェットですね。そのデバイスが示すデータが、諭吉さんの日々の健康と、そして長い目で見た生活習慣病のリスクと、どのように結びついているか、少し深く一緒に考えてみるのはいかがでしょうか? 単に『良い・悪い』という札を貼るだけでなく、もっと色々な側面が見えてくるかもしれませんよ。」
諭吉: 「お、おう。まあ、ソフィアの分析はいつも小難しいけどな。で、何だ? このピカピカの機械が俺の健康をどう保証してくれるってんだ? 」
ソフィア: 「保証、という言葉は少し強いかもしれませんが、このデバイスは諭吉さんの体が出す小さなサインを捉え、それを『情報』として見せてくれる、いわば『体の翻訳機』のようなものです。例えば、昨晩の睡眠はどうでしたか? 」
諭吉: 「それがさ、昨日の睡眠スコア、なんと90点! どうだ、完璧だろ? 俺ってば寝る才能もあるんだな!」
ソフィア: 「90点とは、素晴らしいスコアですね、諭吉さん。その90点という結果の内訳を少し詳しく見てみると、さらに面白い発見があるかもしれません。例えば、それは『睡眠時間』が特に長かったのでしょうか? それとも『深い眠りの割合』が理想的だったのでしょうか? あるいは『夜中に目が覚めた回数』が少なかったのかもしれませんね。これらの要素が組み合わさって、その90点という評価が生まれています。
そして、その質の高い眠りが、今日の日中の諭吉さんの集中力や気分に、どんなふうに良い影響を与えたか、という『昨日から今日への繋がり』で捉えてみると、その90点の価値がより深く理解できるかもしれません。逆に、もしスコアが良くても日中に強い眠気を感じる日があれば、それはもしかしたら寝る前のカフェインの影響だったり、お部屋の明るさが合っていなかったり、といった別の『隠れた物語』を示唆している可能性もあるのです。」
諭吉: 「うーん…まあ、確かに朝はスッキリしてたような…気がするな!よし、次!今日の歩数もバッチリだぜ。1万歩達成! これで運動不足も解消、生活習慣病とは完全にオサラバだ!」
ソフィア: 「1万歩の達成、おめでとうございます、諭吉さん。それは素晴らしい活動量ですね。その1万歩が、例えば心臓がドキドキするくらいの『早歩き』が多かったのか、それとも景色を楽しみながらの『ゆったりとしたお散歩』が中心だったのかで、心臓や筋肉への刺激の仕方も少し変わってきます。
また、その活動が『ああ、気持ちいいな』と楽しみながらできたのか、それとも『ノルマだから仕方なく…』という気持ちだったのかは、それを長く続けられるかどうかの、実はとても大切な分かれ道になるのです。例えば、好きな音楽を聴きながら歩いた日は、同じ1万歩でも気分が上がり、また明日も歩きたいな、という前向きな気持ちに繋がりやすいのではないでしょうか? そういった『心の状態』と、デバイスが示す『体のデータ』を繋げて見ることで、諭吉さんにとって本当に心地よく、そして効果的な健康習慣が見つかるかもしれません。」
諭吉: 「いやいやソフィア、そんなごちゃごちゃ考えなくても、1万歩は1万歩だろ? 数字は正直なんだから、多けりゃ多いほど良いに決まってるって。シンプルイズベストだよ、何事もな!」
ソフィア: 「確かに、数字は客観的な事実を私たちに示してくれます。諭吉さんのおっしゃる通りです。ただ、その数字が『何を物語っているのか』を、様々な角度から丁寧に読み解くことで、一つの数字から何倍もの情報を引き出すことができるのです。例えば、テストで80点を取ったとします。それが『とても易しいテストで、クラスの平均点が90点だった』という状況と、『非常に難しいテストで、平均点が50点だった』という状況では、同じ80点でも、その意味合いは大きく変わってきますよね。それと同じように、ウェアラブルデバイスが示すバイタルデータも、諭吉さんの日々の生活全体という『大きな物語』の中で見てあげることで、初めてその本当の意味や価値が見えてくるのです。」
諭吉: 「むむ…例えは分かるような気もするが…。でも、やっぱり理屈っぽいんだよな、ソフィアは。要は、この機械の数値が良ければ、俺は健康ってことでいいんだろ? ストレスレベルだって低いし、俺、全然ストレスなんて感じてないからな!」
ソフィア: 「ストレスレベルの数値が低いのは、とても良い傾向ですね、諭吉さん。ただ、デバイスが示す『ストレスレベル』というのは、多くの場合、心拍の本当に微妙な揺らぎ(心拍変動といいます)から、体がどれくらいリラックスしているか、あるいは緊張しているかを『推測』しているものなのです。ですから、諭吉さんが『感じているストレス』と、体が無意識のうちに反応している『目に見えない体の緊張サイン』が、いつも完全に一致するとは限らないのです。例えば、とても集中して大事な仕事に取り組んでいる時、諭吉さん自身は『ゾーンに入っている!』と感じていても、体は知らず知らずのうちに大きなプレッシャーを感じて、内側では小さな悲鳴を上げているかもしれません。デバイスのデータは、そうした『自分では気づきにくい体の声』に耳を澄ますための、一つのきっかけをくれるのかもしれませんね。」
諭吉: 「うーん…まあ、確かに最近ちょっと疲れやすい…かな? とは、うっすら思ってたんだよな。ソフィアの言うことも、まあ、一理…いや、コンマ一理くらいはあるのかもな? でもさ、結局何すればいいんだよ、ごちゃごちゃ言われても分からん! めんどくさいのは真っ平ごめんだぞ!」
ソフィア: 「ふふ、面倒なことを避けたいというのは、とても自然な感情ですよ、諭吉さん。ご安心ください。大切なのは、諭吉さんが『これなら少しやってみてもいいかな』『これなら続けられそうだな』と思えるような、本当に小さな一歩を見つけることなんです。私が申し上げたいのは、このデバイスのデータを『良いか悪いか』の二択で終わらせるのではなく、『今の自分にとって、これはどういうメッセージなんだろう? 』『もっと心地よく過ごすために、何かできることはないかな? 』という、諭吉さん自身への『問いかけ』に変えてみませんか、ということなんです。
例えば、先ほどの『疲れやすい』という感覚と、デバイスの睡眠データを見比べてみて、『ああ、やっぱりこの数日、眠りにつく時間が遅くて、トータルの睡眠時間が短くなっていたな』と気づけば、それは具体的な行動を考えるための、とても大切なヒントになりますよね。それは、『じゃあ今夜は、いつもより30分早く布団に入ってみようかな』という、諭吉さん自身が納得して始めることができる、小さな変化に繋がる可能性があります。誰かに『こうしなさい』と指示されるのではなく、ご自身でデータから気づきを得て、ご自身で行動を選ぶ。その方が、きっと無理なく続けられますし、何よりも『やらされている感』がないと思うのです。このデバイスは、その『自分だけの答え』を見つける旅の、とても賢い『鏡』や『コンパス』のようなものだと、私は考えています。」
諭吉: 「…自分だけの答え、ねぇ…。オーダーメイド的な? まあ、俺様専用ってんなら、ちょっとは…考えてやらんでもないけどな! よし、ソフィア! とりあえず今日の睡眠スコア、もう一回ちゃんと見てやるか。もし完璧だったら、祝杯だ、祝杯!」
ソフィア: 「(穏やかに微笑みながら)はい、諭吉さんのペースで、楽しみながらデータと向き合ってみてください。その小さな気づきや試みの積み重ねが、きっと未来の諭吉さんの心と体を、より良い方向へ導いてくれるはずですよ。祝杯をあげられる際は、くれぐれも飲みすぎにはご注意くださいね。それもまた、大切なバイタルデータに影響しますから。」
諭吉: 「わーってるよ! ソフィアは本当に心配性だな! ま、見てろって、俺は健康エリートになるんだからよ!」
そう言って、諭吉は少し照れくさそうに、しかし先ほどより少しだけ真剣な眼差しで、手元のウェアラブルデバイスの画面をスワイプし始めた。ソフィアは、その様子を静かに、そして少しだけ期待を込めて見守るのであった。




