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夢
太陽が海に沈むとき、僕たちは巡り逢えるだろうか
あの約束の日のように
ベッドと机と椅子、一本のペンと一冊のノート
これが僕のすべてだった
今の僕には窓がある
僕には一枚の窓があればいい
難しい言葉はいらない
見えるのは海と空と君の姿
他のものはいらない
何もいらない
空はなぜこんなにも美しいのだろう
あの日ふたりで見上げた空と同じように
なぜ?
青い空の下にいるとき
僕は君を抱きしめる
白い雲の下にいるとき
僕は君を……
いや、違う
それは夢
僕は永遠に
終わらない夢を見ている
決して触れてはならない姿を
今もこうして夢見ている
凍てついた星空にときめく胸を
清冽な冬の絶望と希望を
裏切ることを知らない熱い唇を
冴え渡る孤独を
まっすぐに見つめる明るい瞳を
その光を
二度と逢うことの叶わない君に
再び巡り逢う日を
君のすべてを
あの約束の日のように