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もしも街であなたとすれ違えば




あなたのおっしゃるとおりです。


この闇の中、ゆっくり回る大きな観覧車に乗れば互いの胸の鼓動しか聞こえないでしょう。


無論、いつの時代も我々の生きる世界は暗黒の深淵がいたるところに口を開けている。そして人間の本当の姿は常に闇に包まれている。そして我々は目に見えるものに常に欺かれる。



けれど思うのです。


心に残る物語には"美しく結晶したもの" が確実に存在する。それはどんな技巧を駆使しようとも、心に結晶を持たない者には決して描くことのできないものです。


人が求めているのは本当の情熱です。本当の気持ちが結晶した物語です。魂で感じるのです。


たとえば僕はあなたが描く十七歳が好きです。うつむいて悩み迷い、けれど苦しくとも顔を上げて、懸命に前を向いて、その姿が香り立つように生き生きと輝いているからです。


あなたが描く二十歳も好きです。自分の心と体も、相手の心と体も、どうすることもできないからこそ愛しく切ないと知るあの瞬間が、そこに確かにあるからです。


あなたがどこにいるのか何をしているのか本当は誰なのかすら知らないのに、僕はあなたへ何の疑念も躊躇もなくいろいろなことを伝えたいと願っています。


それはあなたの書く物語の中に、善く生きようとする人の姿を見るからです。決して幻ではありません。苦しみ、悩み、恋をして、大切な人を愛して生きる温かい心と体を持つ、奥行きのある愛しい存在。



もしも街であなたとすれ違えば、その瞬間、「何か」をふっと感じる。そんな気がします。


それはもしかしたら、あなたも同時に感じる 「何か」、かもしれません。





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