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夢と死

人は美しく生きることも

美しく死ぬこともできる


あなたはそのことを知っているから

生も死も受け入れることができるのかもしれない


底知れぬ苦しみもめくるめく喜びも知っているからこそ

あなたは無限の暗闇にも思える死の先に光を見ることができるのかもしれない


死はいつか必ず僕たちをこの世界から未だ知らぬあの世界へと連れ去ります

そしておそらく僕たちは永遠に自分が死んだことすら知ることはないのでしょう


認識も存在も思い出も知覚もなにもかも無限の光に還元されていく

死とはおそらくそのようなものです


この世から去った者の死は残された者によって定義されます

あなたがどのような意味を自己の死に込めようと


眠りに落ちると同時に人は短い死を経験します

夢の中で人は自分の死を定義します

夢の中の死は自己の死を自ら定義することができる唯一の死


人は本当に死んでしまえば自分の死を定義できないのですから

さらに言えば、あなたが願う世界が死の先にあるとは限りません

いえ、むしろあなたの望む世界はそこにはないでしょう


なぜなら

あなたは、あなたの願う世界を、あなた自身をこの世界に捧げることによってしか見ることができないからです


この世界……

あなたも知っているとおりこの世界は物質ではありません

あなたを愛する人とあなたの愛する人の心

それこそが唯一の大切なあなたの世界です


どうか

あなたの世界にあなた自身を捧げてください

懸命に一心に迷いなくあなた自身を捧げてください

もしもその途上で死を迎えるのであればそれは天命なのですから

あなたはあなたの望む死を「この世界」に残していくことができるでしょう


僕はあなたと最初で最後の微笑みを交わすその瞬間のために

どんなに苦しくとも生きることができます

あなたとの美しい思い出をこの世界に永遠に残していくために


だからこそ生きている限り詩と物語を書くのです

あなたの美しい魂へ捧げるために








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