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夢の中へ
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それでも生命は石垣の間からさえ育とうとする――――
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あなたの魂は魅力ある鼓動を続け、光を放ち、僕を呼び、あこがれの翼をはばたかせ、あの空へ、燃え上がる夕焼けへ向かって飛び立つ
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あなたと手を重ねて、この手をあなたの白い手に重ねて、ああ どんなにか僕はその日を恋い焦がれるだろう
どんなにかその日を、あなたの頬に触れて、あなたの瞳をみつめて、ただみつめあうその時を、僕は待ち望むだろう
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夢でもいい、夢の中でもいい、あなたの姿を、あなたの手にそっと影を、僕の影を、あなたに重ねたい
夢の影を重ねるだけで、僕たちは幸せなのだから
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永遠に眠るあなたの夢の中に、僕は飛び立つ
夢のあとに、ふたりがほほえんでみつめあえるように、あなたの夢の中へ