結晶
あなたには "美しく結晶した「何か」" があります。
どれほど華麗な技巧を駆使しても、心に美しい結晶を持たない人には決して描けない世界。
ページを開いてから閉じるまで、僕は "美しい結晶" に話しかけます。キラキラと輝く結晶が語る声を聞き、語りかけるのです。つまり僕は読みながら会話しているのです。いえ、会話ではなく、もっと別の「何か」です。
"美しい結晶" はあなたの心の真実そのものです。命に代えても守るべき真実。それこそがこの世界の最も豊かな鉱脈です。
結晶を輝かせてほしい。どこまでも輝かせてほしい。
あなたがどこにいるのか何をしているのか本当は誰なのかすら僕は知らない。
なのに何の疑念も躊躇もなくいろいろなことをあなたへ伝えたいと願っています。
なぜだと思いますか?
それはあなたに、真実を生きているあなたを見ることができるからです。
あなたは決して幻ではありません。苦しみ悩みながら日々を大切に生き、そして大切な人を深く愛して生きる、温かい心と体を持った存在。
もしかしたら、心の真実が描かれた言葉を読むことは行間にもうひとつの物語を書くことと同じなのかもしれない。
深く読めば行間に広がりが生まれ、青く透明なインクが滴り落ちるように様々な想いが溢れ、心の襞を濡らし、深く浸透し、離れがたく融けあい、熱を持ち、昇華し、結晶する。
そのようにして今まで誰も知らなかった新しい結晶が誕生するのです。互いの真実から生まれた新しい物語。それはまるで新しい星のように強い光を放ちます。