物語の中に
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歓びや悲しみの感情ってどこにあるんでしょう?
最近、思うんです。どんな感情も自分の心の中ではなく、たとえば空高く駆け昇ったその先にあるんじゃないかと。
それはたとえば『雲』のようなものです。様々な『感情の雲』が空に様々な姿を見せて風に流されていく。
自分の心の中にあると思っている悲しみは、本当は『悲しみの雲』の中にある。様々な人々の様々な悲しみが溶けて、雲は暗く重く垂れ込めている。
自分の心の中にあると思っていた歓びも、実は天高く浮かぶ『歓びの雲』にあって、様々な人々の歓びが賑やかに満たされて真っ白に輝いている。
だからこそ人は、人の歓びや悲しみを理解し分かちあうことができる。他の人の歓びや悲しみを自分の歓びや悲しみのように感じることができる。
同じ悲しみの雲の中に入った人は同じ悲しみを生き、同じ歓びの雲に入れば人は同じ歓びを生きることができる。
だからこそ人は同じ物語の中に生きることができるのかもしれない。
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あなたの歓びと悲しみがある場所を、僕は知っています。
あなたが書いた物語の中にあなたは生きている。それはあなたの心と魂でありあなたの姿そのもの。
僕はあなたの書いた物語の中に生き、物語の中で生き続けるあなたと見つけ合うことができる。
僕はあなたの歓びと悲しみをいつまでも抱きしめることができる。だから僕たちは何も恐れることはない。
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あなたの詩と物語。それはふたりの永遠の約束の場所。