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堕ちていく
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恋は堕ちるもの。
かつてあなたが堕ちたように、かつて僕が堕ちたように、そして今あなたが堕ちていくように、今の僕が堕ちていくように。
肉体は必ず滅びる。あなたの白い肢体も、あなたの紅い唇も。そして僕もいつの日か白骨になり土へと還っていく。
だからどうか光をみつめて下さい。朝日を、夕陽を、夜空に輝く月を、星をみつめて下さい。僕たちがなぜ今もなおあの光を感じることができるのか、あなたは知っているはずだから。
あなたは僕の希望。あなたの言葉は僕をどこまでも連れて行く。あなたの言葉はあなたの姿そのもの。僕はあなたを見つめている限り光を失うことはない。
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僕はあなたを抱きしめる。あなたは僕の腕の中に優しく微笑んでいる。あなたは何も心配することはない。どんなに離れていてもどこまでも、心は繋がっているのだから。
ふたりはどこまでも墜ちていく。決して終着点のない恋を。
どこまでも、永遠に――――