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A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№06

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よく調べたので


 中にはすぐ、みあげるような巨大なシャンデリアがさがった、みわたすほどの広さのラウンジがあった。

 左奥に暖炉があり、こまかい模様織の絨毯のうえには、大きなソファがおかれている。右奥には受付らしきひろいカウンターがみえ、その後ろの棚には、部屋の番号プレートをつけた箱が並んでいる。


 どれもみな、この建物といっしょに時代を積み重ねたものだとわかるが、薄汚れてはいない。シャンデリアの輝く粒など、まぶしいほどだ。


 その受付にウィルがはいると、フロント係のように、箱からとりだした部屋番号のプレートがついた鍵を、ひとりひとりにわたしてゆき、みんな順番に、部屋へむかってゆく。

 ロビーに残ったのはマックスとトッドだけになった。 


 

「きみたちは、 ―― スイートルームに、二人いっしょにどうぞ」

 わざとらしい言い方でマックスに鍵をわたす男は、ばかにしたような顔で指先につるしたそれをふってみせた。


 気にした様子もなく礼をいって奪うように鍵をとったトッドは、つるさがったシャンデリアがいつ落ちてきてもいいように、カーブしてつくられた幅ひろの階段に足をかけてから、エレベーターは二階からだよな、とおれをふりかえる。


 おれがこたえるより先に、「そうだよ」とカウンターにもたれたウィルがこたえ、「よくしってるみたいだね。 ―― ここのことを」

 『ここ』を強調するように、カウンターを指でたたいてみせた。



「そりゃ、 ―― 『芸術品』なんだろ?調べたくもなるさ」

 いまさらかくすつもりもなくなり正直にこたえて、トッドのあとに続いて階段をのぼった。




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