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A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№05

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トッドに感心


 あまりに予想外で、うまく頭がまわらなかった。


 写真でみたよりもがっしりした体格のウィルは、トッドは無視してこちらにより、どこからきたのか、ときいた。

「あ・・・いや、おれたちは・・・」

 目の端でまた荷台のほろがまくられ、だれかがおりたのがわかった。


 女か?


「ウィル、どうしたの?」



 っつ!?

 その声に、じぶんでも驚くぐらい耳が反応した。


「 れ、 レイ!?」


 幌をまくっておりたのは、なんとレイだ。だが、きっとまたあの黒髪のいやなガキがでてくるだろう。


 ところが、おれに名をよばれたレイが、驚きをもった笑顔をうかべ、ウォーレンさんじゃないですか、とこちらへくるのに、あのガキはでてこない。

 ブランケットで首から膝までをおおった姿は着ぶくれしている。サウスの横まで来ると、どうしたんですか?とおれと車を見比べた。


「あー・・その・・」


「あんたが、あの、レイを助けたウォーレンさん?」金髪を払いながら、サウスがおれのことをあらためてみた。


 ああ、とおれがこたえるのと、むこうのトッドが「そうだ」と答えるのがかさなった。

「 いいか、おれはマックスの友達なんだが、あんたら、ちょっとマックスにたいしてあつかいがひどくねえか? 別荘にあそびにいこうってレイがさそってくれたのに、まわりがそれを邪魔するなんてどういうことだよ?しかもその別荘ってのは、サウス卿の別荘なんだろ?おれは、友達としてあんたらのそういう態度が許せねえんだよ。だからマックスといっしょにじかに別荘に行って、あんたらの、えっと、そう、『誠意』ってやつを、たしかめようとおもってよ、こうして雪道をきたんだが、運悪くガソリンがもれて、車がとまっちまってな」

 ここでひどくいい笑顔をおれにむけ、いやちょうどよかったぜ、とそばに立つ眼鏡の男の太い腕をたたいた。

「あんたらがそのままおれたちをのせて連れて行ってくれりゃ、はやいもんなあ。 それともまさか、ここにおれたちだけおいて別荘にいくなんてしねえよなあ?なにしろここだともう携帯電話もつながらねえし、車の移動すら頼めねえんだ。 ―― だからよ、こういう《おもしろいこと》が起こったら載せてくれそうな雑誌社にも、ここだと連絡がつかねえんだよ」

 こういうときのトッドは、おれも感心するほど、小悪党くさい。




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