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A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№05

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51/168

車も《わけあり》


「はいったらすぐダニーに連絡することになってる」


 トッドはまた首をふって酒をあおった。

「 ―― なあマックス、ダニーにはいつおれたちが別荘にはいったかなんてわかんねえよ。おれたちがもし、先に貴族のお宝のありかをみつけたとしたら、なかよく分けて、この国をでりゃいい」


 こんどはおれが首をふる番だった。

「なあトッド。ダニーが貸してくれたこの車が、普通の車のわけないだろう?なにかの犯罪に使ってて、ナンバープレートだけ変えてあとはそのままだ。元のプレートはトランクルームにいれてあった。おれたちはその車に乗ってるってだけで、その辺ですぐパトロールカーに捕まって、終わる」


「『その辺』で?」


「ダニーが昼過ぎにでも、この手配中の車を見たっていう『目撃情報』を、通報するだろ」


「くっそ!!どうりで気前がいいわけだぜ」

 いいながらトッドが床を蹴った。



 そう、ただそれだけだ。


 それだけなのに、車がとつぜん、力をなくしたようにとまった。



「 ―― じょうだんだろ?」

「おい、ガソリンは?」

「あるよ」

 メーターは半分をさしている。

「もう一回エンジンをかけろ」

「やってる」

 だが、いくらイグニッションをまわしても、空振りの音が響くだけだ。


「くっそ、ダニーにやられたな」

 トッドは自分の額をたたいた。


「まさか。目的に着く前のおれたちにこんなことしても、あいつには何の得もないだろ」

「じゃあなんだよ?おれが床を蹴ったせいだっていうのか?」

「そうかもな」

 いいながらドアをあけ雪道におりる。そのとたん、鼻をガソリンの匂いがついた。

 



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