ぎりぎりの悪党
計画はこうだ。
『別荘』に続く道はここだけで、このさきは行き止まりになっている。その、すこし手前は、左へ折れるほそい道があり、『別荘』はその奥に建っている。おれたちはそこを通り過ぎたこの道のどん詰まりのところでまちぶせして、あいつらが『別荘』のほうへ曲がったのを見届けからおいかけて、別荘の敷地にはいってゆき、トッドが『ぎりぎりの脅し』をかけてはいってゆく。
「 ―― 『ぎりぎり』って、なんだよ?」
ききかえしたおれに、単語をつかわなきゃいいんだ、とトッドはかえした。
「『金』って単語で請求しなきゃいいんだ。―― いいか、おれは、おまえの友達だ。 レイをたすけてやったっていうのに、こいつに対するあんたたちの態度はよくない。レイはどうやらここにマックスを誘うつもりだったのに、ほかのやつのせいで誘われなかったっていうのをきいて、おれは腹をたてて、あんたらの態度をゴシップ雑誌に売るべきだ、っていったのに、こいつはうなずかない。そこで、あんたたちの誠意をちゃんと確認したくて、おれはおまえをひっぱってここにきた。 ―― どうだ?別荘に警察官たちはいないんだろ?いるのは、レイのおともだちの《警備官》だ。おれたちを逮捕できるわけじゃねえし、できるとしても、かるく追いはらうぐらいだが・・・、あの別荘の持ち主の貴族様はきっと、ゴジップ雑誌にのるのはひかえたいって思うだろうな」
上出来だろうというようににやけたトッドのこの作戦にのるしかないと思えたおれも、たいしたことない悪党だ。




