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A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№04

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32/168

つかんだのは

 ふだんバーにはいってもカウンターで安い合成酒を飲むだけのトッドは、入ってすぐにおれをすみのボックス席へとひっぱってきた。まだ『マフラー男』の仕事をうけたときの報酬が残っているのだろう。

 だから、『マフラー男』がらみで、まだ金をひっぱれると考えるのは当然かもしれない。


「アルゴス?ああ、きいたことあるな」


「とうぜんだ。ホテルやレストランももってるのに、このまえでっかい船も買って話題になったろ?」


「ああ、・・・ほかの国の船主ともめたとかいうやつか、・・・」

 そこでようやく思い出した。

 おれがみたアルゴスのその記事には、カメラをにらむ機嫌の悪そうな男が『息子』だとあったはずだ。


   握手をして脅してきたあの男だ。



「・・・なるほど、そうか・・・」

 おれのつぶやきに、そうなんだよ、とトッドはグラスをおいた。

「このチャンスをのがすなんて考えられねえだろ?これは、おれたちにやっとまわってきた《ツキ》だ。おまえが入院してるあいだ、おれは古着屋のすみに積んであったゴシップ雑誌を漁って、アルゴスの息子についていろいろ情報を手に入れておいたのさ。いいか、マックス。病院代だけで満足なんかしてる場合じゃねえぞ」


「満足もなにも、まだからだが痛くて、しばらくおれは手伝わねえからな」


「冗談いうなよ。ここからだ。せっかくつかんだツキから手を離せるかよ」

 トッドはすっかり、自分がその『運』をつかんでいるつもりになっているようだ。



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