大型バイク
「あの・・・」
もしかしてこの子は、マフラー男の知り合いか?
目が会った彼女は、ひとを安心させる看護師らしい笑みをうかべ、あなたも病院へいくわよ。とストレッチャーによこたわるマックスの肩をたたいてから、身をのりだした。
「 そこで、正直にぜんぶはなしたほうが身のため?ってかんじかもね。 わたし、さっき運ばれた彼と友達なの。『レイ』仲間でね。だから反対側の歩道から彼をみつけてずっとおいかけてたんだけど、あなた、 ―― レイのことずっとみてたわよね?」
「・・・・・・・・」
「でも、あの女のほうがなんかやばそうだわ。 つっこんできた車の運転手だって、レイをつきとばした犯人だってすぐ逃げたけど、あの女は、まるであなたに罪をなすりつけるために、ここに残ってるみたい」
「・・・くそ、罠か・・・」
「でも、レイのこと救ったのはあなただもの。それは胸をはって主張すべきよ」
女がまたマックスの肩をたたいたとき、バイクの低く大きなエンジン音が近づいてきた。
警察官の群れにつっこんできた大型のバイクは救急車のすぐそばでとまった。ライダーがフルフェイスのヘルメットをり、レイチェル!とさけび、こちらへよってきた。




