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A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№02

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16/168

ぜひ参考にして

「犯人じゃねえって。 あんた重いんだよ。あばらが折れてたらあんたに慰謝料請求するぜ」

 痛みをこらえたマックスのつよがりに、男はうえからどき、勝手にシャツをめくってきた看護師の女は、たしかにひどい打ち身だわ、とわらって立ち上がった。


 救急車より先に警察官のパトロールカーが到着し、むこうではあの女がまだマックスをさし、あいつが突き飛ばした、とわめくのに、おれじゃねえって、と気力もなく言い返す。


 看護師はマフラー男のわきに膝をつき、マフラーをとったり、血がついたタオルで男の顔をおさえたり、自分のぬいだ上着をかけたりして面倒をみていたが、しばらくして交通整理をしていた警察官に走りより、携帯電話をだしてなにか話しかけた。


 遠くにきこえた救急車の音があっというまに近づいて、救護隊が担架をもってマックスのところにもきた。

 もちろん、警察官つきで。


 先にきた救急車にマフラー男がいそいでのせられるのがみえた。

 それを見送った看護師の女が、マックスのそばにやってくると、そばに立つ警察官に「この人、犯人じゃないわ」と言い切った。

「この人より、あそこで『目撃した』って騒いでいま事情をきかれてる女に気を付けた方がいいと思う。あの人がレイとずっとしゃべってたのよ。そこに、この人をつきとばしたべつの男が突進したの。あたし見てたけど、レイをつきとばしてからころんだ『犯人』に手をかして立たせてたのはあの女よ。まるで、そいつをここからはやく逃がしたいみたいにね」

「そうかい。参考にしよう」

「ええ、ぜひ参考にしてね。 あたし、このはなし、サリーナにもするから」


 なぜか警察官はうんざりしたような顔をして、むこうへいってしまった。



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