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横断歩道


 一瞬目の端にみえたその顔は、《ついてないヤツ》のもので、無意識で、横断歩道のばしょを確認する。 まだむこうにあるそこを、こいつといっしょに渡るのはやめておこうと思った。

 ここまでつけてきているマフラーの男は、手前にある街灯の下に立ち、携帯電話をとりだしていた。

 それをみたおれも思い出して携帯でしゃべるふりをして速度をおとす。


 さっきの考えは捨てよう。


 こいつが《ついてるやつ》かどうかみえないからって、問題はない。 ―― はずだ。


 目で追ったあいては、携帯をしまうとマフラーをなおしながら表示が青にかわった横断歩道へむかう。


 おいおい、さっきおれを抜いて行った《ついてないヤツ》といっしょにわたるのか?


 なんだか気になっておれも小走りでむかう。

 

 すると、マフラー男にスーツ姿で片手に大きなバッグをさげている女が声をかけた。なにかの紙をひろげ、それをゆびさしながらしゃべっている。その紙をのぞきこんだマフラーは、たちどまったじぶんたちが信号をわたる通行人の邪魔だと気づき、端の方へ女と移動した。



 観光客に、道をきかれてるのか


 女はちらちらと腕時計をみている。マフラーの男はこめかみに指をあて、なにか思い出そうとしている。


 さっきよりだいぶ近づいてしまったが、こちらはまた携帯電話でしゃべるふりをはじめる。





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