おたがい無事
24.
食堂にはいったおれたちをみて、まっさきにレイが口にしたのが、どこにいってたの?だった。
おれたちのほうは、無事についた一階の食堂にレイたちの姿をみて、いっせいに息をついたところで、ショーンなど、レイどころかゲイリーの肩をたたいて無事をたしかめて、変な顔をされていた。
テーブルの上には銀色の蓋をかぶされた大皿がいくつかおかれ、どこからもってきたのか、お子様用の椅子にすわっているジュニアが、小さなコップでジュースを一気に飲むと、おれたちをつまらなさそうにみながらゲップをした。
「いや・・・。ずっとこの建物の中には、いたんだ」
ジャンが疲れたように顔をぬぐい、近くの椅子に腰をおとす。
「どこに?だってさがしたんだから。上からみんなをよびながらまわったのに、どこにもいなかったけど・・・」
ゲイリーがショーンにむけた指をまわし、そこで、ようやく、じぶんの属する班の班長が険しい顔をしていることに気付いたらしい。「 ―― なにかあった?」 ほかの《警備官》たちをみてから、おれとトッドをにらんだ。
「あったことはあったが、残念ながらこいつらのせいじゃねえってのは確かだ」
ケンがにやけながらおれの肩をたたく。
「とりあえず・・・」
ショーンは気をとりなおしたように、ちかくにあるテーブルにむかい、銀のおもたい蓋をあけて、大皿にならぶサンドウィッチをつまみあげ、くちへおしこむ。それをみたケンも手近な皿からまとめてサンドウィッチをつかみあげ、いっきにほおばると、奥の厨房へむかった。ジャンも腕をのばし、ショーンのあけた皿に手をのばす。
レイが首をかたむけきいた。
「だいぶ時間がたっちゃったから、つくりなおそうか?」
『だいぶ時間が』?そうか、いつのまにかもう昼すぎなのか・・・




