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A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№09

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114/168

階段で見たのは


 ようやく階段とフロアの『仕切り』になるところまでくると、そのアーチの下に立っているトッドがくちを半開きにして、おれたちをふりかえり、眉をよせた。

「 ―― フロント係の男が、のぼっていったぜ」


「は?」「いつだ?」

 ショーンがトッドを追い越して階段にあしをかける。


 トッドもいそいでのぼりながら、おれがここについたときだ、と足元をさす。

「―― もう、ケンとジャンはみえなくて、階段のほうから話し声だけ聞こえてて、おれもすぐ階段にいったんだ。そしたらよ、前を、黒いスーツ着た男がのぼってたんだよ」



 これがマックスのいってたフロントにいた男だな


 そう思って、おいあんた、と声をかけたが、まるきり無視されたという。


「だから、 ―― おれは一回階段をおりた」


「はあ?なんでだよ?」

 トッドのうしろをのぼりながらはなしをきいていたおれは、どうしておいかけなかったんだ、とあたりまえのことをいった。

 足をとめてふりかえったトッドは、なぜかおれの後ろをみながら、なんとなくだよ、と力なくこたえる。

 おれもつられて後ろをふりかえったが、とうぜんなにもない。



 ショーンはさきに踊り場まであがり、先におりかえしたところで、ぐう、とおかしな音をもらし、手のひらをこちらへむけた。

「そこから動くな」


「どうした?」

 もちろんいうことを聞かないトッドはいそいでのぼり、ショーンとおなじようなおかしな音をあげてから、なさけない小声でいった。

「なんだよ?どういうことだ?こんな長い階段のわけねえだろ」


 おれはあのとき見た階段をおもいだす。



 いや、あれは幻、のはずだ




 だが、トッドの肩をつかんでみあげた階段は、幻ではないはっきりした状態で、まっすぐどこまでも続いていた。






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