表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班(外)ファイル ― 門番は留守に鍵をあずける ―  作者: ぽすしち
(外)ファイル№09

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/168

『ない』と断言する男たち

「どうやら、骨董マニアでもあるみたいだな」

 おれはいちばんしたまでのひきだしを順にあけてたしかめた。タンスとひきだしの大きさは合っていて、おかしな点はない。


「まるであれじゃねえか、博物館ってやつだ」

 トッドが頬のひげを嫌そうな顔でなでながら、壁に横倒しにつけられた『武器』たちをみあげると、むこうの壁までつづくその『展示』がとぎれた横のドアがひらき、ケンが顔をだし、こっちはとなりの部屋だぜ、と今でてきたむこうをさす。


「なるほどそうか。《使われてない部屋》ってのは、宿泊につかわれてないってことか。それをぶちぬいて、ここの持ち主が専用の博物館にしてるってわけだ」

 どうりでひろいわけだぜ、とトッドは『展示物』にあきたらしく、ウィルの部屋の方へともどってゆく。


 ケンもおれを振り返って、たんすは全部見なくていい、と手をふった。

「おれは最初から、この階には入口はねえとおもってる」

「なんだよそりゃ」

 おいかけてウィルの部屋にもどると、ショーンとジャンも入ってきた。


「次の階にはあると思うか?」

 ケンがさっき言ったことを聞いていたように、ジャンがきく。


「ない」

 断言したのはショーンだ。

「そんな隠した入口があったら、すぐに気づいてる」そうだろ?とジャンにききかえす。

 まあな、と頭をかいた男はだとするとやっぱり五階か、とおれたちをみる。


「え?おれたちの、あのスイートルームにってことか?」

 おれよりもトッドのほうがいやそうな顔をしている。


 ジャンが手を打ち、でも念のため四階からみよう、と部屋をでようとすると、こんどはショーンがいやそうな顔をした。

「まて。言わずにおいたが、さっき二階からここにあがるときも、鉄が、・・・音をだしてる」

 いいながらTシャツの背中をまくりあげ、ベルトに突っ込んである鉄棒をとりだした。


 「『おと』?」と眉をよせたトッドとおれは耳をすますが、なにもきこえない。



「その鉄棒、ジョーが祈ってくれたんだろ?それなら安全ってことじゃねえのかよ?」

 それともなんの効果もねえのか、とケンがジャンを追い越しドアをでてゆく。


 ジャンがしかたなさそうにショーンにわらってみせ、あとに続いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ