1章 28話 宿
予約投稿1日ずれてました。すみません。
イベント詳細がわかったところで、そろそろログアウト時間が迫っている。私達は目的地に歩きながら、夜12時からの予定をたてることにした。初日くらいは夜遅くまでやる予定なので、あったほうがいい。
「それじゃーそろそろログアウトだけど、夜どうする?おそらくだけど、あの子は22時くらいから始めると思う。僕たちと違って昼間プレイしてないからね。」
と、にゅいが言った。ここで言うあの子とは由夏のこと。ゲーム内での名前が決まってないためそんな呼び方しているのだと思う。
にゅいこと結依と由夏は普段から大の仲良しで、一緒にゲームしたり、遊んだりしている。それに寝るときもちょっと広いベッドに2人で一緒に寝ているほどだ。私は一人っ子のためそういうのとても羨ましく思う。まぁそれは一旦置いておくとして、それほど仲がいいため、ある程度相手が考えていることもわかるらしい。だから、にゅいが言っているのはホントのことだろう。
私達は24時からしか、再度ログインできないためどうしたものかと言った相談だと思う。
「5時半とかまでする?」
私はそんなふうに返した。あきらかに4月から高校生が起きておいていい時間ではないけど、4時超えるのが日常茶飯事である私からしたらそこまできつくない。
「うーん。僕は大丈夫だけど……あの子はきっと落ちるね。」
あっそれもそうか。私基準で考えたらだめだった。由夏は普段12時過ぎには寝るため、3時以降起きていると寝落ちする可能性がたかい。ちなみに寝落ちした由夏は結依がベッドに運んであげている。
「合流次第ダンジョン。眠くなったら解散。」
私がそうつぶやくと、にゅいもうなづいた。
「了解。イベントも決まったしあげておいて損は無いからね〜。」
私達は話しながら目的の位置についたため、話をきりあげることにした。目的地は宿だ。このゲーム、ログアウトする前に宿などに入るのが常識だ。別に宿でなくともログアウトじたいはできるが、桜ちゃん(1章9話参照)を強制的に宿に泊まらせたのも理由がある。
まず、ダンジョンやそこに行くまでの道のりで、ログアウトすると、魔物やプレイヤーキラーなどの狙いの的となるのが理由だ。私もにゅいからの情報だけど、ゲーム始まる前にそれだけは注意してといわれた。
理由としてはログアウト後だいたい5秒ほどアバターが残るらしい。街の中などの戦闘行為禁止エリアなら大丈夫だが、街の外だと5秒間無防備をさらすのはだいぶ危険だよね。。ちなみに何故5秒もアバターが残るのかというと、ログアウトして現実世界に意識が覚醒するまでに大抵の人は5秒かかるかららしい。
つまり、そのタイムラグの分アバターが危険が迫るのだ。次にだが、それなら街の中でしたらいいのでは?と思うかもしれないけど、ゲームの中でも満腹度というものがある。これは、現実の満腹度とは別扱いになるため、時間経過などでどんどん減っていく。つまり現実で腹いっぱい食べたから問題ないと言うわけではない。
だいたいゲーム時間で、3日食事してないと徐々にHPが減り始めHPがなくなると、デスしてデスペナをくらうらしい。それに、満腹度の減っている状態にもよるけれど満腹度が半分切るとステータスにデバフもかかり始めるという。つまりゲーム世界で、ホントの意味のデスロードとなるのだ。
話は戻るけど、宿に泊まってログアウトするとこの点は解決されるらしい。何故なら、ログインした時に、ジュースがもらえるらしいのだが、それを飲むと満腹度が2割回復する。それを2本もらえるため、だいたい4割分。ゲーム内時間で満腹度が1日に減る分はだいたい3割3分くらい。しかもログアウト中は満腹度は減らないため、毎回宿に泊まると満腹度で攻略が困ることはないということだ。
「それじゃ〜また後でね。」
にゅいはそう宣言すると、宿に入りそのままログアウトした。




