1章 24話 ミドルラット
ラットのボスは今までのラットより大きかった。さっきまでのラットが小ラットならこのラットは中ラットだ。ネームはミドルラットと書かれている。私は試しに一発ヘッドショット入れてみた。
減ったHPは1割くらい?EXっとは違って本体攻撃でも最初からまともな攻撃が入るみたい。私の攻撃の後にすぐに投げナイフを投げたみたい。だけど、それは別のミドルラットにあたった。その別のミドルラットもHPは1割削れた。
「はぁ。やっぱりそうだよね〜。ラットはチュートリアルのときもEXのときも多数が敵だったからな〜。」
と、にゅいは諦めたように私と背中あわせでたった。どこに隠れていたのか私たちの周りを囲むように10体のミドルラットがいる。
「どうりで。」
私が呟くとそれに反応するかのように、にゅいが、
「真ん中にたどり着くまで、ボスが現れない時点で想像つくよね〜。」
と、私の思っていたことを口にした。さすがはにゅい。私の言葉から考えがわかるんだね。まぁそんなこと言ってる場合ではないんだけど。
まだダメージを与えていない二匹のミドルラット私の方に近づいてきている。私は先に動きはじめたミドルラットに一撃あて牽制した後近づいてきていたミドルラットを野球のバッターの構えをして顔面を銃で殴った。
「なにそれ〜銃使いの戦いかたではないでしょ。」
と、笑いながら、にゅいは近づいてきた二匹のミドルラットに両手で持っていたナイフで一撃あてたあと、どこからか取り出した針をミドルラットの目に刺して、ナイフ2本を交差した状態で吹き飛ばした。
「手助けはいらないね。」
私は難なく対応しているにゅいを見てそう呟いた。互いに相手を気にする余裕があるくらいにはリラックスしながら戦っている。
「お互い様だね。それじゃ勝負だよ。先に5体倒したほうが勝ち。負けたほうが今度何か奢る」
と、私にいってきた。
「のった。」
私たちは、お互いに最低限の気を配りながら目の前の5体に集中することにした。ミドルラットに遠距離手段はないのかな。どの、ミドルラットもまずは突撃を仕掛けてくる。その後口を開くあたり噛みつくとかかな。特に噛みつくを重点においている分、食らったら大変なこと起きそう。まぁ中距離を保って近づいた敵は殴り飛ばせばいい。
そして遠距離攻撃は、牽制を除けば1体集中でヘッドショットを決めていた。こういう戦いでの定石は数を減らすこと。それに、ラットの知能指数は低いのか、私の方向いている5体はにゅいの方に行く様子もない。逆に考えればにゅいの方からも流れてくる様子はない。
そして、ついに1体倒すことができた。ミドルラットは煙になり、消滅した。素材は落ちない。つまり10体全部がボスということかな?
ちなみに今までの私の銃は初心者用だ。理由としては彼岸ライフルの方は弾数に制限あるため、にゅいが言ってたようにまわるなら弾数制限ないもののほうがいい。とはいえそろそろ使い始めようかな。1体減った状態で、残り4体も3体体力半分以下。もう一体も5割ちょっと。適度に減らしていたおかげで、最初に倒した1体以外ほぼ同じくらい減っている。
私は、素早くライフルを持ち替えて残りの体力が4割切っているミドルラットに狙って一撃放った。初心者用のライフルとは違い、若干反動も強いが威力は桁違い。残り4割切っていた敵を一撃で屠った。そして先程と同じように消えていった。
残り3体。私は残りの敵の5割ちょっとの1体に向かって撃ったあと、
「高速移動」
を、使って撃たれて怯んでいたミドルラットに銃を振り下ろした。それによって倒せて煙に変わる。残り2体。それからそれぞれ2発ずつそれで倒せた。そして私はにゅいの方を見る。にゅいも素早く残りの1体に接敵して、数回切り刻んだ。
切り刻んだあと、私の方に振り返り、歩いてきながら武器を片付けてた。まだミドルラットは倒してないのにどうしたんだろうとおもって、ミドルラットの様子をみると、身体が紫の斑点がある毒かな?そしてそのミドルラットがにゅいに噛みつこうとした瞬間。煙になって消えた。
「あータッチの差で負けたか〜。途中までの減らした数は僕が上だったけどな〜。その銃が奥の手かな?それにスキルも、高速移動だけじゃないよね?」
私の武器に目を向けながら聞いてきた。まぁここでは本気は出さないよね。お互いに。
「もちろん。V。」
私が、そう答えていると、ちょうど最初立っていた真ん中の地面に宝箱が出た。
「さて、ボス戦も終わったし、クエスト受けて次に行こう。ここのダンジョンだったらボス変更とEXもいけるし、夜だとダンジョンモンスターに強化入るけど問題ないよね?」
このゲームだと、リアル時間8時間で1日がたつ。現在リアル時間18時現在ゲーム時間だと夕方だ。もうすぐ夜の時間となる。このまま2周するとなると夜の時間に2周することになる。強化時間にどれくらい強化されるかわからないけど、レベル上げにはちょうどいい。
「大丈夫。」
私は返事しながら宝箱を開ける。今まで落ちなかったボスの素材と、1000cそして、投擲用のナイフ数本と、威力強化の巻物が3個。
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威力強化の巻物
使用した人の打撃ダメージがあがる。どれくらい上がるかは武器によって変わる。
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「僕とミーちゃん2人の武器がそれぞれおちたみたいだね。どちらも使い捨てだけど持ってて損はないかな。」
私は自分用の威力強化の巻物をとって、ナイフをにゅいにわたした。その後はそのままダンジョンのゲートをくぐり出た。




