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【番外編2】神宮寺桐仁の奮闘 5

前回ちょろっと出た『お姉ちゃんのお誕生日』のお話です

 三月の半ばのお姉ちゃんの誕生日。

 ウチでお誕生日会をすることになった。

 ていっても、夕ごはんがちょっとごちそうになって、デザートにケーキが出るだけの予定。「お店に行こうか」って父さん母さんが言ったけど「外食は竹さんが疲れる」ってトモさんが「自宅でお願いします」ってお願いして、おうちで夕ごはんになった。



 やって来たお姉ちゃんはすごく綺麗だった。クリーム色のヒラヒラのドレスみたいなワンピースに薄い黄緑色の布を肩にかけて、なんだか菜の花の妖精みたいだった。「ミモザの妖精」ってトモさんは言ってた。

 そのトモさんも白いシャツにネクタイして、カッコいいチョッキと揃いのズボンですごくカッコよかった。


 そのふたりがウチの前で車から降りて家の中に入るまでを目撃したひとが何人もいて「王子様とお姫様が来た」って騒ぎになった。

 騒いだひとの話を聞いたひとがたずねてきて、お姉ちゃんが律儀に挨拶したりするもんだから「竹ちゃんがお姫様になった!」ってまた噂が広まった。

 そんな「お姫様と王子様を見たい」ってひとが「竹ちゃんが帰ってるって聞いて」「竹ちゃんがお誕生日だって聞いて」って色々持ってきてくれて、食卓がめちゃめちゃ豪華になった。


 だいたいトモさんが悪いんだよね。

 トモさんは基本、外ではお姉ちゃんを歩かさない。いつでもお姫様抱っこか縦抱っこしてる。

 この日も先に車から降りたトモさんがお姉ちゃんをお姫様抱っこで車から降ろして玄関まで連れていった。そりゃ「お姫様がキタ!」ってなるよ。


 お姉ちゃんもお姉ちゃんで、トモさんに抱かれるのが当たり前になってるみたい。だから抱かれてもそのまま移動させられても『当然』って顔してる。むしろうれしそう。家にいたときには見たことのない『しあわせいっぱい!』って顔してる。


 そんなお姉ちゃんにトモさんはデレデレで、いつもはキツめの顔つきで近寄りがたい雰囲気なのに、ニッコニコでやわらかい雰囲気になってる。

 背が高くてスタイルもよくて、まさに『王子様!』って外見。

 そんなトモさんがおめかししたお姉ちゃんを抱いて歩いてたから、目撃したひとみんな「王子様とお姫様が来た!」ってなっちゃった。


 ちょうど下校時間に来るんだもん。目撃者の多い時間帯だよ。もーちょっと時間ずらしたらよかったのに。

 はあ。トモさん学校昼までだったの。帰って支度して、それから車で来たらこの時間になっただけで、狙ったわけじゃないと。

 そのわりには注目浴びてドヤってたねトモさん。お姉ちゃんとラブラブなのいろんなひとに見せつけられてうれしいんでしょう。


 近所の全然知らないちびっこが保護者と来て、キラキラした目で玄関に出てきたお姉ちゃんとトモさんを見てた。

「おひめさまに、ぷれぜんと、でしゅ」って、そのへんで摘んできたらしき花を差し出した。それをお姉ちゃんがしゃがんで視線合わせて「わざわざありがとう」ってプリンセススマイルで受け取った。トモさんまで「ありがとう」って笑顔向けるもんだから、ちびっこ感激しすぎて大泣きしてた。

 一緒に写真撮ってもらってまた感激して泣いてた。


「仕方ない。竹さんは女神だから」真顔でひとり納得するトモさんに「バカが出た」って母さんが呆れてた。



   ◇ ◇ ◇



 ウチに来たのはお姉ちゃんとトモさんともうひとり。黒髪に黒いスーツの背の高い渋いおじさん。「黒陽だ」って挨拶してくれた。


 運転手さんで来てくれたひとかと思ったら、お姉ちゃんとトモさんと「一緒に暮らしている」ひとで「大事な家族」だってお姉ちゃんが言う。だから今日のお誕生日会にも「『一緒に出て』ってお願いして来てもらった」って。


 黒陽さんは父さん母さんと知り合いだった。親しそうに挨拶し合ってた。お姉ちゃんが眠り続けてたときに知り合ったのかな?

 おじいちゃんとおばあちゃんは「お目にかかれて光栄です」ってすごい恐縮して挨拶してた。えらいひとなんだなってそれだけでわかった。なのに黒陽さんは全然えらぶるとかなくて、逆に「これまで挨拶できず無礼をした」とか言って頭を下げてた。丁寧なひとなんだなって思った。


 そんな黒陽さんはぼくにも丁寧に挨拶をしてくれた。父さんよりも大きくて歳上っぽくて、なんていうか、すごく強そうなひとなのに、子供のぼくにも生真面目に対応してくれた。

「はじめまして桐仁。黒陽だ」そういう声はどこかくすぐったそう。

「桐仁です。はじめまして」ご挨拶したぼくに黒陽さんは大きな手で頭を撫でてくれた。


「きみのおかげですべてがうまくいった」

「きみは我らの恩人だ」

「改めて礼を言わせてくれ。――ありがとう」


 トモさんもぼくのこと『恩人』て言う。ぼくはただお姉ちゃんと一緒にいたくて駄々こねてただけなのに。

 よくわからなくて首をかしげたけど、黒陽さんはやさしい目を細めて笑うだけだった。



   ◇ ◇ ◇



 兄ちゃんが帰ってくるのを待ってる間はぼくの部屋で話をした。どんな勉強してるのか、どこまで進んだか、トモさんと黒陽さんに聞いてもらった。お姉ちゃんは褒めてくれた。何故かぼくが強くなる修行をすることが決まった。

 お姉ちゃんがグズグズ言い出したのをトモさんがなだめだしたところで黒陽さんがぼくを連れ出してくれた。


「トモはどうだ? お前に迷惑をかけていないか?」

 その言い方が本当に心配そうに聞こえて、『トモさんてば信用ないなあ』っておかしかった。


「迷惑なんて。いつも良くしてもらってます」

「ならば良かった」

 ホッとしたみたいに微笑む黒陽さん。イケオジってこういうひとのこと言うんだろうな。


「トモは姫が第一だから。そのことでなにかお前に不利益や迷惑をかけるようなら遠慮なく指摘しろ」「言えば一応は聞くだろう。………一応は」


 そう言いながらも眉を寄せる黒陽さんに、普段のトモさんの様子がわかる気かした。

 ――それよりも。


「『姫』?」

 気になった単語を復唱したら、黒陽さんは『しまった』みたいな顔をした。

 それからあっちに顔を向けて「………お前の姉のことだ」って言った。


「私はお前の姉のことを『姫』と呼んでいる」

「ふーん?」


 お姉ちゃんはおばあちゃんの実家の神野家の知り合いのところでずっと療養していて、目が覚めて元気になった今でもそこで暮らしてる。

 そこにはトモさんだけでなくて何人もの大人達が一緒に暮らしてるって聞いてたけど、そのひと達にとってお姉ちゃんは『お姫様扱い』ってことらしい。まあね。近所でも今やお姉ちゃんは『お姫様』扱いだから。


 そう納得してたらなんか黒陽さんはホッとしてた。

「いかんな。ついうっかり漏れてしまうな」なんてブツブツ言ってた。


 カッコいいイケオジで強そうでえらいひとっぽいのに、なんか抜けてるところがある雰囲気に、なんだか急に親しみを感じて、ぼくは一気に黒陽さんも好きになった。



   ◇ ◇ ◇



 兄ちゃんが部活から帰って風呂に入ってから夕ごはんになった。

 母さんとおばあちゃんがたくさん料理作ってたけど、トモさんも持ってきたし近所のひとも差し入れしてくれたしでテーブルがいっぱいになった。


 トモさんがお姉ちゃんのぶんは全部取り分けてひとつのプレートにしてあげてた。そのプレートもすごく綺麗に食べやすく盛り付けてあって、どれだけお姉ちゃんのことが好きなのかって見せつけられた気がした。


 いろんな話をして、美味しいものたくさん食べて、笑って、笑って、笑った。


「――去年の今頃は、まさかこんな日が迎えられるとは思わなかった」

 父さんがそう言ってグスリと鼻をすすった。

「本当に」って母さんも目を押さえた。


「トモのおかげだ」「ありがとう」

 父さんがそう言って頭を下げたのを皮切りに「ありがとう」「ありがとう」って大人みんながトモさんに頭を下げた。黒陽さんも、お姉ちゃんも。


 トモさんはそんなみんなにやさしく笑いかけた。


「お礼を言うのはこちらのほうです」

 そう言ったトモさんはお箸を置いて姿勢を正し、家族みんなをぐるりと見回した。


「これまで竹さんを守り育ててくださってありがとうございました」

「竹さんが一番つらいときに皆さんが心をくだいて尽くしてくださったからこそ、俺はあの日竹さんに出逢えました」

「俺こそお礼を言わせてください」


 そしてトモさんは真面目な顔を父さん母さんに向けた。


「親父さん。お袋さん。

 竹さんを産んでくださり、育ててくださり、ありがとうございました」


 ペコリと頭を下げるトモさんに父さん母さんはただただうなずいた。目から涙がこぼれそうになってる。


「おじいさん。おばあさん。

 竹さんを守り慈しんでくださり、ありがとうございました」


 おじいちゃんおばあちゃんに向けてやっぱりペコリと頭を下げるトモさん。おじいちゃんもおばあちゃんも首を縦に振ったり横に振ったりするしかできない。


「黒陽」

 じっと黒陽さんと目を合わせたトモさん。

「ありがとう」

 ただ一言だけだけど、とっても重みのある声。黒陽さんはなにも言わず、ぎゅっと口を引き結んでから深くお辞儀をした。


 大人達に感謝を伝えたトモさんはにっこりと笑った。そうして立ち上がり、そのままお姉ちゃんの横で片膝をついた。


「竹さん」


 ボロボロ涙を流しているお姉ちゃんの身体を自分のほうに向かせて、トモさんはお姉ちゃんの両手を取った。


「生まれてきてくれて、ありがとう」

「生きてくれて、ありがとう」

「がんばってくれて、ありがとう」

「俺の妻になってくれて、ありがとう」


 やさしいやさしい声でトモさんが言う。


「これからもずっと妻でいてね」

「約束だよ」


 ぶわっと涙をあふれさせたお姉ちゃんは、トモさんが両手を離すなりトモさんに抱きついた。

 首にしがみつくお姉ちゃんを軽々と抱いて立ち上がったトモさんはうれしくてたまらないって顔でお姉ちゃんを抱き締めていた。


 大人達もみんな泣いてた。泣きながら拍手してた。

「頼むぞトモ」父さんに言われて「当然」って答えるトモさんは自信満々な顔つきに戻ってる。お姉ちゃんに向ける顔と他のひとに向ける顔が違うんだよねこのひと。


「娘を、娘をお願いします」

「しあわせにしてやってください」

「ありがとう。ありがとうトモくん」


 母さんに、おばあちゃんに、おじいちゃんに言われ「はい」って答えるトモさんはしあわせそうに笑った。

 ぐずぐず泣いてるお姉ちゃんの背中をやさしく撫でながら、トモさんは瞼を伏せた。


「―――考えたらホント、怒涛の一年だったよね」

「去年の今頃、俺、まだ貴女に出逢えてなかったんだから」


 独り言みたいにつぶやいたトモさんは、抱き上げているお姉ちゃんをぎゅっと抱き締めた。


「四月のあの日、貴女に初めて出逢って。とらわれて。―――俺、貴女の名前も聞けなかった」


 ちいさく笑って、トモさんは続けた。


「なのに今こうして貴女を抱き締めていられるなんて。妻になってもらえてるなんて」


「がんばって、よかった」


 そのつぶやきはため息のようで、トモさんがどれだけがんばってきたのかをあらわしているようだと思った。


「ありがとう」

「ありがとう竹さん」

「大好きだよ」

「ずっとそばにいてね」


 お姉ちゃんの耳にそっとキスをするトモさん。イチャイチャだ。ベタベタだ。でも全然イヤじゃなくて、なんだかドラマとか映画とか観てるみたい。『このひとこんなにお姉ちゃんのこと好きなんだ』って見せつけられて、『こんなにお姉ちゃんのこと大事にしてくれるんだ』って感謝して、『このひとならお姉ちゃんのこと絶対しあわせにしてくれる』って思えた。


「―――私、こそ」


 そして愛情を注がれたお姉ちゃんは顔を上げた。泣きながらトモさんを見つめた。うれしくて泣いてるってわかる、綺麗な涙だった。


「ありがとう」

「ありがとうトモさん」

「ありがとう」


 またトモさんの首にしがみつくお姉ちゃん。みんな感動してるし号泣してる。ぼくもしあわせそうなお姉ちゃんに泣きそう。


 泣かないように目をそらしたら、兄がひとり黙ってムッツリしているのに気がついた。

 仲間はずれにされてるとか思ってんのかな? 兄はお姉ちゃんのことずっとバカにしてたから、お姉ちゃんがしあわせそうなのが気に食わないのかな?

 注意しようかと思ったけど場の空気を悪くするのもいけないかと思って、気がつかないフリで無視しておいた。



「さ。ごはん食べよ」

 トモさんがお姉ちゃんに明るく言って、ようやくお姉ちゃんはトモさんの首から離れた。

「うん」ってうれしそうに笑ってうなずいたお姉ちゃんをトモさんはやさしく椅子に座らせる。

 どこから出したのか濡れタオルでお姉ちゃんの顔を拭いてあげるトモさんにお姉ちゃんはされるがまま。タオルをどけたお姉ちゃんはそれは綺麗な笑顔をトモさんに向けてた。


 大人達にも濡れタオルをくばったトモさんが席についてまたごはんを食べはじめた。

 お姉ちゃんに「もう少し食べられる?」って聞いておかわりをついであげてた。

 

「二年後には入籍するからね。忘れちゃ駄目だよ」

 トモさんに言われてお姉ちゃんは黙ってうなずいた。すごくうれしそうだった。


「皆さんも。二年後は誕生日と結婚記念日一緒に祝いますから。予定空けといてくださいね」


 わざとトモさんが偉そうに言うのを受けて大人はみんな泣きながら「わかった!」「絶対ね!」って喜んでた。


「来年の誕生日ももちろんお祝いしましょうね」って母さんが言ったら「それは当然ですね」ってトモさんが答えた。


 それからトモさんがモリモリ食べて、あっという間にお皿が空になった。トモさん、一応遠慮してたんだね。

 空いたお皿をパパッとトモさんが片付けて、ケーキを出してきた。

 母さんが紅茶の準備をしている間にトモさんがお皿洗ってるのに気が付いたからすぐに手伝いに行った。


「手伝う」「サンキュ」

 トモさんが高速でお皿洗うのを必死で拭いていった。と。

「キリ」

 急に呼ばれてなにかと思ったら、トモさんは手を動かしながらぼくを見てた。


「竹さんが今生きていられるのは、キリのおかげだ」

「ありがとうキリ」


 ニッて笑ってるけど、トモさんの目は本気だった。

 本気でぼくに感謝してくれてる。それが伝わった。


「ぼくのお姉ちゃんだもん」

「それよりトモさんこそ」

「お姉ちゃんをしあわせにしてくれて、ありがとう」


「これからもお姉ちゃんのこと、お願いね」

「もちろん。まかせろ」


 ニヤリと笑うトモさん。このひとならお姉ちゃんを任せられる。お姉ちゃんは『しあわせ』になれる。そう思えて、ぼくもうれしくて笑った。




 お皿洗いが終わったときにはケーキにロウソクを立て終わったところだった。

 火をつけたところでトモさんが電気を消した。

 ハッピーバースデーをみんなで歌って、お姉ちゃんがふうっと火を消した。

 電気がついたときにはしあわせいっぱいのお姉ちゃんの顔を見れた。


 ケーキを食べて、トモさんがまた片付けをしてくれた。

「準備してもらったんだから当然」って。

 お姉ちゃんが「私も手伝う」って言ったけど「せっかくのドレスが濡れたらマズいよ」って「座ってて」ってやらせてもらえなかった。


「トモさんだってカッコいい服なのに」

「俺は汚さないから」

 実際全部片付いたあとでもトモさんの服にはシミひとつなかった。


 もうすっかり真っ暗になってて、大人が「泊まっていけば」ってずいぶん引き止めたけど、トモさんが「帰る」って聞かなかった。

「これだけ騒いだから、竹さん今夜熱出すかもしれないから」って。


「大丈夫よ?」ってお姉ちゃんが言ったけど「俺が心配なんだ」ってトモさんに言われたら黙ってた。


 そうしてトモさんはお姉ちゃんを抱っこして玄関まで移動して、お姉ちゃんに靴を履かせたらまたすぐに抱っこした。靴、意味ある?


 お姉ちゃんを抱っこしたトモさんと黒陽さんが並んで、見送りのぼくらに向けてキチンと立った。


「本日は素晴らしい会を、ありがとうございました」

 そう言って綺麗なお辞儀をするふたり。お姉ちゃんはトモさんの腕の中でなんかモゴモゴしてた。


「ではこれで失礼します。おやすみなさい」


「お見送りを」って出ようとした母さんを「ここで結構です」ってトモさんが笑顔で止めた。

 黒陽さんに扉を開けてもらってお姉ちゃんごと外に出たトモさん。


「では、失礼します。おやすみなさい」

 もう一度トモさんが挨拶をして、黒陽さんが扉を閉めた。

 お姉ちゃんが「ありがとう」「おやすみなさい」って手を振ってくれた。

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