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久木陽奈の暗躍 49 『まぐわい』1

 お風呂をいただき頭の先から足の先まで磨き上げた。

 脱衣所にアキさんと千明様が待ち構えていて髪を乾かしてくれた。

 軽くお化粧をしてくれ、香を焚きしめた白の単衣(ひとえ)を着付けられた。


 髪はおろしたまま。

 足元は裸足(はだし)

 その状態で神棚の部屋から少し離れた茶室に移動した。


 茶室の四隅に行灯(あんどん)が灯されていた。

 ぼんやりと薄暗い室内で、アキさんに指示された場所に黙って座った。


 主座様が来られて、額になにやら呪文のような印のような文様を描かれた。

 華のような緋色のワンポイントのマーク。

 神仏に『この者です』とわかるようにするための印だという。


 アキさんがちいさなグラスに入れた飲み物を差し出してくれた。一気に飲み干す。

 続く飲み物も同様に飲み干す。

 それからは無言で、ただ座って待っていた。



 静かだ。

 同じ部屋で私と同じように待機しているアキさんも千明様も一言も(しゃべ)らない。

『神事』にあたって言葉を発することは禁じられている。

 だからただ黙って待機していた。


 襖を閉めていても外の風の音が聞こえる。

 夜の闇がすぐそこに在る。

 不思議なほど落ち着いてそんな空気を感じていた。

 

 トン。

 襖が軽くノックされた。

 事前に打ち合わせたとおりの合図に、アキさん千明様と顔を見合わせる。

 三人でちいさくうなずき、立ち上がった。


 アキさん千明様も今日は巫女さんのような出で立ち。

 白の単衣に緋の袴。

 そのおふたりが私に伊勢の奉納舞で(かぶ)った薄衣を頭からかけてくれた。


 おふたりが襖を開けると、そこには白露様がおすわりで待っていてくださっていた。

 うなずくと白露様もうなずきを返してくださる。

 そうして、のっそりと歩き出された。

 白露様のあとをアキさん千明様が横並びで進み、そのあとを私がついていく。


 電気は一切()いていない。周囲は真っ暗。

 時代劇でしか見たことがない手持ちの行燈(あんどん)をアキさんと千明様がそれぞれ持ち、足元を照らしてくれる。

 

 もう日付が変わるところ。だから竹さんはぐっすりと寝ているはず。

 トモさんもあと三十分は寝ているはずだとタカさんが保証してくれた。

 だからふたりにバレる心配はない。


 す、とアキさんと千明様が襖の前で腰を落とした。

 おふたりの手によって襖が開けられる。

 おふたりはそのままその場で平伏された。


 白露様が部屋に入るのに続いて私も部屋に入る。

 祭壇の前には菊様がおられた。


 部屋の四隅に燭台(しょくだい)が置かれ、蝋燭(ろうそく)の火がぼんやりと室内を照らしている。

 不思議なことに部屋に敷かれた布に描かれた陣がぼんやりと光って見えた。


 白露様がチラリと私を見上げた。『ここ』と指さされた場所に座る。

 祭壇に向かって座られている菊様の斜め後ろ。敷かれた布からはずれた板の間に直接正座をする。


 菊様がチラリと目を向けられたので平伏する。

 菊様は先日お会いしたときの、巫女のようなお姿。

 黄色の袴と千早。領巾(ひれ)をまとい美しく正座でお座りになっておられる。

 頭の天冠が蝋燭(ろうそく)の光を受けてきらめいている。


 蝋燭(ろうそく)という非日常の灯りに照らされた菊様はいつにもまして人形のようだった。

 その美しいお顔でニヤリと笑みを浮かべられた。

 悪の女王のようだった。


 視線を正面に戻された菊様。そこには飾り立てられた祭壇がある。

 榊やお酒やら果物やらお菓子やら、たんまりとお供えがしてある。


 私のすぐ後ろに広げられている布には複雑な陣が描かれている。

 その中心にあるのはフッカフカの敷布団。

 陣のところどころに光っているのは黒陽様が作られた霊玉。

 結界のためと、霊力を集めるため。

 その霊玉も蝋燭(ろうそく)の光を受けてきらめいていた。



 じっと待っていると、再び襖が開いた。

 黒陽様と主座様に先導された晃が入ってきた。


 晃も白の単衣姿。同じように頭から薄衣を被っている。

 額には私と同じ文様が描かれている。

 白露様に座る場所を示されて、黙って私の隣に座った。



 たん、と襖が閉められた。 

 主座様もアキさん千明様も襖の向こうで控えておられる。

 部屋の中には菊様と私達、そして四人の守り役様だけになった。


 守り役の皆様は部屋に広げられた陣が描かれた布の四隅に位置どられていた。

 白露様はいつもどおりの大きな白い虎のお姿だけど、他のお三方はいつもと違っておられた。


 緋炎様は奉納舞でも見た大きな赤い鳥のお姿。

 鳳凰とか朱雀とかいうような、真っ赤で大きな翼を持った美しい鳥のお姿だった。


 いつもは五、六十センチくらいの長さしかないちいさな龍の蒼真様は、成人男性くらいの大きさの立派な龍となられてとぐろを巻いた状態でそこにおられた。


 黒陽様は手のひらサイズの黒い亀ではなく、私でもその背に乗れるくらいの大きな亀になっておられた。


 大きな姿となられた守り役様方は、四方に位置したまま正面の祭壇のほうを向いておられた。



 蝋燭(ろうそく)の火の燃える『ジジジ』という音だけが聞こえる。

 静寂の中、菊様がどこからか鏡を取り出された。


 直径二十センチくらいの、丸い鏡。

 古代のもののようなその鏡をご自分の前に置いた菊様は、深々と拝礼をされた。

 守り役様方も拝礼されたのに合わせて私達も拝礼する。

 そのまま頭を垂れていると、菊様の祝詞(のりと)が始まった。


 名乗りを上げて、私に『願い』があること、それを叶えてもらうために対価としてこれからナニをするのかのご説明をされた。

 だから「お出ましください」と奏上なされた。




 伊勢での奉納舞のあと、すぐに菊様は動かれた。

 式神を駆使し、京都中の神仏や神使、『(ヌシ)』に連絡を取った。

「この日この時間この場所で、こんなことをします」「それは『願い』を叶えてもらうための『対価』」「よかったら来てね」「『対価』に見合うとお思いになられたら協力してね」


 そんなことを周知しまくったという。


 京都に神仏がどれだけおわすと思ってるんですか!?

 それだけでも恐ろしい数になるのに、神使様や『(ヌシ)』様にまで声かけたんですか!?


「アンタも知ってるでしょう?『数は力』よ」

 ……そりゃ、理解できますが。

 そもそもそんな数、部屋に入り切らないでしょうに。

「そこは大丈夫。私の『異界』を展開するから空間は自由にできる。

 それに『神界』と『つなげる』から、現実の空間は関係なくなる」


 ……………。


 事前の説明は腐りきったヲタクでもなかなかついていきにくいものだった。


「ごちゃごちゃとうるさいわね。

 とにかくアンタはやるべきことをヤればいいのよ。

 細かいことは私がやるから。気にせずそっちに集中しなさい」


 最後にはそう突っぱねられ、引き下がった。




 その菊様の祝詞が終わった。

 身体を起こした菊様はどこからかハンドベルを取り出された。

 目の前に置かれた鏡の真上にベルの口がいくように腕を伸ばし、そして。


 リイィィィ……ン。


 涼やかな音が響く。

 身体の中まで清められるような、澄んだ音。


 リイィィィ……ン。

 リイィィィ……ン。


 二度、三度と菊様がベルを鳴らす。

 不思議なことに音が波紋になって広がっていくのを感じた。

 音が波紋になり、あの鏡に反射して、あちこちに広がっている。

 そうしてどこかにつながろうとしている。

 何故か、そんなことが、『わかった』。


 リィィン、リィィン、とベルを鳴らしながら菊様が祝詞を紡ぎはじめた。

 お経のような、歌のようなそれに守り役様達が唱和する。


 声が、ベルの音が響く。

 響きが波紋を作り、陣を成す。

 晃とふたり、ただじっと平伏していると、ふと空気が変わったのが『わかった』。


 ―――つながった。


 天井が抜けた。

 壁がなくなった。

 空間が、『世界』が、変わった。


 頭から被っている薄衣が私を守ってくれているのがわかる。

 胸から下げた竹さんのお守りも、竹さんがかけてくれていた守護結界も私を守ってくれている。

 だから『ここ』に居られる。

 それが『わかった』。


 ふ、と風が吹いた。気がした。

 四隅にあったはずの燭台はいつの間にかなくなり、あたりは暗闇に支配された。

 それなのに『わかる』。

 四方八方から見られている。

 たくさんのモノに囲まれている!


 畏怖に震える。

 平伏したまま身体を動かすことができない。

 ハッ、ハッ、と息が浅くなるけれどどうにもできない。

 ただじっとしていると、隣の最愛が、すう、と息を吸い込んだ。


「―――お出ましいただき、ありがとうございます」


 その声に、す、とこわばりが溶けた。

 私の『半身』。私の最愛。

 そうだ。晃を守るために。

 そのためにここまで来たんだ!


 必死で呼吸を整える。

 その間を取り持つように晃がゆっくりと祝詞を捧げる。

 名乗りを上げ、私が晃の『半身』であること、私に『願い』があること、私の『願い』が叶うことが晃の『願い』であることを申し上げる。


 晃の声を聞いているとだんだんと落ち着きが戻ってきた。

 こちらをうかがう晃にちいさくうなずくと、晃もうなずきを返してくれた。

 どうにか揃って一礼できた。


 続いて私が祝詞を奏上する。

 どうにか腹から声を出す。

 ご挨拶をして名乗りを上げ、『願い』を述べた。

 晃を守りたいこと。

 晃を戦いに向かわせたくないこと。

 そのために京都に『ボス鬼』が出現することを阻止したいこと。


 晃は主座様直属だから、主座様が姫達に協力する以上『災禍(さいか)』との戦いに関わることになる。

 だから晃を長期間戦いにさらさないために、姫達が四人揃っている今代(いま)災禍(さいか)』との戦いに決着をつけたいこと。


 話しているうちに調子が出てきた。

 その勢いのまま、さらに『願い』を述べる。


 このままでは『災禍(さいか)』の『運』に負けてしまう。

 だから、一柱でも多くの神仏の協力をいただき、『災禍(さいか)』を上回る『強運』をいただきたいこと。

 そのために今日この場に数多の神仏にお集まりいただいたこと。


 そこまで奏上し、呼吸を整える。

 晃が息を合わせてくれた。

 最後にふたり声を揃えて申し上げた。


「対価として、ふたり『まぐわい』、霊力を献上致します」




『まぐわい』

 早い話が、性交渉。


 古来からこの国にはそういう風習があった。

 男女が(まじ)わる行為はときによって神と交わる行為とされ、神降ろしの手段となることもあったと聞いた。

 国造り神話でも男神と女神が交わることによって国ができ神々が生まれたとされている。


 なんでも高間原(たかまがはら)でも神仏への『願い』の手段として、性交渉はよくある手段のひとつだったという。


 そういう行為のときには互いの霊力が混じるらしい。

 混じって高められた霊力は、それはそれは神仏に喜ばれるのだという。


 私ひとりの霊力ではとても『災禍(さいか)』に対抗できるだけの恩恵は望めない。

 だけど、属性特化の高霊力保持者であり、伊勢の神々から『火継の子』と愛されているほどの晃の霊力と混ぜるならば。


『願い』を聞き届けていただける可能性は、高い。



 現代において『まぐわい』が奉納されることはない。

 そのレアな奉納が行われるというだけでも聞いた神仏の興味をそそるには十分だった。


 その『まぐわい』を行うのが『半身同士』と聞き、神仏はさらに興味を()かれた。


『半身』は『元々ひとつの(カタマリ)だった』と言われる存在。

 惹かれあい、深く愛し合う『半身』がまぐわったときに混じる霊力は、それはそれは『オイシイ』のだという。


 でも『半身』も現代では(まれ)な存在になっている。

 つまり『半身同士のまぐわい』というのは、現代ではチョーレアなことなのだ。


 しかもそれが伊勢の神々に愛される『火継の子』とその『半身』。

 どんだけレア度を上乗せするのかと大興奮の神々。

 そこにさらに『初めての』がつく。


 超超チョーレア。プレミアもの。伝説間違いなし。


 本来ならば秘匿されるべき『まぐわい』を、伊勢の『火継の子』とその『半身』が行う。

 仮に万が一奉納されるとすれば、その伊勢の神々か、現在の所属の吉野の神々しか見られないはずのものを、今回は自分達も見ることができる。

 そう聞いた神々はめっちゃテンション上がったという。

「是非参加させてくれ!」「何をおいても参加する!」とノリノリで参加表明されたと菊様が教えてくれた。



 そう。

 これが菊様から授けられた『策』。


 私と晃の初体験を、数多の神仏に見せる。

 その行為でふたりの霊力を高め混じり合わせ、奉納する。



 私ひとりの霊力では神々に『願い』を聞き届けていただくにはとても及ばない。

 だけど、属性特化の高霊力保持者であり、伊勢の神々から『火継の子』と愛されているほどの晃の霊力と混ぜるならば、可能性はある。

 吉野や伊勢で献上したように、ふたりの霊力を混ぜ、『願い』を込める。

 実際吉野や伊勢ではそれで神仏に声を届けることができた。


 だけど、そんな『普通の献上』では『災禍(さいか)』に対抗できる可能性は低い。

 実際菊様が五千年神々に『お願い』しているにもかかわらず、あと一歩というところで『災禍(さいか)』に及ばないという。

 竹様も霊力やらなんやらしょっちゅう奉納しているらしいけど、それでも『災禍(さいか)』には届かない。


「だからもう、これしかないと思う」

 あの日菊様はそうおっしゃった。


 現代ではレアな『まぐわい』を、レアな『半身同士』が行う。

 伊勢か吉野で占有されてしかるべき『火継の子』とその『半身』の『初めての』行為。

 レア度を爆上げして一柱でも多くの神仏を集めて、テンション上げまくって神力を上げまくる。

 それしか『災禍(さいか)』を上回る『運』を手に入れる方法はないだろうと。



 正直、「ふざけんな」と思った。

 反射的に「嫌だ」と思った。


 だって、そうでしょ?

 そういう行為を他人に見られるなんて、考えただけで逃げ出したくなる。

 私達の愛を、結びつきを、誰かの娯楽にされるなんて、誰かの酒の肴にされるなんて、ちゃぶ台ひっくり返して暴れても誰も文句言わないと思う。


 でも。

 冷静な部分が冷静に分析をしてしまった。


災禍(さいか)』は望みを叶えるモノ。運命を操るモノ。

 強い望みを持つモノの強い願いを叶えるために、偶然を重ね合わせて運命と結果を引き寄せるモノ。


 そんなモノに対抗しようとすれば、普通の方法では対抗できない。

 今回の菊様の提案ではどうか。

 分析し、検証し――。


 ――『可能性はある』。

 そう、私は判断してしまった。


 それならば。

 晃を守るためならば。

 私が恥ずかしいくらい大したことじゃない!


 古来は性交渉時に他人が立ち会っていた時代もあった。

 ヲタクな私は数多の時代物でそのことを知っていた。

 そう。現代の価値観に縛られているから嫌悪感を感じるんだ。

 価値観を、常識をぶち壊せ! ヲタクの妄想力を爆発させろ!


 そうやって、どうにか飲み込んで、今回の策に乗った。



 私と晃の『初体験』が衆人環視のもと『見世物』になることに、安倍家の保護者の皆様も、守り役様達もココロを痛めてくださった。

 特に生まれたときから私達を育て成長を見守ってくださっていた白露様はヘコみにヘコまれた。

「ごめんねひな」と何度も謝ってくださった。

 同じ女性として、白露様にはつらい手段だった。

 策を発案した姫の守り役として責任も感じておられるようだった。


 でも、『やる』と決めたのは私だ。

 私が私自身の『願い』のために『やる』と決めたんだ。


 衆人環視? いいだろう!

 見世物? 望むところだ!

 その分『対価』をしっかり寄越せ!

災禍(さいか)』を上回る『運』を!

 晃を守るだけの『運』を!!



 ――あの、血の海に沈んだ晃の姿。

 ふとしたときに蘇る。

 あの、鮮やかな赤。鉄の錆びたようなニオイ。虚ろな晃の目。

 思い出しただけで身を裂かれるような痛みに襲われる。


 竹さんの『闇』が迫ってくる。

 あの『闇』が晃を飲み込もうとする。


 竹さんの記憶に『当てられた』ときに『視た』アレは、昔の晃だ。

 ずっとずっとずっと昔。今から四千年前。『能力者排斥運動』なんてものが起こったときのことだ。

 私をかばって斬られた。私をかばって死んだ。

 もうあんなことさせない。晃は死なせない。


 死にかけたトモさん。晃も同じ目に遭う可能性が高い。

 それを阻止するために動いた。あと一歩のところまで行った。

 それでも届かなかった。


 足りなかったのは『運』。

『ホンのちょっと』の『運』。

 それがあれば『宿主』を特定できた。

災禍(さいか)』の居場所を特定できた。

 ならば。


『ホンのちょっと』の『運』を手に入れる。

 そのためにできることがあるならば、どんな手段でも使う。

『私の全部で晃を守る』と決めた。そのために『どんなことでもする』と誓った。

 その誓約は嘘じゃない。


 大丈夫。晃は私を愛してくれている。

 私も晃を愛している。



「叶うならば、ふたりの『願い』を叶えるためにご協力ください」


 そうして、ふたり揃って深く拝礼をした。

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