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心臓にもない、脳にもない。  作者: 高松綾香
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洋服屋の少女と競走

シャラランと鈴が鳴る。来客だ。


「いらっしゃいませ!兎屋へようこそ!」


レイラは元気よくお客様を迎える。


客は長い黒髪を翻しレイラに軽く微笑みかけてから店内へと進む。特に何か目的があるようでもなく何となく目に付いたものを手に取っては元の位置に戻してを繰り返し全体を散策する。


レイラがその様子を何となく眺めていると不意に客が話しかけてきた。


「これ、試着してもいいですか?」


黄色い謎の花の柄の夏らしいワンピースを両手で持ち、その影から顔を覗かせるような仕草で。


あざとい。


「あっはい!どうぞ、こちらに試着室がございます!」


レイラは客を試着室へと案内する。店の隅、間仕切りとカーテンで作られた簡易的な個室へと、カーテンを開き客を中へと促す。客が履物を脱ぎ、中へと入るのを確認すると、御用の際はお声掛けを。と伝えカーテンを閉める。


一連の流れの中でレイラには思うことがあった。


スタイルが良すぎる。髪がサラサラで良い匂いがする。笑顔が素敵。仕草が愛らしい。視線が心を縛る。


つまり可愛い、である。


恋愛という戦争において自分はこの女性に立ち向かうことは出来るのだろうか。競うこととなった時自分は勝つことができるのだろうか。勝てたところで、愛する人を永久に守り抜くことが出来るのだろうか。


答えは否である。


ならばどうするのか。


レイラの出した答えはひどく単純なものであった。

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