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真っ白

作者: 肉球

暗闇を手探りで歩いているようだと思う。

目の前に闇しか見えない。

何か音が聞こえる。

僕を殺そうとする雑音だ、息をするのも苦しい。

もう嫌だ逃げたい。

何もない何処にも何もない。

「闇が怖いの。」

真っ白な少女が聞く。

「怖くない、いや怖い。」

どっちだか分からない。怖い怖い。

空気が白く染まる。

無菌の部屋で少女は言う。

「誰、あなたは誰。」

「誰なの。」

彼女の顔は見えない。

顔が見えない。

朝目覚めると何もない僕の体も何もない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 恐怖感が一転、はっとしますね。
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