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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第一章
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柳川くんと月原くん ~4~

柳川君と月原君の話です。

~柳川君~


うちの陸上部は近隣の中学校と合同合宿を行っている。

今年も合同合宿を行ったのだが、いつものように専門毎に分かれた時に

ハードルに参加する人数が例年以上に人が多かった。


「ごめんね、こっちが希望者が多くて。」


謝ってきたのは浅海さんという同級生の女の子で、

1年生の時から話す仲である。


だけど・・・


「浅海さんって幅跳びだよね?何でハードルの方に来てるの?」


「ああ・・・ええっと、今年はハードルも少し勉強したいかなと思ってね。」


「そうなんだね。ハードルのことなら教えれるから何でも聞いてくれよ。」


「うん、ありがとう。」


浅海さんは幅跳びの県の強化選手である。

そんな彼女が何でハードルに来たんだろうか?

夏の本番を考えると専門の幅跳びを練習した方がいいと思うのだが・・・

そんなことを考えていたのだが、考えを遮るものが現れる。


「「「3日間宜しくお願いします!」」」


浅海さんの学校側のハードル選択者たちだ。

男子3人に対して、女子が16人である。

しかも女子全員で22名しかいないのにである。


「実は・・・柳川君を狙ってなの・・・。」


コッソリと困ったように浅海さんが俺に教えてくれた。


「それは申し訳ないことしたね。」


ここまで僕が魅力的だったとは・・・

いや、魅力的なのは自覚していた。


今日もこの髪型に1時間をかけた成果かもしれないけど・・・


いや、そもそもの魅力か・・・


そんな時に気づいてしまった!


浅海さん・・・


それでハードルを・・・


彼女は今年の夏が3年生であるため最後の中学校生活だ。

そして最後の合同合宿になるのだから・・・


僕と最後の合宿を過ごしたかったのか・・・


ごめんね、すぐに気づいてあげればよかったのに。

今回は僕の頭の回転が悪かった・・。



先生方がハードルチームに来た時に人数の多さに苦笑して、


「どうしますか村西先生・・・。」


「ちょっと多すぎなので2つに分けましょうか?

 柳川!・・・あと月原、お前たちで半分をみろ。

 それと柊!お前が残りをみるようにしろ!」


先生の指示のもと2チームに分かれて練習をするのだが、

なぜか浅海さんは柊君のいるチームに行っていた。

ただ、その理由もすぐに気づく。


後輩のためか・・・


しっかりしたいい先輩だな。


結局浅海さんとは最初に話したっきり、話すことはなかった。


ただ、視線には度々入っていたので、

やはり本心ではこちらに参加したかったのは伝わったのだが・・・。


2日目、3日目も結局浅海さんとは話すことがなかった。


少し気になったのは、

柊君と浅海さんがお揃いのジャージとTシャツを着ていたところだが・・・


彼らが着ていたのは県の強化選手がもらえるもので

背中には県名が刻まれているものであった。


柊君が今まで着たところを一度も見たことはなかった。

ああいうのに縛られるのが嫌いらしい・・・

その考え方がなんだかカッコいいので、僕もいただくことにしよう。


今回は村西先生からの指示で、渋々着ていたのを知っているので

たまたま浅海さんとお揃いで着ていたんだろうな。


浅海さんが、


「お揃いだね、柊ちゃん!」


楽しそうにそんなことを言っていたのは

きっとお互い嫌々ながら先生命令で着ているので、

少しでも楽しむ要素を探しているんだろう。


いや・・・違うか!


僕に聞こえるように嫌々なんだよといっているんだな!!


そんなこと気にもしなくていいんだよ、浅海さん。

それくらいで僕は誤解何ってしないからね。




~月原君~


浅海さんの件は、決して柳川狙いではなかったのをまず初めに断言しておく。


ハードルのグループに来たのは間違いなく柊狙いだろう?


その証拠に、柳川と柊のグループ分けになった時に。

当初は柳川グループにいたのを、先生に直訴していたのを見ただろう?


「柊君のグループがいいんです!!

 じゃないと、先生の先輩が顧問をしている高校に入らないです!!」


・・・先生を脅していたじゃないか?


それなのに、その光景を見なかったことにして、

残念だとか言わないでほしい。



それでもちょくちょく、柊のグループに理由を付けて行くものだから、

柳川の姿を見るたびにため息をつかれていただろう?


毎回毎回、休憩時間の度に柊と話している浅海さんの間に入るのは、

周りのみんなもドン引きしていただろう?


だから、初日は柳川に惹かれて参加した女の子達もその日の夕方には

見限っていたじゃないか・・・


残念イケメンとか、心が狭すぎって陰口叩かれていたの聞こえていただろう?



あと、柊から無理やりジャージを借りて、

県名の入ったジャージを着て、皆にアピールしてもいいけど・・・


自分のモノでないし、そんな自慢げに着ても失笑しか買ってなかったからな!


いつも通りの白一色でも十分イケメンなのは認めるので

そのままでいて欲しい・・・。


あ!?そっちで自慢げに着て歩くな!!


そこは県の強化選手の団体だ!!

ほら!向こうが誰の?って言ってるじゃないか!!!


いや、決して、このイケメンは誰の?っていう意味じゃなくて、

見知らぬ奴が強化選手のジャージを着ている人を見て、

誰かの無断で着ているじゃないかと思ってるだけだからな!!


それとそのイケメンは誰のっていう内容での、“誰の?”っていう解釈は

俺でも理解するのに時間が掛かった。

たぶん、俺以外では誰も理解できないから、そんな理解はしないようにしてくれ!


それと・・・


一時間おきにTシャツを変えるのはやめてくれないか?

別に半日ごとにシャワーを浴びるのはやめろとは言わないが、

そのTシャツを洗う後輩たちから、クレームが着ている!


何で一日で10枚以上着替えてるんだよ!!

そもそもひどい場合は、元々汗をかいているんだから

その上から着れば汗で張り付くのは仕方がない!!


・・・分かった、俺が洗っておくから・・・


泣かなくていいぞ後輩たち!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。


修正

 誤字・脱字の修正を全体的に行いました。

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