平田くんと山口さん ~2~
勘違いの後輩平田君の話です!
そして可哀想な幼馴染の山口さんも出てきます。
朝から山口が俺に話かけてくる・・・
いつも俺と同じ時間にわざわざ家を出てくるくらいに
俺のことが大好きな山口からの挨拶を無下に出来るわけがない。
「おはよう、山口!いい朝だね。」
今日は一段とみんなの視線を集めていたので、清々しいほど気分がいい!
いつもの3割増しくらいの笑顔を振り向けただろう。
挨拶をした後は、山口はいつも無口になる。
山口はどうやらあまり話すのが得意ではないようだ。
そんな山口にも関わらず俺に勇気を振り絞って話しかけてくるとは・・・
それなら俺が話題をふってあげるよ!!
「そう言えば、山口は陸上部には入らなかったんだな。
せっかく中学校で頑張っていたのに止めてしまうのか?
もったいないと思うが・・・。」
「・・・。」
「ちなみに俺は陸上部に入ったぞ!
一個上には、うちの中学校の時にいた柊がいるぞ。」
「・・・。」
「覚えてないか?
う~ん・・・やっぱり俺くらいのイケメンじゃないと記憶に残らないのかな・・・。
一応、俺達が一年の時には、3年の柳川、2年の柊、1年の俺とイケメン兄弟って
言われてたんだけどな~。
学校を代表するイケメンが陸上部各学年揃っている!って騒がれていたのも覚えてないか?」
「・・・駅に急がないと電車くるわよ。」
「!?もうそんな時間か!!」
時計を確認すると確かにギリギリの時間になっていた。
・・・いったいどこでそんなに時間を費やしたのだろうか?
だがしかし!!
俺はどんな時でも走るわけにはいかない!!
この姿をキープし続けねば、俺を見ることを楽しみにしている女子達を
ハッピーにさせることができないじゃないか!!
「私は先にいくから。」
そういって、颯爽と走っていく山口。
やっぱり・・・
あいつの走っている姿はものすっごく魅力的だな・・・
見ほれてしまう姿だ・・・
俺の視線は山口に釘付けとなってしまう。
は!!
いかんいかん!
俺も駅に向かって急いで歩いて行かねば!!
・・・
セーフ!!
本当にギリギリ!
ギリギリ、電車の扉が閉まる前に乗れたよ!!
乗れたと同時に電車内をグルリと視線を向けて・・・
お!いたぞ!!今日はそっちか山口!!
俺は山口を見つけて、そちらの方向へと歩いて向かい、山口の隣に座るのであった。
・・・今日も私が玄関を開けたと同時に、
斜め向かいの平田の家の玄関が開き・・・
平田が出てくる・・・
・・・バッチリ目線があったのに、気づいてないって顔をしても無駄だろうに・・・
どうせ、玄関のところで私が家から出てくるのをひたすら待っていたんだろう!!
私が時間を早くしたり、遅くしたりしても必ず私が扉を開けると
平田も玄関の扉を開けてくる・・・
どうにかしてこの呪い解けないかな?
もしくは、両親がどっか別の所に家を買って、
そっちに引っ越しをしないかな?
いや、一番いいのは平田が宇宙人にでも攫われたりしないかな?
それか神隠しにあってくれないかな?
・・・はぁ~、そんなありえないことを願っても仕方がないわ・・・
どうせ、あのバカは偶然を装って、自分では気づいてはない体で
私が話しかけるか、追いつくまでは話しかけて来ないんだし・・・
あいつと話さなくていいように切に神に祈って家からでたのに・・・
神様の馬鹿野郎!!!
とりあえず、用件を伝えたので、もう平田と話すことはないはずなのに・・・
っていうか、私の醸し出している空気を読めよ!!
私が同意も何も返事を返さないのになんでひたすら話しかけてくるんだよ!!
し・か・もだ!
何をシレっと自分をイケメンの中に並べてるんだ?
3年の柳バカ・・・間違えた・・・柳川先輩
2年の柊先輩・・・
その2人はイケメンだったのは認める!
だけど、お前はこれっぽちもイケメンじゃないからな!!
同列に勝手に入ってきてんじゃねえよ!
・・・ある意味柳バカ先輩とは同列かもしれないけど・・・
っていうか、陸上部のイケメン3兄弟は私も知っているけど、
私達の同級生の1年は高原君であって、あんたじゃない!!
高原
平田
名前にもどこにも被る要素がないのに聞き間違えたか?
ああダメだ・・・朝から怒りでどんどん疲れがたまってきてしまう。
それにあのバカのせいで余計な時間を使ったせいで、
電車が来るギリギリの時間になってしまった。
「私は先にいくから。」
そう告げて私は1人走り出したのだ。
・・・最初からこうすればよかった。
どうせ平田はどんな時でも走らないから、最初から走って駅に向かえば、
私の貴重な時間を無駄にしなくてすんだんだ!
案の定、後ろを見るとまだ歩いている平田。
今度から走ろう。
そうすればあの災厄から逃れられるわ。
走ったおかげで何とか電車が来る前にホームに着けた!
息を整えつつホームに降りて、私はいつも乗る電車の車両の前までいく。
どうしても朝の時間帯は他の学校の生徒や通勤客がいるため
前の方の車両は全然空いていない。
なので、座れる車両に行くのだけど・・・
電車が来て、車両の中に入ると結構色んな所が空いていた。
ラッキー!
私はその中かから乗り口から遠いい席を選んで、
すぐに寝たふりをするのである・・・
来るな・・・
来るな・・・
神様お願い!!!
・・・また神様に裏切られた・・・・
私そんなに日頃の行いが悪いですかね!!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




