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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
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鳥谷(妹)さん ~4~

誕生日プレゼント・・・妹からもらった記憶がないな・・・

「本当にここでいいのか?」


「はい、お兄様と一緒にここでご飯が食べられることが嬉しいです。」


俺と妹は、妹の希望で百貨店にあるとあるご飯屋さんに来ている。


食べ放題で2000円ほどのお店であり、

ふつうに食べ放題としては安いお店なんだけど・・・


まあ、妹が嬉しそうにしているので良しとしよう。



「お兄様は座っていてくださいね。」


そう言って、妹がなぜか料理を取りに行こうとするので、



「いやいや、今日はお前が主役なんだから、

 ここに座っておくといいよ。

 何か食べたいモノの希望はある?」


「お兄様が選んでくれたものが食べたいものです。」


そういって、微笑む妹・・・



「そっか・・・分かった・・・。」


今日は一段と重い気がするのは気のせいだろうか・・・


俺はお皿に妹が好きそうな野菜料理や魚料理を少しずつお皿に盛り、

届けると・・・



「わぁ~、キレイに盛り付けられてます!嬉しいです!お兄様!」


目を輝かせて喜んでくれるので、

良かったんだろう・・・


その後も自分用の更は肉などを中心にてんこ盛りで持って行き、



「じゃあ、食べるか。」


「はい!!」


こうして兄妹での食事が始まったのだ。


俺が言うのもなんだけど・・・


キレイに食べる妹だ!


それに対して俺は・・・


自分で言うのもなんだけど、ゴリラだな!


ガツガツと食べて、すぐに次を盛りに行く俺に対して、

一品一品丁寧に食べていく妹。


食べ終わると次は自分で選んできますというので、

その言葉に従ったのだが・・・



「お兄様が好きそうな料理がありましたので、取ってきました。」


「こちらもお兄さんが好きそうな料理だったので・・・。」


「お兄様・・・。」


以下同文!!


結局この後は俺は一度も席を立つことなく、

妹が持ってきてくれる料理をひたすら食べ続けるのであった。



「食べてるか?」


俺ばっかり食べているようで、ふと妹を見ると手が止まっていたので、聞いてみると、



「食べてますよ。あ、それ欲しいので一口いただけますか?」


「ああ、いいよ。」


そういうと・・・


次の妹の行動は・・・


目を閉じて口を開けるのであった!?



「ちょ、ちょっと待て!さすがにそれは・・・。」


「・・・ダメですか?」


俺の言葉に妹は目を潤ませて俺を見てくるのであった・・・


ううう・・・そんな目で俺を見るんじゃない!!

ついに耐えれなくなった俺は、



「今日は誕生日だからな・・・。」


そう言って、妹の口に一口分を運ぶのであった。


あーんとする妹の口に入れると・・・



「美味しいです。」


満面の笑みで嬉しそうにする妹。

・・・確かに可愛いけど・・・


そんな俺達のやり取りを見ていた、近くに座っていたカップルが、

小声ではあるが、



「・・・あれってやっぱりカップルなんだよな?」


「そうよね・・・・けど、釣り合ってなくない?」


「女の子はすんげーかわいいけど、

 男がブサイクすぎっしょ。」


「だよねー。」


・・・聞こえてるんだけどね!!


確かに俺はイケメンじゃねえよ!!


だけど、お前たちだって言うほど美男美女ってわけじゃないだろう?

まあ、仕方がない・・・妹は確かに美女にだし、

その横の俺はお世辞にもイケメンではないし、確かに野獣だからな・・・


納得できる部分もあったので、俺は仕方がないな・・・


そう思っていたのだが・・・


あれ?


気がついたら目の前にいるはずの妹がいない!?


いったいどこにいるんだ?!


そう思っていると・・・



「そんなに釣り合ってないですか?」


何と妹は、先ほど俺達のことを言っていたカップルの横にいるのである!?


何でこいつ!?

しかもめっちゃ切れた時の笑みを浮かべているし!!


その顔の笑みは冷たい冷気を帯びた笑顔である。

俺は慌てて妹の傍へと向かう。


最初は驚いて固まっていたカップルであったが、

すぐに正気に戻ると、女の方が立ち上がって、

妹へ威嚇を始めるのであった。



「何よ!本当のことでしょう!」


その頃には俺も妹の傍にたどり着いていた。

俺の姿を見ると、さすがの女も顔を引きつらせるのでああった。


俺の身長は183センチ、体重は95キロである。

ちなみに体脂肪率は9%の一桁台。


もちろん、胸を動かすことは出来る。

そんな俺が目の前に立ったのだ、女は俺を見て怯えたまま、

その場に座り込んでしまうのであった。


男の方は立ち上がって何かをしてくるかと思ったが、

そのまま立ち上がることなく、むしろ俺達に視線を向けることは一切ないのである。



「迷惑をかけたな。」


俺はその言葉をカップルにかけて、妹には、



「ありがとう。だけど、彼らが言うことはもっともだと思うぞ。」


「そんなことないです!お兄様ほどの男性はおりません!!」


・・・身内びいきでの言葉でも嬉しいモノだな・・・



「ありがとう、だが、気にしてないんだから・・・。

 今日はお前の誕生日だ、楽しく食事をしよう。」


そう言いながら俺は妹の手を取り、席へと戻る。

その行動に妹は頬を赤く染めて、



「・・・はい・・・。」


消えるような声で返事をするのであった。


間違いなく妹を興奮させてしまう行動なのはわかっているのだが、

ここで、この行動をとれば無事に妹を席にまで連れていけるはずだから

俺は恥ずかしいのだが、その行動をとったのである。


功を奏したな・・・


妹はその後は俺しかみることなく、

その頬は熱を帯びたように赤くなっていた。

そして、上目遣いに俺をジッとみてくるのであった。


・・・ちょっと効果があり過ぎたかもしれない・・・


少し反省をしたのは言うまでもない。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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