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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
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鳥谷(妹)さん ~1~

鳥谷先輩の妹さんです!

「鳥谷さん・・・入学式で会ってからずっと好きだったんだ!

 だから、俺と付き合ってくれ!!」



そういって、学年一と言われるイケメン男子が

頭を下げて私にお願いをしてくる。


その姿は凛々しくて、真っ直ぐ私を見つめてくる・・・


だけど・・・


まったくときめくことはない・・・


だから、私の答えは決まっている、



「ごめんなさい。」


そう伝えて、私はその場から去ろうとするのだが、



「待ってくれ!俺のどこが駄目なんだ?教えてくれよ!」


そう言って、私の腕を掴んできたのであった。

その手をゆっくりと払いながら、



「ごめんね、私の理想はお兄様なの。

 あなたは全くお兄様とは似てないし、

 お兄様と比べて、どうしても見劣りしてしまうから。」


「・・・お兄さん・・・。」


どうやら私のお兄様のことを知っているのだろう。

その目には少しおびえたような色合いが浮かんでいた・・・


私のお兄様は同じ高校の3年生にいる。

そして有名人である・・・


お兄様なら当然だけど・・・


陸上部に入っているお兄様は、ボディービルダーを彷彿とされる肉体を持っている。

学校でも一、二を争う肉体を持つお兄様・・・


毎朝、その肉体を自分の部屋に置いてある鏡で

15分ほど細部にわたってチェックしている。


・・・え?どうして知っているかって?


私の部屋とお兄様の部屋は隣同士で、

たまたま一部の壁に穴が開いているから、

そこから毎朝私は覗い・・・お兄様の姿を確認してるのです。


その全身の確認が終わると、洗面台に行きます。


ここで私は、たまたま同じタイミングで廊下に出るため

毎朝「おはよう」の挨拶をしております。


こんなにタイミングが合うなんって・・・


お兄様は、



「やっぱり兄妹だな~。」


と言われますが、私からすれば、



“愛”


それ以外の言葉は全く見当たりません!


その後、一緒に洗面台、食事を済ませて、一緒に登校するのです・・・。


はぁ~!同じ高校を選んでよかったです!!

一緒に登校できる何ってなんって朝から幸せなんでしょう!!



「おはよう。」


「おはよう、入河ちゃん。」


いつも私が登校するタイミングで、入河ちゃんと出会い、



「今日も鳥谷先輩と一緒に登校したの?」


「ええ。兄妹だから。」


そう言うのだが、私の心の中では。


“愛し合っている2人だから、いついかなる時でも一緒にいるの”


そう言いたいのだが、この世の中の兄妹に対する偏見はひどいから

私はその言葉をグッと我慢しながら入河ちゃんと話しながら教室へと向かうのであった。


これが私の朝からの流れである。



お兄様を校内で有名に押し上げているのは、その肉体美だけではなく、

部活動での成績もさることながら、その頭脳によるところが大きい。


常に学年で5位以内に入っている成績!


それをこの3年間、キープし続けている!!


その成績であれば十分に国立の最高峰である関大学を狙えるほどの実力である!


先生の中でもお兄様を知っている先生が、

私達一年生を教えてくれる授業もあり、



「鳥谷君は学校始まって以来の秀才だ!」


そう言って、お兄様をほめているのを聞くたびに、

私の心は小躍りを始めるほどである・・・


以前にお兄様に、



「お兄様の成績に私はいつも誇りを感じております。」


そう伝えると、



「お前もすごいと先生がほめていたよ。

 俺もそんな妹がいて鼻が高いよ。」


そういって、お兄様をほめたはずなのに、気がつけば私をほめてくれるお兄様・・・


はぁ~、何と優しき心なのでしょうか・・・



陸上の成績に関しては、あの肉体美をもってしても、早く走るのは少しだけ

他のメンバーに比べて一段見劣りしてしまいますが、

投擲に関しては他のメンバーよりも優れた成績を出しております。


特に槍投げに関して言えば、県でも屈指の実力の持ち主です!!


そして、その投げる姿の美しさと言えば、

余りの神々しさに輝いて見えます!!


私はお兄様の試合の度にカメラを持って、

その雄姿をしっかりとカメラに収めております。


当然、写真としても一眼レフカメラを持って行きますので

何千枚と納めております。



私は高校に入ると当然、お兄様を慕って、陸上部へと入部しました。


ただ、ここで考えたのは同じ部員として一緒に練習すると、

どうしてもお兄様の凛々しい姿を見逃してしまう可能性があるのです・・・・


それはいただけないので、私はマネージャーになることを選びました。


こうすればお兄様を献身的に支えることが出来て!

更にはお兄様の姿を見逃すことなく追えるからです!!


更にこの部活のいいところは、常にビデオカメラを回しているため

お兄様の姿を毎日録画できるのです!!



「鳥谷・・・とりあえず、お前の妹の暴走を止めてこい・・・。」


その手に握られている一眼レフカメラは

常に俺の姿を撮り続けているのはわかっている・・・


松山から言われるまでもなく・・・な・・・


だけど・・・たぶん、俺が何を言っても止まらないんだろうな・・・



「妹よ、その手に持っているのは?」


「はい、お兄様、一眼レフカメラです。」


「いや・・・それは分かってるんだけど・・・。」


「?そうですよね、お兄様ほどの方が分からないっということはないと思いますが・・・。」


「何を撮ってるんだ?」


「お兄様以外何を撮る必要があるんですか?」


・・・ここまでは想定内だ・・・


ここで、


「それは嬉しいんだけど、そうやって撮ると他のメンバーまで写ってしまうだろう?

 それはやっぱり気分がいいものじゃないよ。

 考えてごらん、必死で自分が走っている姿を撮られるって、

 やっぱり気分の良い物ではないからね。」


「お兄様・・・。」


ショックを受けたような表情をして、下を向いてしまう。


ちょっと言い過ぎてしまったのだろうか・・・

ただ、俺の言葉がどうやら聞こえたのはイイことだ。

これで、この写真は・・・



「何って人思いの方なのですか!!

 私、その心遣いに感銘しました!!!」


「・・・はい?」


「そうですよね・・・。

 お兄様のおっしゃる通りです・・・。

 自分の見苦しい姿を撮られたいとは思いませんよね・・・。

 お兄様は完璧ですから、走られてる姿はまさに神!

 その姿に比べると、虫のようなそんざいですよね!

 虫の存在まで気に掛けるとは・・・


 分かりました!!


 お兄様しか映らないように頑張らさせていただきます!!」


・・・その決意を翻すだけの俺には気力はなく、

ありがとうっと返すのが精一杯であった・・・


とりあえず、これで他の部員には迷惑はかからないのだから、

松山には許してもらおう・・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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