表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
67/201

鳥谷くん ~3~

元々、松本に対して、本村は協力的で意外と2人っきりにさせてくれたりもしてくれていたのだが、

ここに柊も加わってくれたことでより一層、松本と触れ合える時間が増えていった。


とある県大会で、付き人をする際にも



「本村先輩、僕不慣れ何でお願いできますか?」


「うん、いいよ。」


こうして本村と柊が消えていき、ハードルをやっているメンバーだと松本と俺が残ってしまい、



「しかたねえ・・・筋肉隆々で我慢しておくか・・・。」


「いやいや、何だ、そのしゃあなし感は!!」


「いや、そりゃ~そうだろう!女子の付き人の方がいいに決まってるじゃんかよ!

 まあ、柊は高校1年生だから不慣れだろうし、本村さんが付き人した方がいいだろうからな。」


「へぇ~、ちゃんと柊のこと考えるんだな。」


「当たり前よ。これでも先輩だからな。とろこで鳥谷・・・。」


「・・・何だ?」


この間を開けて聞いてくるとバレたんじゃないかと焦ってしまうのだが・・・



「柊の飲み物に下剤入れてきてくれないか?」


思わずその言葉にずっこけてしまいそうになるのであった。



「・・・どこが後輩思いなんだ?」


「馬鹿!後輩だと言ってもあいつは憎き敵だ!!

 俺は人事を尽くして天命を待つタイプだからな!

 俺が出来ることはすべてやるんだ!!」


「・・・それが毒を盛ることだと?」


「そうだ!これが出来ればかてる予感がする!!」


「それで勝って嬉しいか?」


「ああ!当然だ!何にしろ勝ちは勝ちなんだからな!!」


「・・・。」


松本の言葉に呆れてモノが言えなくなるのだが、

それでも俺は松本の傍からは離れることはなかったのであった・・・。





「ぐふぅ!?」


俺はその真実を聞いた時、足元から崩れ落ちていくのであった。


・・・た、立てない・・・


それほどまでのショックを俺は受けているのであった。



それは放課後、松本と共に部活に向かう途中であった。

俺と松本が歩いているところに1人の女子が近づいてきた。


それを見た松本は、



「鳥谷、先に行ってててくれ。」


「お、おう。」


気にはなるのだが、先に行っておいてくれと言われたので行く。

その途中で・・・



「鳥谷君・・・。」


もぞもぞとした感じで本村が現れたのであった。



「どうした?」


「ちょっといいかな。」


「おう。」


そういって、俺は本村の後ろをついて行き、

校舎の一角、人気のない所へと案内されるのであった。


普通の人なら、本村にここに連れて来られたら告白される!?と思ってしまうかもしれないが、

俺はそうはならない。


俺がゲイであることを本村が知っているのだから。

そして・・・


本村は柊を好きなことを逆に俺が知っているからだ!


そんな俺達がある一角で止まる。



「あのね・・・。」


言い難そうにしている本村、



「どうした?」


その俺の言葉に意を決したのだろう。

俺の方へと顔を向けて、



「松本君に・・・


 彼女が出来たよ。」


・・・


うん?


何か言ったかな本村は?


よく聞こえなかったのだが・・・



「松本君に彼女が出来たよ。」


松本に・・・


彼女?


・・・


「ぐふぅ!?」


俺はその真実を聞いた時、足元から崩れ落ちていくのであった。


自分でもわかる。

全く足に力が入らないのだ。

そして、今まさに燃え尽きたように真っ白になっていることだろう・・・



「だ、大丈夫?」


心配そうに声をかけてくれる本村だが、

その言葉に返す言葉が出てこない。


だが・・・



「そ、それは本当か?」


「うん・・・


 だって・・・


 彼女は私の友達だから。」


そう言いながら、俺にスマホを見せてくれると

そこには・・・


「ぐはぁ!?」


更に俺にダメージを与える写真が目にはいるのであった。


よくバカップルがやるお互いの手でハートを作るプリクラ・・・


男は松本で、女子の方は本村の友達なんだろうな・・・



「俺・・・


 今日は部活休むは・・・。」


その発言をした時だった。



スパーン!!


何かが俺の頭を見事なく叩くのであった。


そちらの方向を見ると、



「はいはい、馬鹿言ってないで部活に行きますよ。」


そう言って、俺を引っ張り出す柊。



「本村さんから連絡受けたんでね。」


俺がどうしてここにと聞こうとしたら、先に柊が応えてくれるのであった。



「さあ、とっとと部活に行きますよ。」


「・・・いやだ・・・。」


だって俺はそんな気分ではないのだから・・・

そんなことを思っていると、



スパーン!!


また頭を叩かれるのであった。



「そんな乙女みたいなことを言われても気持ち悪いだけ何で。」


そしてしっかりと俺の襟をつかんだtかと思うと、

ズルズルと引っ張り出す柊。



「だけど、こんな気持ちで・・・。」


「はいはい、とりあえず体を動かしてください。」


有無を言わさずに俺を引っ張る柊だった。


部活に出れば嫌でも松本の顔を見なければならないし、

どんな顔をしていいのか分からないのだが・・・


だけど、そんな状況でも許してくれることなく、引きずりまわす柊。


これが良かったのだろうか・・・


俺は結局普通に松本と接することが出来たのであった。



「これを狙ってか?」


柊に尋ねたら、



「日にちが経つとどう接していいかわからないでしょう?」


「・・・それは経験論?」


「そうですよ。」


「・・・いろんなことを経験してるんだな・・・。」


「ええ・・・本当に・・・。」


どこか泣きそうな顔をする柊。

何かつらい過去でも思い出したんだろうか・・・



「ありがとう。」


「どういたしまして。」


こうして俺の恋は終わりを告げるのであった・・・。


その後も高校生活では松本を好きなままでいるのだが、

結局思いを告げることはなかったのだ。



高校卒業後、実田大学に入学するのだが、

そこでステキな出会いがあった。


幸せで、楽しい、そして辛い思いをさせられた思い出だ。


大学卒業後、1年後に・・・



「・・・柊!?」


俺は目を見開いて驚くのだ。

何と俺の会社に柊が入社してきたからだ!!!」


思わず俺が抱き着こうとすると、


ガシ!!


右手で俺の顔を鷲掴みする柊。



「お久しぶりです。鳥谷先輩。」


「・・・久しぶりに会った先輩にとる態度ではない気がするけどな・・・。」


「身の危険を感じるので。」


俺はこの後10年以上柊と一緒に働くことになるのであった。


励まされて、奮い立たされたりと結構手荒なところもあったのだが、

いい後輩を持って俺は嬉しいぞ柊!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ