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柊君へ ~Another Story~  作者: Taさん
第二章
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鳥谷くん ~2~

鳥谷先輩カミングアウト!

「鳥谷先輩のマッサージですか?嫌です。」



それは明日に迫った試合に向けて、前日にマッサージをする部活の決まり。


明日試合に出るメンバーはちょうどマッサージを受けている最中で、

調整をギリギリまでしていた柊に対して、手が空いてるのがちょうど俺であったため

柊をマッサージしようと思ったのだが・・・



「何で嫌なんだよ?」


「だって・・・


 貞操の危険があるじゃないですか。」


「!?!?!?」


言葉にならない声が出る

口をパクパクさせている俺に対して、それ以上何かを言うこともなく

近くにいたマネージャーの本村に声をかける柊。



「マッサージお願いできますか?本村先輩。」


「うん、いいよ。」


そう言って、柊はマットに横になりマッサージを受けていく。


そんな時だった・・・


俺の秘密を知っている本村が・・・



「ねぇ柊君。」


「はい?」


「知ってるの・・・


 鳥谷君がゲイって?」


「ええ、知ってますよ。」


本村が飛んでもないことをサラリと暴露したかと思ったら、

柊もサラリと返す!?


ど、どうなってるんだお前たちは!?


俺は空けた口がふさがらない状況で柊と本村を見つめるのであった。


本村の母とうちの母が仲がいいため

昔から本村のことは知っている。


そして・・・


俺が小学校の時、男が裸の本や絡み合う本を俺の部屋で発見されて

本村にはバレている・・・というか、高校で同じ高校になるとは思ってもみなかった・・・


しかも同じ陸上部に入るとは・・・


だからと言って、本村が俺を好きで陸上部にいるわけではない。


去年マネージャーとして入ったのは、

男子が苦手な本村が、それを少しでも克服するように考えて、

陸上部だとかなり男臭くないという理由で入ってきたのだ。


俺は元々中学校の時から陸上部であったため入ったのだが・・・


そんな本村ではあるが、意外と柊とは仲良くやっている。


というか、こんな風にマッサージをするまでの関係に

なっているのに驚いているくらいなのだが・・・


おおっと!


話がそれた!!


それよりも本題だ!!



「そもそも何でそんなカミングアウトしたんだよ本村?」


そう!これで柊が知らなければ完全にとんでもないカミングアウトじゃないか!!



「え?だって・・・柊君は知ってそうだったから・・・


 鳥谷君が・・・


 松本君のことを好きなことを。」


「!?」


俺はそのことに驚きを隠せない。

というか、なぜ本村が俺が松本を好きなことを知っているのだろうか!?



「いや、なんでそのことを本村が知っているんだ!?」


すると柊と目を合わせる本村。

そして・・・


「「バレバレ」」


「はうぅ!?」


見事に練習したかのように2人でハモってくる!

そして、その言葉が俺の心に突き刺さってくるのであった・・・



「な、なんだと!?」


「その反応がバレバレだよ。」


「!?」


た、確かに本村の言う通りだ・・・

俺のこの反応だと分かってしまうような気がする・・・


え!?



「もしかして・・・松本も知っているのか!?」


「さすがに知らないんじゃないかな。」


「・・・じゃあ、なんで柊は知っているんだ?」


「バレバレだからじゃないですか?」


「・・・。」


そんなにバレバレだったのか・・・


いや、だけど、さっき本村は松本は気づいていないっと言っていたのだが・・・

他の連中も気づいていないのではないだろうか?



「恋する乙女の目で松本先輩を見てますからね。」


「そ、そんな目なんかしてないわ!?」


「単純に気づいてないだけでしょう?自分のことだから。」


「・・・。」


俺・・・そんな目になっていたのか!?

言われて割とショックを受けてしまう。


ここでふと疑問に思うことがある。


本村は元から知っていたのだから分かるのだが、

柊だ!!こいつが何の反応もしないのに驚いてしまう!!



「柊・・・お前・・・どう思ってるんだ?」


「?どういうことですか?別に俺は普通に女好きですからね。」


「いやいや、俺が・・・


 松本を好きだと知って?」


「別に特に何も変わりませんよ。」


「ホントか!?」


「ええ。」


「気持ち割るいと思わないのか!?」


「ええ。」


「だって、男が男を好きなんだぞ!?」


「ええ。」


「ホントにどうも思わないのか!?」


「ええ。

 あ、そこのあたり筋肉痛があるんで優しくしてください、本村先輩。」


「うん、わかった。」


「いやいや、俺の話を聞けよ!!」


「聞いてるじゃないですか。」


「なーに、本村にお願いしてんだよ!!

 こっちは真剣な話をしているのに!!」


「別にどうも思ってないんで大丈夫ですから。」


「ホントにホントだな!」


「ええ。」


気持ちよさそうにマッサージを受ける柊。

本当にどうも思ってないのだろうか・・・


そもそも男を好きだっていう話を聞いてこいつはどう思っているんだろうか・・・



「男を好きだと聞いてどう思った?」


「特にはないですよ。」


「どうしてだ?!だって男を好きなんだぞ!!」


「いや、だって・・・


 僕が狙われてるわけじゃないので。」


「・・・もし狙われたら?」


「全力で拒否させていただきます。」


「・・・あ、そう・・・。」


何だか肩の力が抜けてしまう。

こいつはこんな奴なんだろう。


自分に関係がない所だと性別とか好みとか全然気にしないんだろうな・・・

何だかそんな簡単に割り切っている柊に思わず笑いが止まらない。



「そっか、そっか・・・・。じゃあ、まあ、安心だな。」


「何がですか?」


「いや、お前がこのことを誰かに漏らすんじゃないかと思ってな・・・。」


「はぁ~、別に僕に関係ないことは流さないのでご安心ください。」


「分かった・・・安心するよ。

 それなら俺が本村に代わってマッサージをしようか?」


「それは断固拒否させていただきます。」


「・・・さようか・・・。」


何だか柊の態度を見るとどうやらこいつの口からは漏れることがないと分かるので

久しぶりにほっとするのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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